梅田さんの夢
今回は、梅田さんのお話です。
いつもの保育ルーム。
天気の良さもあり、遊び疲れた平太と子どもたちは、寝てしまっていた。
「あらあら……珍しい──」
初枝は微笑みながら、タオルをかけていく。
「……これでいいわね──」
寝顔を見て、ふと思い立つ。
「そうだ。写真撮りましょ」
携帯を鞄から出す。
そして、無音設定にして写真を撮る。
「ふふっ。可愛いわ──」
携帯をしまって、何をしようか考える。
「…………」
何も出てこない。
とりあえず、テーブルの前に座る。
校庭では、明良が部活でサッカーをしている。
「明良くん、上手いわね──」
少しの間サッカーを見る。
だんだん飽きてくる。
「……寝ようかしら」
初枝は、気持ちよさそうに寝ている平太たちを見て思う。
「ちょっとだけ、ね──」
初枝は自分に言い聞かせるように言って、テーブルに伏せた──
*
『あら?』
初枝は保育ルームにいた。
『寝たはずなのに……おかしいわねぇ──あ。夢ね』
と初枝は手を叩く。
保育ルームには、誰もいない。
『皆はどこかしら……』
そう言った時、保育ルームのドアが開かれた。
『だぁかぁらぁ、薫は勉強ばっかでダメなんだよ! もっと遊べ』
『うるさいなぁ。僕は辰みたいにおおっぴろげに遊ばないんだよ』
『なんだと?!』
『ちょっと、二人とも……』
『杏、言ったってムダよ』
『でも彩ちゃん──』
なんと、高校生ぐらいに成長した四人が入って来た。
『まあまあ! 皆大きくなって……!』
『先生。全然変わってませんね』
『そうねぇ──』
夢だからね、と初枝は笑う。
『先生、聞いてくださいよ。辰が』
『あ、俺が先だよ。薫が』
『うるさいわよ。辰』
『なんだよ!』
『三人とも……!』
初枝は今と変わらない四人を見て、小さく笑う。
『あ。先生笑ってる! ひでえ』
『うふふ。いや、皆変わってないわね……そのままでいてね』
四人は顔を見合わせて、
『もちろん!』
『はい』
『うん!』
『はい……!』
と笑顔になる。
『うふふ──』
『梅田さん』
四人の後ろから、初枝を呼ぶ声がした。
『……誰?』
初枝はその人物を確認しようとするが、顔全体を白いもやが覆っていて確認できない。
『梅田さん、俺……』
『え……? 何──?』
*
「……さん、梅田さん」
「ぇ……?」
平太に呼ばれて、初枝は目覚めた。
四人も初枝を見ていた。
「今、放送で会議やるって言ってました。呼ばれてましたよ」
「まあ! ほんとに? ありがとう。起こしてくれて──」
と初枝は立ち上がる。
「せんせー、ちこくするぞ!」
「いそいで、せんせー」
「ファイト!」
「いってらっしゃい……!」
「……ふふ。行ってきます──」
初枝は笑って、保育ルームから出た。
「そういえば……」
あれは誰だったのかしら……? と考える。
「……。急がなきゃ──」
それよりも、会議に遅れる方が今は問題なのだった──
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