表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Marginal Man  作者: 志藤天音
41/105

ホームステイ〜由香里編〜(8/8)

 そして最終日。学校では修了式が行われた。一人一人に卒業証書みたいなものを渡される。

 マーク先生とペニー先生と握手をする。凄く楽しい授業だった。

 マーク先生はゲームみたいに遊びながら英語に触れる授業だった。きっと子ども向けの英会話の授業だったんだろうけどね。若い男性だったから、みんなに人気だったよ。セブンシスターズとか、観光に行く時も先生たちは一緒に来たけど、常にマーク先生の周りに誰かしら付いて歩いてた。実は日本語話せる説も出ていたけど、どうだったんだろう。日本語で盛り上がっているところに、同じタイミングで笑ったりしてたんだよね。

 ペニー先生は上品な見た目とは裏腹にダジャレが好きな先生だった。

 「ニクジャガ……ミックジャガー」「私はペニー。マニー(お金)マニー……ペニー」と必ず一言ダジャレを付け加える。

 それにペニー先生は案外ロック好きだ。授業中に、急に「私、あのバンドが好きなの」と私も気になっていたイギリスの有名ロックバンドの名前をあげた。思わず私も「あれいいよね!」と日本語で言っちゃった。周りの人でそのバンドを知ってる人がいなかったので、気まずくなってしまったけど、「私も! 私もそのバンド好きです!」とペニー先生に返した。

 

 修了式が終わったら、みんなで庭に出て記念撮影をした。それぞれ先生たちと写真を撮りまくっていた。

 そして、最後のランチ。最後だから、どうしようかな、チョコレートソース。いや、やっぱりかけなかったよ。このケーキのことは一生忘れないと思う。


〜〜〜


 そして夕方からは、ホストファミリーも招いてお別れ会が行われた。

 ホストファミリーと食事をしたり、おしゃべりをしたり、何故かディスコ風の会場も作られて踊ったりと、それぞれ自由に過ごしていた。

 他のホストファミリーと話すことがなかったので、バンドのメンバーのファミリーに挨拶した。

 智美が不満を漏らしていたホストマザーは、話してみると全然嫌な人ではなかった。私は談笑出来るぐらいだったので、智美に「なんだ、良い人じゃん」と言った。たぶん最初の頃は、英語でコミュニケーションが取れなかったからだろうという結論に至った。

 クラウディアとマイケルは二人で来てくれて、みんなや他のファミリーと交流していた。また、二人で踊りに行ったりしていた。本当にラブラブなんだから。言い忘れてたけど、二人はお互いを「アモーレ」と呼んでいるからね。こっちが恥ずかしくなるぐらいラブラブな二人だ。


 そして最後に、生徒全員でお礼の挨拶をして、昨日観たミュージカルのメイン曲を貴子の伴奏で歌った。そして会はお開きに。

 私はマイケルとクラウディアと一緒に帰った。マイケルのお母さんが留守番をしていた。最後に挨拶出来て良かった。


〜〜〜


 とうとうこの日が来た。お別れの朝。いつもは早起きしているのに、今日はギリギリに起きてしまったよ。マイケルが呼びに来るぐらいだった。

 朝ご飯を食べて、荷造りをして、最後の手紙を書いた。沢山のありがとうは連日しつこいぐらいに言っていた。サンキューカードも用意していたので、一緒にベッドに置いて出た。

 ウィリアムとジョージに手紙をもらいハグをして、クラウディアにも最後に「親切にしてくれてありがとうございます」と伝えた。寒がりなクラウディアに日本から持ってきたカイロをあげた。

 マイケルが車で学校まで送ってくれた。車内では無言だった。

 学校に着いて、荷物を降ろしてもらい、お礼を言ってハグをした。おでこにキスされた。

 先に着いていた友達が出てきて一緒にマイケルを見送った。友達がいたから泣かずに済んだけど、ちょっと経ったら泣きそうになったのでしばらく外の空気に当たっていた。


 こうして、私のホームステイは終わった。この数日で、私は自分の気持ちを表に出すことを覚えたと思う。いつもなんだかんだ我慢してきたから。喜怒哀楽が素直に表現できるようになった。

 そしてもう一つの家族が出来た。本当に良いファミリーに出会えたと思う。

 この経験は、ずっと私の宝物だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ