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八つ当たりは今日も失敗

男から丁度良い滞在先を教えてもらい、二人はお菓子の国の方へ向かった。


「アンタさぁ…少しは僕の話聞けよ……」


「良いだろ、どうせそのまま突き進んでも何も分かんねーことが分かったんだし」


「ハ?」


「俺が通った道には滅ぼされた国しかないんなら、手掛かりどころか聞き込みすらできねーじゃん。壊した様子を見て記憶が戻るかって言われても、さっきの瓦礫見ても何もなかったから望み薄だろ?」


「……アンタさぁ!!!」


何も考えていないと思ったら、流暢に話し出したバケモノに少年はキレた。このバケモノ、知性の降り幅が凄まじい。


「全く、普段からそうしてれば──」


「──銃を持った人間が六、刃物持ちが八、魔法使いが四」


バケモノが淡々と告げた。少年は警戒心を強める。少年の視界には何も映っていないが、バケモノは身体能力だけでなく感知能力も桁外れだ。


知性に関してはいまいちでも、そこら辺は信用しているのだ。


「様子は?」


「隠れもしてねぇ。何か…こっちに突っ込んで来てる…?」


「バカなの?」


「俺に言うな」


少年も近づいてきた人間の姿を確認する。本当に隠れていない。


剣や銃を振り回し、魔法であちこちを破壊している。行動の目的が理解できない。狂人と呼ばれる類いの人間だろうか、と少年は自分を棚に上げて考える。


「行ってくる」


「行ってらっしゃい」


バケモノが足に力を込めた途端、姿が消える。しかし、少年は動じない。バケモノが瞬間移動したわけでも、透明になったわけでもないことを知っているからだ。ただ単に、()()()()()()()()()()()()()()()()。それだけだ。


長い旅路で少年はバケモノの規格外な能力を粗方分析し終えていた。それでもなお、()()()()()()()()()()()()()()


手を抜いてなんていない。全力で、一心で、バケモノを殺そうとしている。


(なのに、コイツはさぁ……!)


(殺意)を込めて作った『聖水』は「熱い」の一言ですぐ再生される。少年の細い腕と脚では、殴っても蹴ってもバケモノは無傷だ。


人間の頭を弾けさせたバケモノを見て、少年はひとりごちる。


「強い人の弟子にでもなろうかな………」

少年は自分が狂人の自覚がない


悪魔を殺すための向上心はあるから、マトモな師匠さえいれば少年は体を鍛え始める。問題はマトモな武術の師匠と出会えないこと


少年「我流で鍛えてみないのかって?やってもやっても筋肉ゼロで体力しかつかなかったからこうなってるんだけど????」

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