42話 仲直りするようです
三本目……まとまったとは思います、ありきたりな感じですけどね。
彼女の第一印象は正直言ってよく分からない……ギルドの食堂で会ったのが初めてだったが、フードで顔も見えなかったし、変な奴に絡まれるし、印象的だったのは覚えている。
その後すぐに彼女と話せたのもたまたま彼女が部屋の鍵を落としていったからで、それがなければもしかしたら今後話すこともなかったのかもしれない。
最初はただ興味本位だった、この世界のことも知りたかったけど、彼女の話を聞いてみたかった……それだけだったけど彼女の話はこの世界に転生したばかりの俺にはよく分からないことばかりだったけど、彼女が辛い思いをして生きてきたことは分かった。
白状すると、可愛いなって思って下心はありました……力になってあげたらもしかしたらなんてことも考えてなかったと言えば嘘になる、でも彼女の話を聞いているうちにそんな事は忘れていた。
その後色々あって手遅れになる前に彼女を助けられたけどそれもたまたま女神様が手……目を貸してくれた?まあお告げみたいなものをしてくれたおかげ……彼女に感謝される程のことを果たして俺はしたのだろうか……
その日の夜、彼女が誘ってきた……もとい近くにいてほしいとの要望で承諾したけど……自分童貞だったので……女子と部屋で二人きりとか厳しいですよ……
一緒のベッドで寝ることになって……自分の魔剣を押さえるので精一杯だった……だって……めっちゃ良い臭いするんだもの……
でも……彼女の最後の一言が決定的だったのかもしれないけど……記憶にございません……て言えないほど鮮明だったのをここで謝罪します……
俺はそんな事よりも大切なことを心配していた……こんなにも可愛い子と仲良く慣れたのに、一夜限りなのかと……そういうことよりも、もっと色々イチャイチャしたいんですが……これが童貞拗らせてた俺の気持ち……
そんな事を考えていたけど、そんな事もなく、彼女とはほどよい関係を築けた……と思う。
そんな勢いで始まった俺達の関係……気がつけば同棲までしていた……朝、昼、晩と美味しい食事に何時までも見ていられる可愛い子……文句などありはしなかった。
それにとても充実して幸せだった……少なくとも俺は……彼女は俺に感謝をしていると言っていた、それに好きだと……確かにあんなことから助けて貰えばそういった感情も生まれるだろう。
俺は……不安だった……彼女が幸せなのかと、俺といて良いのかと、でも喧嘩をすることもなかったし、俺の思っていた夫婦的なものにも見えた気がする。
でもある時、衝突が起きた……それはレイラに関してだ、彼女には言ったことがあってけど、どうしてもハーレムが良いって訳じゃない、男なら誰でもとは言わないけど考えたことはあるはず、女なら誰でもって訳じゃない、話をして分かり合って、幸せにしたい……そう思える関係じゃないと……
彼女の嫉妬に対してとてつもない罪悪感があったし、でもレイラに対する気持ちは本当だ、レイラの気持ちもむげにはできない。
それでも彼女はレイラの事を認めてくれて、平和な日常が続いたが事は起きてしまった。
二十歳を迎えた俺はお酒に手を出す、真実は記憶にないので確かめようがないがセリカによれば一線は越えなかったと……何とも言えないけど、一番の失敗はそこではなかった……彼女を家に残して朝帰り、彼女が俺のために準備を進めていたことは知っていたのに……
もっとお互いの気持ちを確かめに合うべきだったのかもしれない、色々と飛ばしてきた俺達は特に……
今できることはもう一度会って話すこと……それだけだ。
「待っていてくれルナ……」
魔王城まで着いた俺はリリスに言われた場所に行くことにした、何故かは分からないけど、彼女はそこにいる……そう感じた。
「確か……この階のテラスに居るはず……ん?」
テラスは階段上がって右奥にあるので、目線を向ければ視界に入る……ルナの姿を確認できたが確認できたのルナだけではなかった……
「マジですか……こんなタイミングでまたか……」
話をして分かり合うそう決めたやさき、またゴロツキに絡まれているルナ……これじゃあまた……そんな考えが脳裏をよぎる。
でも今は助けないと、それに仕切りなおしたって良いじゃないか。
ルナの元へ急ぐ。
「暴れんじゃねーよ」
乱暴だな……早く助けに入らないと
「楽しそうだな」
「ん?誰だ?お前も混ざる……お前は……」
「近くに居たのかよ‼」
なんか勘違いしているみたいだか今来たところです。
「くっ……どうする?」
「そう言われても……」
随分と俺も恐れられてるみたいだな……今はその方がありがたい、無駄に死人を出したくないしな。
「お前らもあの事件の話を聞いたことがないわけじゃあるまい?人の女に手を出してただで済むと思っているのか?」
「「くっ……」」
「まあ今後関わらないと約束するなら見逃してやろう」
「マジか!?」
「お、おいお前……ちっ‼自分の女だったらもっと近くで見張っておくんだな‼くそっ‼行くぞ」
「分かった……」
雑魚の捨て台詞は要らなかっただろ……
すごいスピードで走り去っていたが、にげあしすごいな……
おっとそんな事よりも……
「大丈夫だったか?」
「え……あ、うん……でもなんで……」
「リリスに聞いてね、もしやと思ってさ」
「お姉ちゃんが……あ、あの私……」
それ以上は言わせてはいけない、それでは意味がないから……
「ルナ」
「え……」
「話をしようか?」
「いいけど……それより私……」
「もう良いんだよ、ルナの言おうとしてる事は気にしてないから」
「え……そうなの?」
「ああ」
きっとルナのことだ、謝ろうとでもしたんだろうな、俺も最初はただ謝ろうと思っていたけど……でも俺達には必要なのはそんな言葉ではない、重要なのはお互いの気持ち……それだけだ。