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Marginal Man  作者: 志藤天音
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ダンスグループFST(2/3)

 学園祭当日はまさかの台風。大雨で電車も遅れ、時間通りに生徒たちは登校出来なかった。おまけにこの嵐で停電してしまい、なんとか教室に集まった生徒たちは真っ暗な中で出来るだけの準備を進めて復旧するのを待っていた。

 早めに家を出て無事に到着していた由香里と恵美子は、靴下を履き替え、ローファーを体育館履きに替えて、シゲと一緒にプロジェクターやプレイヤーが動くかどうか確認していた。音が出ることを確認した時に、教室を通りがかった理事長がシゲたちの行動を見ていた。


 「理事長、おはようございます。僕のクラスの生徒たちが作った映画、ご覧になっていきませんか」

 シゲは理事長に声をかけて、教室に入るように勧めた。由香里たちは理事長に椅子を差し出して、再生ボタンを押した。


 「これは懐かしい映像ですね」「アイデアが素晴らしい。タイムスリップでオブジェを使うとは」

 映像を見ながら次々に感想を述べる理事長。映像の中には若かりし頃のマエちゃんも出てくる。

 「こんな映像よく見つけたな。これって本人はあまり見たくないやつだと思うけど、残ってたんだな」

 シゲが驚いてこう呟いた。

 以前は行われていた合唱コンクールの映像を見つけたので、映画に使おうと思って見ていたら、舞台上にマエちゃんが出て来たのだ。マエちゃんファンの律子が、マエちゃんが出てくるところまで映像を使いたいと言い、許可は取っていないが特別出演としてマエちゃんを採用した。


 映画を流していたら、続々と生徒たちが到着していた。照明もつくようになったし、映画を見終わった理事長は「良かったよ。じゃ、頑張って」と一言シゲに声をかけて教室を後にした。

 「みんな、理事長に褒められたよ。良かったね」

 シゲも映画を見終わり、内容に満足した。理事長にも褒められたし、安心もした。

 

〜〜〜


 軽音楽部の方は、今年は小ホールで各バンド一度だけの出演となった。

 顧問が変わったからか、中学生との関係もあるのか、理由はわからないが出番が少なくなった。

 体育館では映画や演劇だけの公演で、吹奏楽部や軽音楽部は別会場に回されてしまった。


 believerはオリジナル曲二曲とコピー曲二曲を披露した。同じ学年のバンド、BLACK Cherryと対バン形式で演奏してオリジナリティを出した。わずかな時間だったが、ライバルのバンドと楽しんで演奏することが出来た。

 ライバルといっても仲が悪いわけではなく、実際は一緒に遊びに行ったりして仲良しなのだ。今回の対バン形式も、お互いに意見を出し合って決めた。

 来年は受験生だから、バンドで学園祭に出るのはこれで最後。悔いなく楽しんで出来て満足だ。


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