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そろそろ

飾り付け。

「サンタさん、プレゼントかったかな?」


 どうかな、と(かおる)平太(へいた)を見る。

 平太は笑って、薫を見て言った。


「そうだな、そろそろ買って準備し始める頃だな」

「そっか──」


 薫はにこにこ笑ってその返事を聞いて、本を広げた。

 保育ルームでは、まだサンタクロースが来るわけでもないのに、そわそわとした雰囲気になっていた。


「そろそろね、クリスマス」


 と初枝(はつえ)が笑って平太に言った。

 平太は初枝を見て、そうですね。と頷く。


「……なんか、梅田(うめだ)さん楽しそうですね。何かあるんですか?」


 そしていつにもまして笑顔の初枝に、平太は訊いた。

 初枝はにこっと笑い、


「ヒミツ」


 と人差し指を口元にやった。


「……そうですか」

「そう。だから、楽しみにしててね」


 ふふふ。と笑い、初枝は給湯室に入っていった。


「平太、サンタさんへのてがみ、かいたか?」


 と(たつ)が隣に来て言った。

 平太はこの前もらった便箋をリュックから取り出して、辰に見せた。


「あぁ、書いたぞ。一応」

「みせて!」

「いやだ」


 さっと便箋をリュックにしまって、平太は言う。


「漢字読めないだろ。だから、辰には読めないよ」

「そっか。じゃあ平太よんで」

「誰が読むか──」


 なんで自分のを読んで聞かせなきゃならないんだ。と、平太はリュックを遠ざけた。


「平太お兄ちゃん、みてみて──」


 すると(あん)(あや)が、折り紙で作った輪っかの飾りを持って、隣の部屋から出てきた。


「おー。作ったのか?」

「うん! あのね、おねがいしたいことがあるんだけど……」


 と彩が平太を見上げる。


「どうした?」

「これ、かざりたいんだけど、平太お兄ちゃんてつだってくれる?」

「ああ、いいよ。どこに付ければいい?」


 平太は輪っかを受け取って彩に訊く。

 彩と杏は顔を見合わせて笑ってから、わくわくとした調子で言った。


「まどから、ぱーって、ぜんぶ!」

「だから、もっとつくらなきゃいけないの……だから──」

「「てつだってくれる?」」

「……あ、ああ──」


 二人のお願いオーラに、平太は少し顔を引きつらせながらも、笑って答えるのだった……。


         *


 辰と薫も巻き込んで、五人は折り紙の輪っかを作った。


「……このぐらいあれば、足りるんじゃね?」

「そうかな?」

「じゃあ平太お兄ちゃんつけて!」


 彩に言われ、平太は輪っかを窓の上に付け始める。


「あ、テープ。テープ適当に切って渡してくれ」


 と手を差し出す。

 辰たちは順番にテープを切って、平太に渡していった。


 最後まで飾り付けて、平太は腕を回した。


「よし……完成──」


 どうよ、と平太が振り返ると、四人は笑顔で飾り付けされた所を見ていた。


「あら……、飾り付けたの?」


 すると、初枝がツリーと飾りの入った箱を持ってきて言った。


「じゃあ、こっちも飾り付けてもらおうかしら──」


 ふふっと口元に手を当てて、初枝は笑う。

 四人は、つけるー! と初枝に駆け寄って、飾りを箱から出し始める。


「ほら、平太くんも」

「ぁ、はい──」


 平太は飾られた輪っかを見て、そろそろか……と思いながら初枝の方に向かった──




平太が飾り付けしていた時、サッカー部では。

明良「さみー」

先輩「走れば寒くないぞ!」

明良「はい……」


次回、保育ルームに……?

休日投稿です。

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