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ご主人様と猫。  作者: 鍵屋
はじまりの話。
9/18

9、お仕置きされました。

 抱き上げられて、移動して。

 それからストンと降ろされた先は、なぜか、お、そ、…………。

 ええい! これ以上恥らってなんていられないですよ。こん畜生めが!


 ご主人様の膝の上でしたよ。

 それが、どうしたですか!


「みー、随分不遜なこと考えてない?」


 …………き、気のせいですよー。


 というか、どうしてアタシの考えてることがわかったですか!


「顔に全部出てるから。

 ところで、クッキーとプリンならどっちがいい?」


 はう。顔に出てましたですか。

 そういえば、よく顔に出る子だと昔は言われたですね。

 お母さんには、さすがアタシを産んだだけのことはあってまるっとお見通しだったです。

 懐かしいですね。


 ……視線が! ご主人様の視線が!

 さっさと答えやがれと無言のプレッシャーをかけてくれやがってます!


 ええっと、クッキーとプリンですか。ふむ。

 あのサクッとした歯ごたえもアタシは好きです。チョコチップだったり、バターたっぷりだったり、ナッツが混ぜてあったり乗ってたり、ジャムや飴が乗ってたりするのも好きです。

 が、しかしです!

 ミルクたっぷりのなめらかプリンには敵うはずがないのです!


 ほろ苦いカラメルソースと、ミルクと卵の絶妙なタッグのコントラスト。これはもう、最強です。ええ!

 焼きプリンの表面の焦げたところも素晴らしいですし、ミルクプリンのあの口の中で広がるミルクの風味も棄て難いです。


 …………おおぅ。想像しただけでよだれが。


「聞くまでもなさそうだけど、答えは出た?」

「プリンで!」


 ぎゅっと手を握り、自由を宣言するかのように答えたアタシに、ご主人様は笑顔でスプーンを差し出してくださりやがりましたです。

 そのスプーンの上には、アタシを魅了して止まない黄金色の柔肌が。


 いつの間にっ!


「ほら、みー。口をあけて」


 というかですね、どうしてこういうことになってるのですか!


 さっきはお仕置きがどうのって言ってたですよね。

 お膝の上でアーン。

 これはお仕置きというよりも、バカップルって感じではありませんか!


 確かに羞恥で悶えられますけども!

 アタシの精神にはとてつもないダメージを与えてはいますけれども!


「うーん、仕方ないなぁ」


 一向に口をあけようとしないアタシに、ご主人様はやっと諦めたみたいです。

 魅惑の物体を自分の口の中に放り込みましたです。


 嗚呼、麗しのプリンちゃん……。

 アタシが食べてあげられなくてゴメンなさいです。


 恨みがましい目で見てしまったのは、きっと仕方のないことだったんです。

 プリンちゃんだって、この俺様鬼畜不埒男に食べられるより、きゅーとでぷりちぃなアタシに食べられたいはずです。


 あうー。プリンちゃんー。


「うん、美味しい」


 そしてにやりとアタシに視線が。

 なにやら企むような視線ではありますが、そんなことよりも魅惑のプリンちゃんが目の前にあるというのに食べられないことのほうが大問題なのですよ!

 ショックなのですよ!!


 再びプリンちゃんがスプーンにカドワカされ、アタシのお口にではなく俺様(中略)男の口に。


 うー。プリンちゃ……。


「……んぐっ!」


 は、はにゃがっ! アタシの可愛らしい鼻が摘ままれたです!

 アタシの可愛い鼻が低くなったらどうしてくれるんですか。

 っていうか、何してくださ――。


 …………。


 ……………………。


 ん、ぎゃぁぁぁぁああああああっ!


 く、口の中に甘くて濃厚なプリンちゃんと一緒にっ。

 うにゅんって! むしろ、おらおらそこのけそこのけって!

 アタシの舌にプリンちゃんを押し付けるように絡めてきやがりやがって!


 ――ぼふん。

 本日二度目の、頭の中の何かが爆発して吹っ飛ぶ音がしましたですよ。


 叔母さん、アタシの頭はもう限界れす。もーだめれす。


 …………はぅ。

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