表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Marginal Man  作者: 志藤天音
42/105

ヨーロッパの旅

 ホストファミリーとお別れし、一同は再びロンドンへ。

 にしやんはライブの疲れがまだ残っているし、由香里はファミリーとの別れの辛さを引きずり、バスの中は静まり返っていた。

 ちなみにマージナルマンのメンバーは、ロンドンを充分に満喫して一足先に帰国した。


 今日はロンドンで過ごし、明日の朝にイタリアのローマに向かう。ホテルに帰ったら、荷物の整理やら両替やら細かいことで忙しくなるだろう。


 夕方までの時間は、美術館を回る。イタリアでもフランスでも有名な美術館はあり、スケジュールにも入っているが、ロンドンにもまだまだ見るべき美術館があるので駆け足で回る。


 ナショナルギャラリー。ここは大英博物館と共に二大ミュージアムと言われている。レンブラント、ラファエロ、ゴッホ、フェルメールなど、教科書でも見たことのある名画が展示されている。教科書で見るのと、実際に見るのでは全く違う。精巧な技術に圧倒されてばかりで、あっという間に時間が過ぎていった。駆け足で回るのはもったいなかった。

 生徒なりにも良い作品であることは理解しており、ゴッホのひまわりのポストカードを購入したり、気に入った作品の写真を撮ったりしていた。


 また、キリストに関連した作品が多数あり、キリストの誕生から処刑、そして復活するまでの流れを描いた作品がたくさん展示されていた。

 「見てこれ。マリア様から産まれたでしょ? そして、人々に布教してるでしょ? 処刑されたでしょ? で、復活してる」

 「マジウケるんだけど。4コマ漫画かっていう」

 「漫画にしては精巧に作られてるよね」

 「これ、復活した時の絵。周りの人めっちゃ驚いてるじゃん。腰抜かすほど」

 「そりゃ、死んだと思った人が復活したらビビるでしょ」

 生誕から復活までの流れが1つの絵になっている作品を見つけたbelieverのメンバーが、笑い転げている。それほどコミカルな絵だった。

 「『復活!』っていう感じだね」

 大爆笑していて何事かと思ったにしやんが来て、絵を見て納得していた。


 由香里も少しは寂しさが紛れただろうか。


〜〜〜


 そしてロンドンを立つ直前のヒースロー空港。

 

 「見て。記念に地図買ってきた」

 本屋で地図を購入して、得意げに見せてきた律子。

 「へー、どこの地図買ってきたんだい?」

 ちょっとニヤニヤしてわざとらしく聞いた由香里。律子がまた何かやらかしたことに気づいたようだ。

 「イギリスの地図だよー。ほら、Britainって書いてあるでしょ?」

 「よく見てみなよ。Britainじゃないみたいだよ」

 「ブリテン……ブリ……何これ」

 「Berlinじゃん! ウケるんだけどりっちゃん! 今回ベルリン行きませんけど!」

 恵美子が気づいて寄ってきた。そして由香里の代わりに間違いを指摘した。

 またもや大騒ぎしているbelieverのメンバーたち。

 「まあ、大人になって自分で海外に行けるようになったら活用しなよ」

 笑いを堪えながら智美が言う。けど、我慢出来ずにみんなで大爆笑した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ