27話 別れるようです
その後レイラは黙って俺の肩を借りた。
お姫様抱っこは止めておいた……後で焼かれそうなので。
「それが素なのか?」
「ほっといてくれ……」
「そのぶんだと中身も以外と……」
「おい」
「悪かったって」
そう借りるときはな……
「追って来ないな……」
「そうだな」
あれからどれくらい歩いただろうか……そんなには経っていないはずだけど……
やはり何かに操られている様な感じがする、それなら追ってこないのわかる。
「お前も疲れただろう?この地図によるともう少し行ったとこを曲がると水が流れているらしい」
「本当か‼もう喉が乾いてしょうがなかったんだ」
少し歩くと本当に水が流れていた、こんなところに川があるなんて、運が良かった。
こんな状況でわざわざ隠すことも意味がないので、さっさと兜を脱ぎ捨て水を飲んだ。
するとこちらをじっとレイラが見ていたので……
「ひとりで飲んで悪かったほれ」
すでに空になっていた水筒に水入れてレイラに渡す。
「……」
しかしレイラは俺の顔をじっと見たままで水筒を受け取ろうとしない。
「どうした?」
「え、あ、いや……お前人間だったんだな……」
一瞬顔を赤らめたと思ったらそんなことを言い出す。
「分かるのか?」
「ああ、兜で分からなかったが、私でなくても経験を積んだやつなら、魔力でわかる……お前は少し特殊だがな……」
「そうか、お前は人間を良くは思わない系か?」
「いや……」
何か言いたそうな雰囲気のだが……まあ、わざわざ聞くことないかな。
「なら良かった」
「お前は……何者だ?まさか……人間のスパイか何かか?」
「いや……そうじゃない、そもそも人間界には行ったことがない」
「は!?どういうことだ?」
「それは……」
これも何かの縁だったのだろう、俺はレイラに俺について話すことにした。
「まさかこんなところで希人に会うなんてな……」
「そんな大したものじゃないさ、名前は悠斗だ」
「ユートか……なかなか良い名前だな」
「自分では良く分からないけど、有り難う」
「そうだ両親に感謝すべきだな……それとお前が自分の事を話してくれたんだし、私も話すことにするか……」
レイラの事……これまでの話を聞く限りあまり良い話でもないだろう。
「無理に話すことはない、俺が勝手に話しただけだ」
「そうか……じゃあ私も勝手に話すだけだ」
「そうか……」
やっぱり頑固なやつだな……
「私は人間と魔人のハーフなんだ……」
「ほう……」
「お前は……希人だったな、驚かないのも当たり前か……」
「どういうことだ?」
「この世界ではどの種族間でも混血というのは忌み嫌われる存在なんだ……その中でも特に人間と魔人ではな……」
でも人間と魔人の違いって魔力だけなんじゃないのか?
「そういうものなのか?」
「ああ、その原因は寿命が関係している」
「寿命?」
「私の様なハーフはな、寿命が長いんだ、通常人間は80~100歳、魔人は100~120が最高だか、ハーフはその倍だと言われている」
「それは……確かに問題だな……」
知り合いが寿命を迎えていく中で自分はもう一世代分も生きなくてはならないのは考え方によるだろうが、辛いものだろう。
(自分は不老だということを忘れている↑)
「だから私は故郷を離れここで六魔将などやっているのだか……両親を恨んだりはしていない、父と母は正しい愛のもと私を生んでくれたのだから」
「良いね、そういうの」
「ありがとう……少し喋りすぎてしまったが、お前はもう行くんだ……」
「は?」
「さっきはあのように言って貰えて嬉しかったが……私はまだ動ける状態じゃないからな、いつ奴が来るかも分からないんだ、今のうちにお前だけでも……」
「お前は……まだそんな事言ってんのかよ」
「お前の気持ちは有りがたいが、私は常に確実な選択をするようにしている、このままで私を置いてけば、お前は確実に帰れる、この地図道理に行けば大丈夫だ」
そう言ってレイラは俺に地図を渡そうとするが、俺は受け取らない。
「じゃあお前はこんなところで一人で死ぬってのか!?」
「そうかもな……」
「ふざけるな……だったら俺もここに残るぞ」
「それならいますぐ私は、この剣で命を絶つが?」
「なっ……ふざけやがってかせっ‼」
何処までも頑固な女だな……ラノベとかアニメで見ていた真面目女騎士は、良く見えていたのに……
俺はレイラから地図を奪いとりその場を後にした。
「行ってしまったか……」
かすかにレイラの声が聞こえた気がしたがそのときの俺は気にも止めなかった……
その後レイラと別れすぐのことだった。
「この地図どうやって見るんだ?」
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