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Marginal Man  作者: 志藤天音
72/105

ダンスグループFST(3/3)

〜〜〜


 さて、男性教師の有志たちが結成したダンスグループ。グループ名をどうするか決める話し合いをした時、にしやんが意見を出した。


 「七人もいるんだからさ、二つのチームに分けるっていうのはどう? 『ファイヤーティーチャー』と『スーパーティーチャー』とか」

 にしやんが普段から自らをこう呼んでいることを知っているマエちゃんが反論する。

 「実際『ファイヤーティーチャー』はにしやん一人だけだから、後の六人は『スーパーティーチャー』っていうことでいいか?」

 「『スーパーティーチャー』もなんだか恐れ多いです」

 新人教師の大山先生たちが謙遜する。


 「そしたらさ、ファイヤー、スーパー、ティーチャーの頭文字を取って『FST』っていうのはどうだ? 言いづらいから、読み方を例えばファーストにするとか」

 シゲが提案した。

 「おー、かっこいいですね。FSTでファーストか。急にお洒落になりましたね」

 こうして、ダンスグループの名前はFSTに決まった。


 あらかじめ全体で踊っているのを録画していたので、その映像とあとは個別に練習風景を撮っていたものを繋げて一つのミュージックビデオみたいなものを作っていた。

 編集したのはにしやんで、中国でシゲと撮ったものも入れている。

 それを体育館のスクリーンで、合間に何度か流していた。それで話題をさらったが、実際に七人揃って踊るのは一度きりだ。


 先生たちが実際に踊る時間帯を事前に知らされていた生徒たちは、その頃になると続々と体育館に集まってきた。


 普段から人前は慣れているし、今から本番だという実感がないメンバーたちは、全く緊張しないまま舞台に立った。

 そして、普段の練習通り、いやそれ以上のパフォーマンスを見せて、目の前の生徒たちを魅了した。

 いつもはあまり動いている印象の無い先生たちが、こんなに激しく踊っているのを見て、生徒たちは興奮していた。


 「いやー、お疲れ様でした。やっぱり目の前に観客がいるかいないかでは全然違いますね。見てる人がいると思うとアドレナリンが出て、いつも以上に大きく動けちゃいました。大成功ですね」

 塩谷先生や井上先生たちが興奮した様子でシゲに声をかける。本人たちも気持ちよく踊れたようだ。

 この調子だと、彼らは確実に来年もやるな。シゲはそんなことを思っていた。


 「それにしても上田先生。何で先生のご自宅には音楽スタジオがあるんですか? ただの趣味程度では自宅にスタジオを作ろうなんて普通は思わないですよね」

 夏休みの練習場所にシゲの自宅のスタジオを使ったことをまだ大山先生は覚えていたようだ。というか、ずっと気になっていたんだろう。


 「まあ、君たちもいずれわかる時がくるさ。とにかくお疲れ様。また来年もよろしくな」

 シゲはそれだけメンバーに伝えて、FSTの活動は一旦休止となった。


 「あとは、バンドのことを解決しないとな。最後に曲も作りたいし、一つずつ片付けていこう」

 解散へ向けてのスケジュールを立てて、一番いい形で終わらせたいと考えていたシゲ。

 

 学園祭が終わったら、自分たちのバンドのことをメンバーで話し合って計画を進めなければならない。

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