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クレマチス・オンライン~親製世界の旅路録~  作者: グリティア
2章:追われるモノと東の森林
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episode1  東:森林エリア

 セロシアから【アサルトラベラー】を受け取ったラクは街を出て東に向かっていた。


 街の東側はある程度広い【草原エリア】を挟んで【森林エリア】が広がっており、その森は北と南のエリアの境界まで広がっている広大なエリアだ。

 そしてその【森林エリア】の先にある【第二の街】、そこがいまの目的地だ。けど西の【森林エリア】と違い、出現するMOBは動物型のものが多く、ほとんどが敵対MOBであることから【初心者殺しの森】とプレイヤー間では呼ばれていたりするらしい。そうセロシアさんが言っていた。


「東の【森林エリア】って……あんまり西と雰囲気は変わらないのね」


 エリアの目の前までたどり着いたラクはそうつぶやくも、てっきりもっと不気味な森を連想していたので内心ほっとしていた。

 それからラクは森の入り口でウィンドウを表示させ、メニュー画面に表示されている各項目のうち装備一覧を選択、そこに追加された新たな項目の【ショートカット設定】を選択して腰のポーチにポーションと石ころを入れた。


 この【ショートカット設定】は装備についているポケットやポーチから、登録したものを素早く取り出すことができるようにする。というの便利なもので、【アサルトラベラー】を装備したことによって追加されたものだ。今回の腰のポーチには、5つのアイテムを登録することができ、各アイテムは10個まで入れることができる。つまり合計50個持てるというとても便利なものだ。


「セロシアさんがつけてくれたこのポーチ、これのおかげですぐに取り出せるようになって便利ね」


 準備が整ったラクはそうつぶやくと、覚悟を決め、ゆっくり警戒しながら道沿いに森林の中に入っていった。



〇――〇


 それから数分、整備された道に沿って森の中を進んでいた。でも整備された道といっても石畳などではなく、ただ草木がどけられただけの土の道だ。それでも敵対MOBが多いせいなのか、あまり整備ができていないという雰囲気があり、それらは道の途中途中にある壊れた道具や積まれた木材のオブジェが物語っていた。


しばらく進んでいると、その道は目の前で途切れていた。

正確には、道をふさぐように巨大な木製の頑丈で高さのあるバリケードが設置されており、進むことができなかった。

バリケードは隙間から出入りされることを恐れたのか、びっしりと隙間なく分厚い木の板が取り付けられており、飛び越えてでしか先に行くことはできないようだ。

だが、中途半端に飛べば突き出た木の杭に直撃、下手すれば街に戻されかねないといった感じだった。


「なんでこんなものが……?」


そのバリケードを見上げ、うろうろしてどうしようか考えてると、突然右から低い男性の声が聞こえた。


「――おや、お嬢さんはここに何の用だ?」


突然声が聞こえたので、声のした方向を向くと、そこには探検家のような服装で、どっしりとした体形で程よく鍛え上げられた筋肉がのぞくガタイのいい男が立っていた。

そしてその男の背後には、小さなログハウス風の小屋があり、どうやら男はそこから出てきたようだ。


「えっと、この先に進みたいんですけど……」

「それがなぁ。俺にもわからないんだ」

「わからない?」

「ああ、おれはこの先にある街に住んでいる考古学者なんだが、少し前までこんなものはなかったんだ。西に用があって出かけてたんだが、帰ってくるとこんなものがあって先に進めないようになっててな。それで仕方がないからこの小屋を作って誰かが来るのをあっていたってわけだ」

「は、はぁ……」


そう答えたラクの関心はバリケードにあったが、もう一つ別のものにもあった。

それはこの男性だ。


結論から言うとこの男性NPCだ。


しかし完成度がほとんど人間と変わらない。

仕草、表情、行動などを見て、考えても人間にそっくりだった。

【第一の街】ではほとんど『アマドコロ』に一直線で向かっていたので、NPCをしっかりと見ていなかったし、接触もしなかった。


だが実際こうして会話してみると、あまりの完成度の高さから、てっきりそういうプレイをするプレイヤーなのかと思ってしまった。

しかし目の前に突如現れたウィンドウでこの男性がNPCであると確信した。


  【クエスト情報】

      クエスト:【森林に潜むモノ】を発見しました。

      このクエストを受注する場合はこのままバリケードの会話を続けてください。

      受注しない場合は別の話題に移ってください。


新たに表示されたウィンドウにはそのように書かれていた。


つまり受けるなら話題維持。

受けないなら話題転換。

どのようなクエストなのかも書かれていない。


つまり、この会話を続けなければこの先に進む方法は現状ないということになる。


それなら……


「なら私が様子を見てきましょうか?」


ラクはクエストを受けることにした。


「本当か!?いや、でもあれを超えれないと先には進めないと思うが」

「それなら大丈夫です。あのぐらいの高さなら何とか超えれると思います」

「……そうかなら頼む。何かわかったら小屋にいるから尋ねてきてくれ。――えーと……。名前を聞いていいか?」

「ラクです。あなたは?」

「俺はアデンだ。さっきも言ったがこの先の街で考古学者として働いている。これからよろしくな」


アデンはそういうと右手を差し出してきた。

ラクはその手を握り、握手をした。


すると……


 【クエスト情報更新】

      クエスト:「森林に潜むモノ」を受注しました。

         内容:森林で起きていることを調査せよ


ウィンドウにはそう書かれていた。

ラクはそのウィンドウを閉じ……


「それじゃあ行ってきます。何かわかったら戻ってきますね」

「頼む。――そうだ。もしかしたら役に立つかもしれないからこれ持って行ってくれ」


そういってアデンはおもむろズボンのポケットをあさり、中に入っていた一枚の錆びたコインをラクに渡した。


「俺がこういう危険なところに行くときは絶対に持っていってるものだ。お守りとして持っておいてくれ」


コインを受け取ったラクは、そのコインをじっくりと観察した。

表にはどこかの道のようなものが刻まれており、裏には何処かの城が刻まれているが、錆びているため両面に刻まれている文字は読むことができなかった。


「ありがとうございます。では行ってきます」

「ああ。頼んだぞ」


ラクは助走をつけてバリケードを越えるために数メートル下がった場所で立ち止まり、【身体強化:スピード】を発動。


助走をつけてバリケードの少し手前で高跳びをするような跳び方で跳躍。

ラクはバリケードを軽々と超えて地面に両足からきれいに着地した。


「な、なななな!!う、うそだろ?これ飛び越えれるのか!!?」


アデンは目の前で起きたことがまだ理解ができていないようで、あんぐりと口を開けて

呆然としているアデンを置いて、ラクは【森林エリア】のさらに奥へと進んでいった。



ついに第二章が始まりました。

今回の舞台は「東」

そんな世界がほろがっているのか!?「森林に潜むモノ」とはなんなのか!?

お楽しみに!

次回の投稿は3/2の予定です。

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