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異世界転生の理由。  作者: 七瀬美織
第四章 もう一度、流行りますか?
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第九話 セイシロウ陛下って?



 セイシロウ様が、帰国の挨拶に私を訪ねていらした。私達の政略結婚で、帝国と王国は同盟を結び、良好な関係を築けそうだという。


「カノン皇女様、帰国の挨拶に来た!」


 セイシロウ様は。表向き国王として尊大な態度を取りながら、近所のお兄ちゃんみたいに親しみやすい不思議な魅力のある人物だ。


ーーーー ピコン! 観察致しますか


 いえ、保留で、まだ『神スキル』と『神ポイント』をどうするか決めてない。だから、ごめんね。


ーーーー ピコン! 解析結果の開示を保留致します。


 あ、保留って、そういう意味じゃないのに……。まあ、いっか。


 アキツムラクモ王国の皆様は、飛龍にゴンドラを釣り下げて、それに乗っていらしたそうだ。飛龍は、アキツムラクモ王国にしかいない生物で、使役方法など秘匿されている。色々と秘密の多い国だ。

 だから、数日ぐらい王国のトップが来ても平気だし、国元に残る人材も大変優秀だという。帝都と王都は、飛龍で丸一日飛んだ距離だそうだ。

 飛龍は、便利なだけじゃなく戦闘能力も高いそうだ。十二頭の小部隊で、小さな国なら滅ぼせるらしい。今回の訪問で来ているのは、三頭だ。でも、皇居ぐらい簡単に破壊する事が出来るそうだ。

 魔法は無いのに『飛龍』はいるの?! ファンタジーだ! 飛龍、見たい! ルビスは私が聞くまえに、飛龍は危険だから近づかないように釘を刺さしてきた。


 飛龍の軍を持ちながら、武力で脅すのではなく、帝国の提案してきた、政略結婚を受け入れて帰国することで、他国に平和的な国であると示す効果があるらしい。

 昨日、フィオル兄上様が婚約成立と同時に二国間同盟も成立したと知らせに来てくれた。


『セイシロウ陛下は、ずいぶんカノンを気に入ってるようだね。まさか、ロリ疑惑……いや、カノンは陛下が好きかい? だったら、年に数回は、遊びに来てもらいたいと、おねだりするといいよ』


 兄上様の思惑は、セイシロウ陛下が私に会いに帝国を頻繁に訪れることが、他国への牽制になるからだろう。


 セイシロウ様が、また帝国を訪ねてくれるように、努力してみよう。二国間同盟が長く続くと、平和な時間が長く続くのと同義だろう。えっと、傾国の美幼女の容姿を最大限に発揮して『帰っちゃイヤ!』とか、『また来てくれなきゃ泣いちゃう!』って言ってみようかな? グハッ! 想像しただけでダメージがっ……! 無理だ。普通が一番!


「陛下、カノンとお呼び下さい。お国にお帰りになるのですね。会ったばかりで、もうお別れなんてさみしいです」


 あれ? 普通に考えて言ってみたら、ちょっとあざとい感じじゃないかな?


「婚約者殿、セイシロウでかまわん。しかし、いい女になって欲しいと言ったが、すでにカノンは、小悪魔だったのか?」

「セイシロウ様、からかわないで下さい!」


 そんなつもりで言ってない! 事故みたいなものだよ?


「カノン、王国側から護衛を一人置いていく。侍女として側に置いて欲しい」

「護衛で、侍女ですか?」

「これは、チハヤという。チハヤ! カノンを命に代えても守れ!」

「はっ! カノン皇女様、チハヤ=ミハラヤと申します。我が命に代えても、必ず御守り申し上げます」

「少なくとも、暗殺者対策にチハヤがいれば安心できる」

「あ、ありがとうございます」


 え? 私の暗殺の危機? そうだね。手っ取り早く、二国間同盟を壊したいなら私を殺せばいいのだ。


 私が十歳になったら、アキツムラクモ王国に私を迎えるという。結婚までの五年間、アキツムラクモ王国の王妃教育を受けて十五歳になったら結婚するのだ。


 それまでは、私を教育して守る義務が五年間は帝国にある。そして、結婚するまでの五年間は、王国側に義務が生じる。まさに、私は同盟のかなめだ。何、その設定は?


 五歳の私としては、大人達の決めた政略結婚を受け入れるしかない。それに、セイシロウ様が嫌な人なら全力で回避するが、うん。まあ、良いかもしれない。この人、面白いと思った。

 長い付き合いになるのかもしれないが、派手に振り回されそうな予感しかない。それも、楽しそうだと思わせるような、かなりの人タラシだと思う。

 

 こうして、アキツムラクモ王国から、一人侍女を受け入れる事になった。帝国は、間者の可能性が高いので最初はごねたそうだ。しかし、いくら優秀な間者であったとしても、一人で出来る事は限られる。監視するのも楽だろう。


 しかし、セイシロウ様は気になる事を言い残して帰って行った。


「もっと早く、お前を迎えることになるかもしれないな」


 ニヤッと悪い笑顔で私の耳元で囁きなが頬に口づけたセイシロウ様は、瞬時に爽やかな笑顔の仮面を被った。


「では、婚約者殿。しばしのおいとまを頂きます」

「は、はい。道中のご無事をお祈りいたします」


 この人は、呆気に取られるというか、なんというか……!





 中級スキルをどうするかだけど、『神ポイント』の消費をしない方向で考えてる。


 なぜなら、天寿を全うするのが目的なら、チート能力で無双する必要は無い。私は、自分の異能で苦労してきたのに、『神スキル』なんてヤバすぎ。


 だから、ピコン嬢の出番は最小限にとどめるつもりだ。


ーーーー ピコン! お知らせします!


 え、何? ピコン嬢?


ーーーー ピコン! 上位神からの呼び出しに応じますか?




お読みいただき、ありがとうございます。

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