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魔法を使う者  作者: 優姫
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魔法を使う者

朝、目が覚めるとマリアはロシュの腕の中にいた。

マリアはまだ眠っている頭で昨夜の事を思い出し頬を真っ赤に染めてしまった。すると頭の上から声がした。

「おはよう」

上を向くと悪戯な微笑みを浮かべてロシュがマリアを見ながら笑っていた。

「ロ、ロシュ様!?起きてらっしゃったのですか!?」

「あぁ、君が目を覚ますずっと前からね。君の可愛く愛らしい寝顔を見ていた。」

「まあ!」

マリアはまたもや頬を染めてしまった。


二人は寝台から身体を起こすと寝着に着替えロシュは「また後で」と言い残し自分の部屋へ帰って行った。ロシュが部屋を出ていくと同時に侍女が部屋へやってきて着替えを手伝ってくれた。

その後着替え終わり髪を結い終わるとまたもロシュが部屋へ迎えに来てくれたので二人で大広間へ移動し朝食をとりに行った。

朝食の席にはカルオ・カルオの妃のサリナ・マリアの異母兄のユリアスが席についていた。

「おぉ、おはよう。二人とも。ゆっくり眠れたかな?」

「おはようございます、父上。」

「おはようございます、カルオ様」

ロシュは笑顔でカルオに挨拶を返すと席についた

「マリアおはよう。良い夢は見れたか?」

「おはよう兄上。とてもいい気分で眠れました。」

「それは良かったな。」

笑顔でマリアとそのように会話を続けた後ユリアスは睨むような目つきでロシュを見

「・・・・おはようございます、・・・ロシュ様・・・」

「おはようございます、ユリアス殿。」

そんな兄上にも笑顔で挨拶を返すロシュ

(この二人仲悪いのかしら?なぜ??昨日会ったばかりのはずなのに・・・?)


朝食が終わり廊下を歩いていると

「ロシュ様」

どこからか少し年老いたような声が聞こえてきて足元を見るとそこには小さな子鬼が跪いていた。

「え!?この子は???」

「あぁ、マリアは見えるようになったばかりだったな。魔界の住人で私の警護の者の一人だ。」

「ど、どうしていきなり見えるように???」

「それは・・・昨晩繋がった時にあなたの中に私の気を入れておいたので見えるようになったのだろう。」

そう言われマリアは昨晩の事を思い出し頬を染めてしまった。

「あの、ロシュ様?」

「あぁ、それで?用はなんだ。」

存在を忘れていた子鬼が話やすいようロシュは肩膝を床につけ子鬼に近づいた。

「あの、ザギネル王国の事なのですが・・・近々ミルオン王国に攻め入る手はずのようです。」

「そうか、ではそのままばれぬようザギネルの行動を見ていてくれ。あと、私と姫が結婚したことはザギネルの国のやつらは知っているのか?」

「いぇ、まだ気付いていないようです。」

「そうか。わかった。さがれ」

その言葉を聞き子鬼はマリアに頭を下げそのまま闇の中に消えてしまった。

「マリア、父上を召喚した塔に行こう。」

「え?あ、はい」

マリアとロシュは魔王を召喚したときに扱った塔の部屋へと行った。

「ロシュ様?何をなさるのですか?」

マリアが聞くと

「この国に大きな結界をはる。私の結界は魔王であってもやぶることはできん。」

「え!?国を包むおつもりですか!?そんな・・・体力がもちません!」

「私を誰だと思っているのだ?魔王の息子でありお前の夫だぞ?私を信じなさい。」

それを聞きマリアは安心したのか

「はい!あなたを信じます!」

そう言いロシュに口づけをした。

「魔法陣発動!この国に結界を張る!媒介は私魔界の王子の血だ。」

そう言い自分の親指の腹を噛む、するとそんなに大きな傷ではないのに指から血が流れ出る。

「闇に救う者達よ!我に従え!」

ロシュが叫ぶと黒い光の中から死神のような者達が姿を現し一瞬にして姿を消した。

魔法陣は消えた。

「ロシュ・・・様?」

「あぁ、大丈夫だ。終わったよ。これでザギネルの者がこの国に攻め入っても中に入ることもできないであろう。」

「ロシュ様ありがとうございます。」

「安心するのは早いぞ我が妻よ。これはただの結界だ、私がお前を妻にもらうと約束する前の約束は戦争を終わらせるー・・・だったはずだ。これから忙しく危なくなるだろう。私の警護の者を何人かそなたにつけておく。」


その日の夜、城では結婚披露ということで舞踏会が行われた。

他の国の王にはロシュが何者なのかは伝えず隠し通そうと思っていた。


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