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散文  作者: みけねこ
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川の流れは

 丘陵の縁を沿って通るその幹線の際、先は馬入川がこうこうと流れる平野になる。その手前には小山という土地がある。その一角の谷戸は大沢字とあり、戦国時期は北条相模守と甲斐武田に遣えた小山田が土地を持っていた。大沢字の大沢は多摩川へ下る源流で、果ては長池と呼ばれる湧き水の池で、その昔、小山田の人質に来た浄瑠璃姫が釈迦観音像を背負い身を投じたとして名高い。そのあたりに、高架がかけられたのはついに3年前のことであった。

 ここは確かに大沢という地名だ。谷戸は確かに長池から水をたたえて多摩川へと流れ、やがて海へとたどり着くだろう。高架の下、谷戸となるところから別で人工的に造成された小高い丘の上にその倉庫はあった。ざっと見て1萬平米はあるその土地は○菱マテリアルがこの辺一帯を拠点とするために建てた倉庫のひとつである。明け方4時頃になればたくさんのトラックがそこにやってきて、この人口の一挙集中の都内へ氷点下の中で固めた食品を運び出すわけだ。


「はい、小野さんは冷食の仕分けね」

 面接を受けて、すぐに所長が彼を冷食の仕分け作業に配属させたのは、別段その仕事に学や素養が必要ないためにある。

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