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外伝 とある勇者一行のお話[side僕2]

 正直言って、王姫の攻略は簡単なものだった、勇者の特典だか知らないが、王の聖剣とやらにも認められ、ちょっと魔物倒して、優しくしたらコロッと落ちてしまった(落としたのはもう一人の僕だが戦ったのは俺だ)


「本来は勇者のパーティーが一緒の国にいると、他の国の守りが薄くなってしまうため、よろしくないのですが、何故か のスポットの活動が活発になっているため、私達も向かおうと思います」



「私、あの似非勇者きら~い」


「私も」


「二人とも失礼だよ」


 こいつらはすぐに本音を口に出すからな、まあ、嘘もつけない性格だから、信用しているんだけど。


「ま、まあ、御二人の気持ちも分かりますが万が一のこともありますので……」


 二人は渋々了承したみたいだが、僕としては好都合だ、何故かって?

 今、僕には攻略しようとしている女がいる、勇者カイトのパーティーにいるエミリーだ。

 王女様の美しさには敵わないが、それに劣らない見た目と強さを持っている。


 だか問題が1つ……とある二人が邪魔になる可能性だ、王姫はパーティーが同じになったこともあり、流れで関係を深める事ができたが、今回はそうはいかない。


 しかし、エミリーはどうやらもう一人の勇者と関係を持ってないどころか、他の男ともそういう話がないらしいからな、絶好のチャンスという訳だ。


 セントラルからウェストニアまでは馬車で四日ほどで着く、これまた勇者の特典で容量は魔力で変わるらしいが入れた物の時間を止めたまま保存できるアイテムボックスもあるので、長旅も余裕だ。


「着きましたね」


「普通のベットで寝たーい」


「私も」


「ははは……」


 お前ら俺の腕に引っ付いて気持ち良さそうに寝てたけどな‼


「その前に一応もう一人の勇者様に挨拶に行った方がいいかも知れませんね」


「えー」


「面倒だわ」


 二人は嫌そうにしてはいたが渋々挨拶に行くことにしたようだ。

 勇者の家はそこそこ大きく、噂では亜人の女奴隷を何人か使役しているようであまり、感心しない……女は買う物じゃない、攻略するものだ。


 そろそろ家が見えてきたな……


「な……何でそんな事したのよ‼あり得ない……私はここを抜けるわ‼」


「な、おい‼待てよ‼」


 バンッ


 家の中から怒鳴るような声が聞こえたと思ったら勢い良くドアかま開き、エミリーが飛び出し反対方向に走り去って行った……


「どうかしたのでしょうか?」


「┐('~`;)┌」


「……」


「あの子は……二人は中に入って話しを聞いてくれ、僕は彼女を追いかける」


「「え、ちょっと」」


 彼女達の制止を聞かずに僕はエミリーを追いかける。

 エミリーのスピードに付いていけず少し時間がかかったが、広場のベンチに座っているエミリーを見つけた。


「どうしたのかな?急に飛び出してきたところを見たんだけど」


「貴方は……確か……」


「春人だ、前の召集の時以来だね」


「どうも……」


 どうも元気がない……やはり何かあったのかもしれない。


「良かったら相談にのるけど?」


「実は……」


 とある冒険者と仲良くなったエミリー(このとある冒険者について詳しく知りたいところだが今は止めておく)そして、それを良く思わなかった勇者が冒険者と決闘することになったがぼろ負け、その後、勇者はこの国の王にあること無いことを自分に都合が言いように話したらしい。


 その結果その冒険者は国を追放されこの国を出ていってしまったらしい。

 それに怒ったエミリーが先ほど勇者と口喧嘩をして、今に至るという訳だ。


 勇者に勝つとは……一体どれだけの強さなんだ……ということはまさか……



「君も……その冒険者に負けたのかい?」


「えと……まあ、負けたようなものかな」


「そうなんだ……う~んそうだな~、もしその人の事が気になるなら追いかければいいんじゃないかな?門番に聞けばもしかしたら行き先も分かるかもしれないし」


 な、こいつ……何言ってやがる、関係を後押ししてどうする‼


「それいいかも‼そうと決まれば今から……」


 そう言うとエミリーはベンチか立ち上がり門の方に向かおうとする。


 ……しかたねぇ……代わるか……


「ちょっと待ってくれ‼」


「ん?なに?」


「君に勝ったからそいつが気になってるんだったら、僕と決闘しないか?それで僕が勝ったらそんなやつのこと……」


 少々強引だが、仕方がない……折角、勇者とも悪い雰囲気でその相手もいないんだ、絶好のチャンスではある。


「少し前の私なら……喜んで受けたかもしれないけど……もう止めることにしたんだ……そういうの……」


「え……」


「今は……その人事が心配だし、それしか考えられないから……」


「そうか……」


「それじゃあ、私……行くね」


 そうしてエミリーは走り出した……俺がそして僕が追い付けないスピードで、流石、最速の聖剣士と言ったところだ。


 どこの誰だか知らないが……俺の攻略対象を先に攻略するとはいい度胸だ……必ず消してやる。

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