勉強
お久しぶりです。
風邪もすっかり治って、数日経ったある日。
平太は、いつものように保育ルームに来ていた──
「平太ぁ、なにしてんの?」
と辰がテーブルで勉強していた平太の横に来て、声をかけた。
「数学」
「すーがく?」
「そ。簡単に言うと数字とか記号が出てくる。計算すんの」
「けーさん……」
辰は少し考えてから、平太の隣に座った。
「おれもやる」
「無理──」
即答して、シャーペンを走らせる。
「できるぞ!」
「無理だよ。足し算引き算だろ。頑張っても──」
と言ってから、平太は後悔した。
辰を見ると、目を輝かせていたのだ。
「やる!」
「……終わったらな──」
内心、めんどくさいことになった……と思いながら、平太はシャーペンを走らせた──
*
やっている間も、辰が興味津々に覗いてきていた。
「おわった?」
「終わったよ……」
平太は数学の問題とノートを鞄にしまった。
「はぁ」
「あら。どうしたの? ため息ついて」
と初枝が畳んだタオルを持って、歩いてくる。
「いや、勉強するって言ってて……」
「辰くん、勉強するの?」
「うん! けーさんする!」
「そう。平太くん頑張って」
と初枝がクスッと笑った。
「梅田さん……」
「いいじゃない。辰くんがこんなにやる気なんだから」
「……はあ」
確かに、辰は目を輝かせている。
「けーさん!」
「…………」
「頑張って。なんなら、皆でやればいいんじゃない? 皆、平太くんが計算教えてくれるって──」
と初枝は声をかけた。
本を読んでいた薫と、人形遊びをしていた彩と杏が顔をあげた。
「平太がおしえてくれるの?」
「そうだぞ!」
辰が勢いよく答える。
「けーさん、たのしい?」
「たのしいぞ!」
「じゃあやる!」
「うん──」
三人が集まってくる。
「…………」
平太は、集まってきた三人と辰を見て、なぜこんなにやる気なんだと思うのだった──
*
とりあえず、テーブルだとやりにくいので、下に移動する。
「じゃあ、計算な」
「けーさん!」
辰がワクワクしながら言う。
平太の隣に辰、彩、杏、薫と円を描くように座っている。
「じゃあ、5+2は?」
平太が訊く。
皆が手を使って、かぞえる。
「ご、たす、にーは……なな!」
「薫、正解──」
褒められて、薫は照れ気味に笑う。
「かんたん、だよ//」
「そっか。じゃあ12−5は?」
「じゅうに……」
「ひく、ご……」
「……」
「……」
皆が指を折る。
それを見て、平太は笑う。
「じゃあ、紙とペンでやるか──」
近くのペン立てからシャーペンと鞄からいらない紙を取り出す。
「じゃあ、りんごが十二個あって五個、辰が食っちゃった。残りはいくつか──」
平太はりんごを十二個描いて、そこから五個を線で消す。
「……はい、何個?」
「いち」
「にい」
「さん」
「しい──」
りんごを指差しながら、かぞえていく。
「なな!」
「辰正解」
「へへっ//」
「平太お兄ちゃん、ほかのもんだいだして!」
「はいはい──」
彩に促されて、平太は紙に今度はぶどうを描き始める。
結構、教えるのも悪くないかもしれないと思う平太だった──
遅く?なりました。すいません(_ _)
どうだったでしょうか、
感想批判評価などなど、よろしければお願いします(_ _)
すると喜びます。