21話 魔物を討伐するようです
「そろそろ魔物の討伐とか行ってみない?」
「え?」
あの日から俺は程よくルナの性欲を発散させつつ平和な日常を送っていた。
不思議なことに一晩寝れば体は回復するのだが……精神的に……
そんなある日ルナがそんなことを提案する。
「貴方そのなりで魔物の1つも倒したことにないんでしょ?」
「確かに……」
俺は異世界に転生したのにも関わらずいまだに虫すら殺していない。
人は殺してしまったが……
異世界らしい生活なんて送っていない気がした。
「それにこの国の外も見て見たくない?」
「それもそうだね」
「だからまずはハンターの町モノルドに行きましょう」
「ん?ハンターって職業の名前じゃないのか?」
「職業ってのはそれに特化した人がなるもので、オールラウンドの人はハンターが多いわね、最初ギルドに登録するときはハンターの人が多いからね」
「なるほど」
俺の知っている話で言う冒険者みたいなものか……俺はそれで魔王を倒したやつ聞いたことあるけど……
「じゃあ決まりね、準備して出発しましょ」
「分かった」
モノルドまでは馬車で2日ほどで着くらしい。
ここから一番近い町だとは言っていたけど、目的地に1日以上かかるなんて感覚がないからな……
「あっ‼」
「どうした?」
「馬車で行くってことは他の人もいるわよね」
「そうなのか?」
この世界の馬車のルールなんて知らないからな。
「エッチはお預けか~」
さいですか……
いつものことなので無視する。
その後お金の話しになったのだが、ギルドガードがあればモノルドにあるここよりは小さなギルドでお金の出し入れが出来るらしい。
ガタガタッ
馬車に乗ってみた感想としては……ただただお尻が痛かった、イスは木で出来ていてとにかく揺れがひどい。
一緒に乗っている人に知り合いがいるわけでもないのでルナのイチャイチャもといお話をするしかない。
案の定視線が痛かったが俺は鎧を着ていたので知らない。
「着いたわね」
「ここがモノルド……」
なんというかTHE始まりの町みたいな雰囲気だった。
それよりも俺は早く普通の飯が食いたい。
移動中の飯は、非常食の様なもので、腹膨れても味気ないものだった。
「取り敢えずしばらく泊まる宿に行くわよ」
「来たことあるのか?」
「前のパーティーの子達とね……」
「そうか……」
話しをして吹っ切れてはいるみたいだが、いい気はしないのだろうな。
「ここよ」
ルナに案内されたのは見た目も異世界で想像していた様な宿で食事も出来るみたいだけど名前は……please fourever stay……
なんともいえないな……
「名前は亭主の気持ちが溢れてるな……」
「あはは……でも宿としては評判いいのよ」
そう苦笑いしながら宿の中に入る。
「いらっしゃいませ~」
良い、ルナには負けるが町娘って感じで可愛い。
……ルナに足を踏まれた気がするが鎧着ていたので知らない。
「一週間でお願いします」
「今、1つしか部屋が空いてないんですけど」
何だって!……でもほぼ一緒の部屋にいたから変わらないか……
「じゃあそれでもいいわ」
「あの、でも……壁が薄いので……」
おいおい、まだ中学生くらいの子に気を使わせちゃったよ……
顔真っ赤だぞ……
「気にしないで下さい、静かにヤルんで」
「えっ!?あ、でも、それならいいのかな?」
いやそういうことは言ってるんじゃないし、良いのかよ!
「でもここがそこそこ人気なのは分かるけど、部屋が空いてないのは珍しいわね?」
「なんかレアな魔物なのか強い魔物なのかは知りませんけど最近森の方に行くハンターの方が多いですね」
なるほど、それで一攫千金を狙ったやつらが来てるってわけか。
「行きましょう!」
「え?」
「今すぐ!」
「着いたばかりだし、そんなに急がなくても」
「何言ってるの、他の奴らに先越されたくないでしょ!それに強い魔物で大きい魔石だったり、レアな魔物で良い魔石だったら、私達の老後は安泰よ」
「……」
隠居でもするつもりか……
そさくさと宿を後にしてしまったルナに着いくしかなかった。
「ここの森は、初心者の森だとか始まりの森だとか呼ばれているの」
「そうなのか」
なるほど、成り立てハンターの狩場といったところか、そして今回は初心者殺しでも出たのかな?
「あまり詳しく説明してなかったけど、魔力溜まり、皆はスポットとか呼んでるけど、その亀裂の大きさによって難易度指定とかもされてるわね、ここはD~Cといったところね」
「今回は初心者殺しでも探すってところか?」
「初心者殺しなんてよく知ってるわね?前の世界にもいたの?」
「まぁな」
二次元だけど、その中の異世界だけど。
「取り敢えず中に入りましょ」
「そうだな」
そう言って森の中をどんどんすすんでいると、早速魔物らしい魔物が現れた……ゴブリンだ。
「ゴブリンか……」
「魔物の名前まで一緒なのね」
「え、ああ、でも名前くらいしか分からないけど」
「ゴブリンは魔物の中でも繁殖力が高いから、見つけしだい排除することになっているの、人里が襲われるってケースもよくあるし」
「なるほど」
「まあ見てて、”ソニックブーム”」
スパッと良い音が聞こえそうなぐらい綺麗にゴブリンの首が飛んだ。
「へぇ、すごいな」
「このローブステータスだけじゃなくて魔法威力を少し上がってるみたい」
今、ルナは魔法の詠唱らしきものは聞こえなかったから、この世界では無詠唱が当たり前なのかな?
でもファイヤーボールだなんだって言うのは、昔の厨二病が蘇りそうだな。
ブックマークまた増えてて嬉しです。
評判の方も増えてくるとやる気に繋がるので確認してくれると幸いです。