第四十八話 眼福!
翌朝
「おはようチロル! 今日は若手メンバー主体の組がレベルアップの為にミスティックダンジョンに行くのだが…さっそくチロルの力を借りたいんだ」
「ミスティさんおはようございます! レベルアップって事は取得経験値アップの装備ですね」
「うむ…話が早くて助かる…ありがとう! で、今すぐだと何個作れる?」
「今持ってるのは取得経験値5倍が8個です」
「8個か…全員で12名いるんだが…うーむ」
「ミスティよ、われも力を貸してやろう…」
エンドラが異空間から現れる。
「え!? エンドラ!? チロルいつ召喚したんだ?」
「アハハ…エンドラは自由に出入りできるみたいです」
「なんと…すべてが規格外だな…君たち二人は…。エンドラ…よろしく頼む!」
ミスティは頭を下げてエンドラにそう言った。
「だが…いつも手を貸すとは限らんぞ? われが手を貸すのはチロルにその気がある時だけじゃ…それはよく心得とくがよい」
「ありがとうございます!」
ミスティはエンドラがエンシェントドラゴンという事はニーニャから聞いている。
だが自分の目で確かめたわけではないので心のどこかに小さな…とても小さくはあるが【疑念】があった。
もちろんニーニャの言葉を信じていないわけではない…。
インフィはその【疑念】が自分にとって今後マイナス要因にしかならないと思っている。
意を決してインフィはエンドラの前に立つ。
インフィはエンドラの目の前で膝をついて深々と頭を下げた。
「エンドラ……様!!!」
「え…?」
チロルは思いがけないミスティの態度にビックリした。
「恐れ多いですがエンドラ様のお力を私に見せて頂けないでしょうか!」
「ふむ…【疑念】か…。 みなまで申す必要はないぞ…ミスティ…。 外を見るがよい!」
エンドラは窓から外に飛び降りるとエンシェントドラゴンに変化した!
王都の上空を巨大なドラゴンが舞う!
「あああ…これはまさに…夢じゃないだろうか…伝説の守護龍…エンシェントドラゴン様!!!」
しばらくしてエンドラが少女の姿で部屋に戻ってきてインフィの前に立った。
インフィは膝をついたままさらに頭を下げた。
「先程のご無礼謹んでお詫び申し上げます! エンシェントドラゴン様!」
「ふむ…エンドラでよいぞ…インフィ」
「はっ!」
「ごめん…あの…横からで悪いんだけどさぁ…えっと…エンドラ? まず服着ような?」
巨大化する事で衣服が引き裂かれスッポンポンの姿でインフィの前に立つエンドラ。
スッポンポンの少女の前で膝をついて頭を下げる王国ナンバーワンギルドのリーダー。
そのシュールな光景を前に、チロルがそうエンドラに告げた。
「ふむ…では着替えてこよう」
エンドラは異空間に消えた。
インフィはフーっと大きく息をはいて椅子に座る。
しばらくすると服を着たエンドラが異空間から現れた。
インフィは膝をつこうとするがエンドラが制した。
「やめよインフィ。いまはただの召喚獣じゃ」
「はっ! エンドラ様!」
「ついさっき『エンドラでよい』、われはそう言ったが?」
「わかった…エンドラさ… エンドラ…」
「ふむ…では取得経験値増加のスキルを付与しよう。ところで…さっきわれの裸を見てどう思ったインフィ」
「眼福の極み! とても素晴らしい光景でした!」
「このロリコンが!」
そこでチロルが爆笑した。
「アハハ! ロリコンって(笑)」
「インフィが固かったからの、冗談いっただけじゃ」
「アハハ! ありがとうエンドラ、じゃあ素のままでいくよ!」
エンドラはインフィの用意した指輪20個にそれぞれ取得経験値20倍のスキルを付与していった。
「ありがとうエンドラ! 流出しないようこの指輪の管理は厳重にするつもりだ」
「ふむ」
そこにニーニャが部屋に入ってきた。
「ミスティックダンジョン遠征の準備できたわよ」
「じゃあチロルも一緒に参加してくれ、色んなメンバーとどんどん組ませるから…早くインフィニティナイツに慣れるようにな!」
「了解リーダー! では行ってきます!」
投稿後に読み直すと間違いがあったので訂正しました。
インフィとニーニャが「血が繋がってる」という部分がありましたが、実際は血は繋がっていませんので訂正しました。
あと文字抜けもあったので直しときました。