「届いたお小言」
課題がたまっていてなかなか終わらない。机の上の時計に目をやると、針はすでに午前2時を回っている。
「さすがにそろそろ切り上げようか」と、重い瞼をこすりながら溜息をついた、まさにその時だった。
「早く寝なさい」
耳元で、聞き覚えのある母の声が確かに聞こえた。
「わかったよ」と、いつものように返事をしかけて、ハッと我に返る。
慌てて周囲を見回すが、当然そこには誰もいない。ここは実家ではなく、進学のために上京して暮らし始めた、小さくて静かな一人暮らしの部屋だ。
不思議と恐怖感はなかった。ただ、実家で「早く寝なさい」と口うるさく言われていたあの頃の風景が、鮮明に脳裏に浮かんだ。
お母さん、こんなに遠く離れた場所まで、こんな遅い時間まで気を使わせちゃってごめんなさい.
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