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ナンダロネの冒険譚  作者: なんだろね


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前回の続きで一年前の話です。

 俺は昨日とは違う朝を迎えていた。違った点はラビュータスに来て朝早くだというのに、人の気配がすごいということだ。


「みんな、朝が早いな〜」


 俺は寝起きで憂鬱な気分になりながらも、また眠いのを無理やり起こして朝の支度をした後、外に出てロネを起こしに行った。


「おーい、起きてるか〜」


 俺はドア越しでロネに呼びかけた。


「起きてるよ〜。先に朝食食べてて〜」


 ウォードは最高だ。依頼の報酬として一週間分の宿代を出してくれるどころか、ついでに朝食と夕食をつけてくれるおまけ付きだ。


「いや、待ってるよ〜」

「分かった。じゃあ、三十分後、ナンダの部屋に集合ね」

「了解」


 俺は特にやることもないので自分の部屋に戻って二度寝した。




 三十分が過ぎたあたりで、ドアがノックされた。


「お待たせ〜、朝食行くよ〜」

「うい〜」


 俺がベッドから飛び上がりながら返事をすると、鍵を閉めていなかったのでロネがそのままドアを開けて入ってきた。


「不用心よ、ちゃんと鍵閉めないと」

「三十分くらい大丈夫だよ〜、それに俺を殺したってなんの得もないし」

「世の中にはね、愉快犯って奴がいるのよ。気をつけなさい」

「はーい、じゃあ、朝食行くかー」

「本当に聞いてる〜?」

「聞いてる、聞いてる」


 俺は適当に返事をした後、部屋から出て食事所に行った。


「お〜、美味しそうだね〜」

「確かにうまそ〜」

「久しぶりにちゃんとしたもの食べたね〜」

「そうだね〜。俺たち料理下手だから、野営の時は道中で狩った動物の肉の丸焼きか、川で見つけた魚の内蔵を取った塩の丸焼き、あとは果物くらいしかレパートリーなかったもんな〜」

「あなたの料理下手と私の料理下手、一緒にしないでよ。私は材料さえあれば食べれるものは作れるよ」

「普通の人より料理下手なんで俺と同じ料理下手です〜。同レベルです〜」

「歯を食いしばりなさい、ぶっ飛ばす」


 ロネが俺を殴る動作をする。

「ぎゃー、暴力反対〜」


 俺たちがふざけながら、食っていると辺りがざわざわし始めた。


「何かあったのかな?」

「わからんけど、一応行ってみるか〜」 


 俺たちは何があったのか情報だけでも得ようと食事を急いで食べて、人が集まっている所に行ってみた。


「何があったの?」「迷宮が現れたって!?」「近くの森林で目撃されたって!」「逃げた方がいいのかしら!?」


 周りの人間の断片的な言葉を要約すると、近くの森林に迷宮が出現したらしい。


 迷宮は基本的に魔力が濃い場所で出現するが、その出現方法や条件はまだ解析されていない。また、迷宮には魔物が大量に蔓延っており、迷宮の主を倒さない限り魔物が永遠に出現し続ける。そのため、ギルドの冒険者は迷宮が出現しだい、即座に迷宮攻略の依頼が出される。さらに、迷宮の主を倒した冒険者には報酬として莫大なお金とギルドライセンスをグレードアップさせる権利を得ることができると聞いたことがある。他にも、迷宮には宝箱があり、その中には魔法が付与されているものがあり、売ると億万長者になる可能性を秘めている。


「俺たちも今日ギルドに登録して迷宮攻略するか?」

「そうね、いつかは迷宮の攻略をしてみたいからね」

「おっけー。じゃあ、先にギルドに登録しに行こう」


 俺たちはギルドに登録しようと、昨日門番の人から教えられた記憶を頼りにギルドへ向かった。




 ギルドは周りとは一線を画するほど巨大な建物だった。


「よし、ギルドに登録しに行くぞ〜」

「お〜!」


 ギルドに登録するべく、受付にいる綺麗な女性に対応してもらった。


「本日はどういったご用件でしょうか?」

「えっと、俺たちギルドに登録したいんですけど、お願いできますか?」

「わかりました、ではギルドライセンス発行のため、お二人のご登録なので銀貨二枚をいただきます」

「わかりました」


 俺は銀貨二枚をトレーの中に置いた。


「受けたまわりました、では登録の手続きとしてお名前と指紋をいただきます」


 俺たちは受付のお姉さんから手渡しされた書類に自分の名前を書き、指紋で判子を押した。


「確認しました。では本日よりナンダ様とロネ様はギルド冒険者ということになります。冒険者についての簡易的な説明は聞きますか?」

「ぜひ、お願いします」

「かしこまりました、では、まずギルド冒険者とは……——これにて冒険者の簡易的な説明を終了させていただきます」

「助かります〜」

「ありがとうございます」


 俺たちは受付のお姉さんの説明を聞き終わり、ギルドライセンスをもらって、近くのテーブルに座った。


「ナンダ、今の説明ちゃんと聞いてた?」

「ごめん〜、途中からめんどくさくて聞いてないや〜」

「はぁ〜」


 ロネは呆れながらギルドの簡易説明をメモ帳に書いて手渡してくれた。



 ギルドの簡易説明

・どの国にもある、国を超えた公共機関であり、戦争や国の政治に関してはギルドは中立で関与しない。しかし、ギルドに属している冒険者は個人は自己責任で関与してもいい。


・ギルドライセンスにランクがあり、見習い、グリーン、ブルー、ゴールド、ブラックの順になっている。

・依頼は見習い用と冒険者用の二つがあり、グリーン以上から冒険者用の依頼を受けることができる。


・個人依頼はギルドを通す必要はない。


・申請なしに二週間以上依頼を受けなければ警告を受け、一年以内にもう一度二週間以上依頼を受けてないとギルドライセンス剥奪となる。


・見習いからグリーンへ上げるには、見習い用の依頼の内百回の依頼成功、未達成が五回以内だったらグリーンに上がることができ、未達成が五回以上になった場合、また依頼達成がゼロに強制的にリセットされる。


・グリーンからブルーへは、冒険者用の依頼の内百回の依頼成功、未達成が五回以内だったらブルーに上がることができ、未達成が五回以上になった場合、また依頼達成がゼロに強制的にリセットされる。


・ブルーからゴールドへは、ギルド支部長三ヶ所の推薦で試験を受けることができ、筆記、実技の試験に合格した者に与えられる。


・ゴールドからブラックは明確には決まっておらず、偉業をこなした者にのみギルドマスターより選考され与えられるとされている。また、ゴールドでないと偉業を達成したとしてもブラックになることはなく、ゴールドの試験を合格した時にブラックに引き上げられる。


・強制力は無く、身分証明としては使えるがそれ以外で特に効果はない。



「ありがと〜 助かるわ〜。わからなくなったらまた教えて〜」

「一応は覚えてなさいな」

「了解〜」


 俺の返事に真剣度合いが足りなかったのか、またロネがため息をついていた。


 依頼書が数多く貼り付けられている掲示板を見かけると、一際目立つように貼り付けられている依頼書があった。


「やっぱり、見習いでも迷宮の攻略と探索依頼は受けられそうだね!」

「そうだね、これを持っていけばいいのかな?」


 周りを見ながら、自分がやっていることがあっているのか確認していた。


「依頼書の右に書いてある番号を受付の人に言えば、依頼書を取ってくれるぜ」


 俺たちが話している様子が聞こえたのか、三人組のリーダーらしきスキンヘッドの厳つい男が話してきた。


「そうなんですね〜 わざわざありがとうございます。」

「気にすんな、困った時はお互い様だからな。次俺たちが困ってたら助けてくれよ!」


 そう言って、三人組はギルドの外へ行ってしまった。


「親切な人だね〜」

「ね、厳ついけどいい人たちだったわ〜」


 俺は三人組の助言に従い受付のお姉さんに依頼書をもらった。


「じゃあ、さっそく行くかー!」

「ういー」


 俺たちはさっそく迷宮に向かうために森林へと向かった。




「なぁ〜、ロネ〜、迷宮って初めて見たけどこんなちっちゃいの?」

「私も初めてだから戸惑ってるよ。人の話を聞く感じもっと大きいかと思ってた〜」

「同じく〜」


 俺たちの目の前には迷宮への階段が下につながっているであろう、人一人分のアーチ状の門が緑の植物に覆われていた。


「多分、迷宮の中は広いと思うから油断はダメだよ〜」

「おっけー、油断は無しね」


 油断をしない様に気をつけながら階段を降りていくと、広い広場に出た。


「うわ〜、すげ〜!やっぱデカいんだな〜」

「うん、入り口は狭いから今回の迷宮は小さいのかなって思ってたけど、めっちゃデカいわ」


 俺たち以外にも冒険者が何組か集まっており、全員迷宮攻略に意気込んでいた。探索の依頼は迷宮のマッピング及び魔物の種類の確認、宝箱の中身の種類や場所の確認で、攻略は迷宮の主の討伐だからどれも早い者勝ちってわけだ。


「じゃあ、さっそく探索するか〜」

「いこ〜」


 俺たちは広場を抜けて、さらに下に行く階段を降りると小さなアーチ状の門があり、その下をくぐると、外と変わらないほどの眩しい光にあたりを照らされていた。


「なんだこれ……」


 周りを見渡すと、先ほどまでは人工物のようだったものが、辺り一面ジャングルのようになっていた。


「ナンダ、どんな魔物がいるかわからないからゆっくり行くよ」

「了解」

「どの方向に行く?」

「まずは真っ直ぐいくか〜」

「ういー」


 俺たちは真っ直ぐジャングルの中を歩き始めた。

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