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純粋無垢を護らねば!〜リン×ラン×キッチンカー日常〜  作者: おりみみ


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第4話 交通安全を護らねば!後編(リン視点)

「───お姉さん! お姉さん起きてください!」


「……お嬢ちゃん? ……ふぅ、無事でよかったあ」


「リン! リンが起きたの! うッうべやああああ!!!」


「ふぅふぐ……」


 涙を流して囲む三人。

 ここは……公園のベンチね。


 私はお嬢ちゃんを助けてから……私は車に跳ねられた?

 身体は痛くないし、跳ねられる前に車が止まったのかしら。


「ふぅ……少しの間あなたは気絶してたんです。標識車は間一髪のところで止まったので怪我はどこにもありませんよ。ホイッスルで起きた運転手が一時停止標識を見て止まったそうなんです。その標識がなんとランさんが作った標識チョコなんですよ!」


「……お~、あの標識チョコが、、お手柄だねランちゃん~♪」


「うん、私、頑張っちゃったなの。いっぱい褒めるなの」


 涙を浮かべながら胸を張るランちゃん。

 そんな顔をポリスちゃんはべそべそだった顔をさらに貰い泣きで顔が赤くなる。


「……フロントガラスに缶ケースを投げ込んで、そこから視界いっぱいに標識チョコが広がったんです……う、ふぐッこれが、友情の絆というやつなんですねぇ」


 ポリスちゃんが時前のハンカチで涙を拭ったあと、鼻水をチーンする。


 私は涙を浮かべる少女二人を両手で撫でる。


 そんな二人は私の笑みに応えるように微笑み返してくれた。


「あーそうそうこの子がね、リンが気を失ってるからっていきなりキッスし始めたなの、ここに子供の特権を利用した変態がいますなのー」


「あれは不可抗力なんです! 授業で気を失ってる人がいたら息を吹き込まなくちゃいけないって学んだんです、変態さんじゃないです!」


 ランちゃんの急な発言に戸惑い乱す小学生ちゃん。


「あらそうなの? 意識を失ってるからって人工呼吸が必要って訳では無いのよ? ふふっそれとも本当に私とキスしたかった?」


「……じゃあ助けて貰ったお礼のキスだけプレゼントしてあげます」


 小さな手が私の頬に添えられ。


「ああぁ! 私の目の前でキッスしないでなの!」


「そこまで大袈裟にする事ないでしょランちゃん。私の初めてはランちゃんにあげたの忘れたの?」


「何!? お二人はそこまで行ってたんですか……!?」


「あ、私の初めてはちゃんと別の方にプレゼントしたので安心してくださいです」


「小学生と高校生に抜かされて……大人のわたし一人だけ……ふっ……ふぐッ」


 ───ふふ、こんなに護り護られるのは、私は幸せ者ね。





 ◇◆◇





 三人でポリスちゃんをなだめた後、遠くで見守っていたもう一人の警官とパトカーに乗って仕事に戻って行ったわ。


 運転手は居眠り運転やスピード違反で逮捕します! とされたらしいわ。


 そして今、小学生ちゃんをキッチンカーに乗せて家まで送っているわ。また泥棒に会ったらいけないし、せっかくの機会だからキッチンカーに乗ってみたいという要望に応えたの。


 助手席に座る小学生ちゃんは通り過ぎる夕暮れ時の街中を眺めながら。


「私、お姉さんみたいに誰かを護れる人になれますか?」


「お嬢ちゃんなら大丈夫よ、だって私より強いもの。転んでおでこをぶつけてもも泣かずに、人の為に涙を流せる子はそうそう居ないわよ?」


「おでこはもういいです」


「ふふふっ……人はお互いに護り合える存在なの、だからお嬢ちゃんの大切な誰かを護ろうとすれば、必然と相手からも護って貰えるはずよ。その相互関係を目指して行くといいかもね」


「うーん、少し難しいですが、大切な人を一生懸命護ればいいんですね」


「ほどほどにしておくのよ?」


「リンが言っても説得力ないなのー」


 折りたたみ席に座るランちゃんがそう言った頃、お嬢ちゃんのお家が見え始める。

 一様小学生ちゃんに電話番号付きのメッセージカードとソフトクリームを手に持たせたわ。

 これでお別れも寂しくないわね。


「大きいお姉さんと小さいお姉さん! 私、お姉さんたちみたいに立派な護れる人間になるです!」


「小さいってなんなのー!」


「私たちも応援しているわ!」


 小さな手を一生懸命振り返すその姿に、私は勇気を貰える。

 そういえば小学生ちゃんが大事に運んでいた箱は私たちの差し入れだったとランちゃんから聞いたわね、後で開けるのが楽しみだわ。


 ランちゃんが無言で助手席に戻り、キッチンカーは再び出発。

 今日の夜は何処で営業しようかしら。


「……」


「ランちゃん、ヤキモチ妬いてるの?」


 そっぷを向くランちゃんに、私は顔を近づける。


「……ッてわわ! いきなり不意打ちするななの! ……もう、道路走行中は危険なの」


「大丈夫よ、だって赤信号だもの」


 キッチンカーの前を横断するカモちゃん達。

 そのカモちゃんを誘導するさっきのポリスちゃんが、顔を赤くしてマフラー二人組の私達から目を逸らした。

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