外伝 とある勇者一行のお話[side俺]
テヌキジャナイデスホントデス。
区切りっぽいからね……
俺は工藤カイト何処にでもいる高校生だ、唯一違うところがあるとすれば女好きってところかな、あと若干チャラい。
でも色々な女に手を出したりしている訳じゃないし、手を出したからには皆を幸せにするつもりだ。
そんなある時の出来事だった。
「なんだここは?」
「起きましたか?」
そこには金髪の美女がいた。
「可愛いな」
「え?」
「いや、俺の彼女達の方が可愛いな」
「はぁ!?」
「あんたは?」
「え、あ、私はルシナ、この世界の女神をしています……めっちゃくちゃ態度でかいな……」
「マジ?」
「はい」
女神なんてこの世にいるわけないだろ……
「それで俺は何でここに?」
「工藤カイトさん、貴方は死んでしまったためここにいます」
「なるほど」
「驚かれないのですね」
「なんとなく予想はついてたんで、でも何で死んだんだ?」
「女の子を助けて車にひかれてしまったんです」
そうだ思い出した。
あれは日曜日の昼間だったか、普段学校がない日は基本的にナンパするのが日課なんだが、その日はなんと彼女とデートだっだだ。
「今日はどうする?」
「貴方がエスコートしてよ」
「ふ……任せろ」
このときの俺はテンションが上がっていた、実は初めてのちゃんとした彼女、いつもはナンパは撃沈なのさ。
そんな時のことだった、信号が赤なのにもかかわらず車がスピードも落とさずに走ってきている、彼女は気づいていない。
余所見運転が?それとも酒?どちらでもいいがこのままだとひかれる。そう思った刹那俺の体はすでに走り出していた。
「クッソッ‼ 間に合えッ」
彼女に手届き歩道に押し返したと思ったと同時に俺の視界は真っ暗になった。
「思い出しましたか?」
「ああ」
「それで俺は何でここにいるんだ?」
「それはですね、まずここは他人の死を代わりに引き受けてしまった人の魂にもう一度チャンスを与える場所みたいなものです。」
「なるほど、それでは俺にはそのチャンスが与えられたってことか?」
「そうです、実は貴方が助けた貴方の彼女は交通事故で亡くなる予定でした。ですがそれを貴方が助けた、とゆうわけです」
「チャンスということは生き返らさせてくれるのか?」
「そのつもりです」
「もとの世界でまた赤ちゃんからやり直せとか言うわけじゃないよな?」
「いえ、貴方には申し訳ないのですが同じ魂を同じ世界に戻すことは難しいんですよ」
「そうか……」
ちょっと残念な気がするな……女を残してきたし。
「なので異世界で暮らしてみるのはいかがでしょう?」
「異世界転生ってやつですか?あんまりそういの見ないからな……」
「その名の通りだと思います」
「それでチート能力とかもらえるのか?」
「あ~やっぱり期待しちゃいますよね」
「ないのか?」
「昔はあったらしいのですが、チート過ぎて世界が壊れたり、世界征服とかされる事件があったみたいで経験値が倍だとか、能力が最大だとか、スキルが作れるみたいなのはないんです、しかしなにも無しに異世界に送りだすのも良くないのでちょっとした女神の加護を授けます」
「すごいのか?」
「あまり期待されてもたいしたものでもありませんよ」
すると女神ルシナは俺の頭に手をかざすと何かが流れ混んでくる感覚があった。
「まずこの世界の言語が分かるようにしました、あとは物のステータスを見ることができる鑑定眼も……神様に止められちゃったし仕方ないよね……」
いやそれ普通にチートじゃね?
「そして転生者には職業を選ぶ権利が与えられます」
「それって何でもいいのか?」
「はい、存在しているものであれば、例外もありますが……」
例外ってなんだよ……
「容姿とかってのはどうなるんだ?」
「基本的にはそのままですよ。ですが職業によって多少変わったり、特別なスキルが与えられることもあります」
この選択が異世界での生活に関わってくるからな~難しいところだな
「おすすめとかってあるのか?」
「そうですね、おすすめかどうかはわかりませんが勇者だったり、金持ちの貴族とかも選択肢のひとつかもしれませんね……少し前に面白い人がいましたけど」
「でもそれだと世界が勇者だらけになったりしませんか?それに勇者なら召喚されたとかでうやむやにできるのかもしれませんが貴族とかだと難しくないですか?」
「そもそも誰かの代わりに死ぬなんてことあまり起きませんし、それが貴方のような異世界転生を夢みる青年ともかぎりませんので大丈夫です。貴族に関してはそのままの体の例外で金持ちの貴族の子供として転生していただきます」
「なるほど」
そこら辺はうまくできていると言ったところか、でも今の質問で俺の職業は決まった。
「決まりましたか?」
「俺の選ぶ職業は勇者だ‼」