外伝 とある勇者一行のお話[僕]2
外伝です、前からあったんですけどいつにしようか悩んだあげくこのタイミングです……
区切りがよかった(?)ので……
僕は昔から誉められるのが好きだった、容姿端麗、ある程度のことは何でも出来た。
皆にない物を沢山持っていた、例えば幼なじみの千秋、彼女は学校でも有名な美女で、清楚系ではないがその男女共に同じように接する態度が人気の理由でもあった。
そして何故か僕の愛人候補になっている美冬、彼女もまた美女で有名な一人で、その綺麗な顔立ちと何処かミステリアスな雰囲気のクールさが人気だった。
彼女達は基本、僕と一緒に居るため毎日の様に男子達の羨ましそうな顔が目に写る、僕はその優越感がたまらないんだ。
ただ一つ問題があった、学校には他にも可愛い子は沢山いる……だが二人の美女が僕の両サイドに居ることで、裏でこそこそと黄色い声援を上げるだけで近づいて来ることさえない。
これでは僕の更なる優越感を感じる妨げになってしまう……が通常の僕がそれを良しとしない。
僕は人気を得るために人当たりを良くしてきた積もりだ、もともともそういう性格ではあったのだが、気が付けば意識してそうするようになっていた。
そして僕は多重人格者になっていた、一人は人々を自分の下に見ていて、あたかも自分が王であるかのような人格、もう一人は他人優しさを振り撒く偽善者……まあ鈍感系主人公的な?
それに関しては問題ではなかった、偽善者のやつが勝手に周りの好感度を上げてくれるからな……それでもやはり例の二人が邪魔をする……
「あれ?王道君?」
「あ、三咲先輩じゃないですか」
来た‼強制イベント‼ここを逃す手はないぞ!
「珍しいわね、君が一人なんて……」
「あはは……流石にトイレまで着いてこられるのは……」
「ふふ……貴方も大変なのね」
「まあ、あの二人も悪気があるわけでなないので……」
「あの、王道君さえ良かったら何だけど今度……」
お?相手から誘ってくるなんてラッキーじゃないか。
「春人ー?」
「春人君?どこらしら?」
クソッ‼本当にタイミングが悪いやつらだ……
「あれ?まさか待っていた訳じゃないよね?」
「当たり前でしょ、いつ春人悪い虫が着くか分からないんだから」
「私は貴方に私以外の愛人居ても構わないわよ」
「ははは……で先輩さっきの話は……」
「あ、いや何でもないの、私まだ仕事が残っていたからまた今度ね」
折角のデートイベントが水の泡に……
「あれ今の生徒会長じゃないの?何を話していたの?」
「愛人を増やしていたのかしら?」
お前は愛人から離れてくれ……
「たまたま会っただけだよ」
先輩の気持ちに気づいていないこいつもこいつだ。
そもそもこの国の法律が悪い……何故か一夫多妻が禁止されているんだ……これでは俺のハーレムを作る事が出来ない……
そういえば前にプレイしたギャルゲーにハーレムエンドが可能な奴があったな……確か名前は”異世界ハーレムコレクション”だったかな。
異世界の姫の攻略の仮定で既に他のヒロインの好感度も高ければ、異世界の王になることですべてのヒロインと結婚するルートだ。
しかし異世界転生か……非現実的だな……
別に主導権を握られている訳ではないが僕の回りにはいつも彼女らが居るため、僕が出いっても仕方がない。
僕が出るとすれば彼女らが何かしらで居ないときだか、そんなことはほとんどない。
そもそも僕に合う女などほとんどいないのだけどね。
そんなある日のことだった……
僕達何時ものように三人でいた。
すると僕を中心として地面に謎の模様が浮かび上がる。
「なんだこれ?」
「なんなのよこの変なの」
「確かに変な模様ね」
これは……異世界物で良くある、転移魔法の陣の様に見えるけどそんなものがあるわけないしな……
「二人とも危険かもしれないから離れるんだ」
「「嫌よ‼」」
魔法陣は僕が動くとそれについてくる様だった、何が起こるか分からない、彼女らには離れて貰うべきだ。
「春人だけ危険にはさらせないよ‼」
「愛人として最後まで添い遂げるわ‼」
そう言って、聞かない二人を他所に、魔法陣の光は更に強くなり、すでに周りは見えなくなっていた……
気が着けばそこは、さっきの場所とは似ても似つかない、豪華な装飾をされた場所だった。
目の前には、王女の名が相応しいような美しい美女が一人。
「成功したのか?」
「はい、お父様」
「ついにこの国にも平和が訪れるのか……」
「「おおー」」 「「ついに」」 「「あれが例の……」」
周りには沢山の人がいて、目の前には大きな椅子に座った中年の男、いかにも王様って感じが気にくわない。
しかしそんなことはどうでも良かった……
俺の感情は一つの物に支配されていた、例えるならば主人公がメインヒロインに初めて会ったときの様な……
ここから始まるのだ、僕達のハーレム物語が……