22
「教会へ入り込む。俺を止めても無駄だ。」
エメロードはアレンから相談を持ちかけられた。
靴磨きの少年から得た情報だけで教会の地下を暴きたいと言い出したアレンに戸惑う。
「もしも、無かったら神聖な教会に対して権力を振り翳した越権行為だと市民から抗議が広まるぞ。」
「だが、もう一週間も経つんだ。もう待てない。」
アレンの執務室。二人だけの声が部屋で響くが強風と雨で外は煩く荒れていた。
「…わかった。俺も協力しよう。」
溜息とともにエメロードは了承する。そこへ、扉がノックされる。
「失礼しますわ。」
聖女ユウリがやって来た。エメロードは面倒臭そうに相手をする。
「何だ、まだ祈りの時間だろう。早く戻れ。」
「いえ、アレン様が憔悴なされているとお聞きして参りました。私ができる事があるならご協力したいと思いました。」
エメロードに邪険に扱われても尚、アレンに進言する。
そうだ、教会と言えば聖女だ。と、アレンは思いつく。
「ありがとうございます。是非、聖女様のお力添え頂きたい。街の教会の地下へ行きたいのです。」
「地下、ですか?私も行ったことはありませんがあるんでしょうか?まずは神父様に掛け合いましょう。」
初めての自分の利益ではなく他人のために動くと言い出した聖女にエメロードは目を見張った。
「へぇ、ユウリ、言うじゃないか。」
「えぇ、アレン様のために。エメロード様こそ家督の件じゃありませんのに動くなんて。」
珍しいですわね。と、笑った。
二人は白い結婚をした。お互いの利益になる事を優先し物事を考えている似た者同士だった。
今回は二人とも日々世話になっている事と焦っていて自分を見失っているアレンの為協力をすることにした。
「二人ともありがとう。」
一度深呼吸し、拳を握る。
暴発してしまいそうな精神を抑え込み、反対の声が出たとしても教会を捜索することを決めた。
いいね、ブックマーク、評価ありがとうございます!




