第80話 欠陥奴隷は能力強化を進める
俺は引き続きスキルの複合を進めていった。
>スキル【高速再生】【肉体活性】【治癒強化】を複合
>スキル【超速再生】を取得
魔族との戦いを生き残れたのは、再生能力があったからだろう。
なるべく致命傷は負わないように努力したものの、それでも無傷の勝利とは程遠かった。
もし再生能力がなかったら、いずれ限界が来ていたと思う。
死なないための工夫は最重要だ。
>スキル【復元強化】【再生強化】【超回復】【超速再生】を複合
>スキル【神速再生】を取得
類似スキルを合わせることでさらに効果を強めておく。
魔族由来が含まれているので、かなり強力になったのではないか。
どこかで魔物と戦って、効果を見ておきたかった。
「試してあげるわね」
隣で声がした。
その言葉に反応しようとした瞬間、左腕の肘から先が消滅する。
血と肉片が一緒になって散るのが見えた。
破れた衣服の袖がひらひらと揺れている。
「うわっ!?」
俺は痛みを覚える前に驚愕した。
膝から崩れ落ちて、咄嗟に傷口を押さえようとする。
しかし、そこには生えかけの腕があった。
裂けるような音と共に、断面から肉が盛り上がって元の長さになる。
血に汚れながらも完全に手が復元されていた。
恐る恐る動かしてみるも、特に支障はない。
しっかりと治っているようだ。
今までと比べて格段に効果が強化されている。
「良い再生能力ね。かなり死に辛くなったんじゃない?」
「……ああ、そうだな」
俺は安堵の息を洩らしながら言う。
スキルの効果を確かめられたのはいいが、いきなり攻撃することはないんじゃないか。
文句の一つでも言いたいものの、微笑するサリアが反省することはないだろう。
俺は考えを切り替えて作業を続行する。
>スキル【防護の心得】【耐性強化】【堅牢なる守護者】を複合
>スキル【守護者の心得】を取得
攻撃は当たらないに越したことはない。
それでも、どうしても避けられない時は防御しなければならなかった。
だから防御系のスキルは必須だろう。
レベル6の俺は貧弱な身体能力に過ぎず、すべてはスキル頼りなのだ。
いくら再生できるとは言え、守りは徹底して固めるべきである。
>スキル【不屈】【比類なき守り手】【防御態勢】を複合
>スキル【不屈の守り手】を取得
防御系スキルの大半は英雄ダンのものだった。
彼が魔族に瞬殺される場面は大いに驚いた。
思えば、あそこから死闘が始まった。
その優れた力を継いだのだから、しっかりと役立てねば。
>スキル【鉄壁】【魔力鎧皮】【環境適応】【守護者の心得】【不屈の守り手】を複合
>スキル【守護神】を取得
神と名の付くスキルが増えてきた。
おそらくは上位の能力であることを示しているのだろう。
このスキルを有効化した状態で、試しにサリアに魔術をぶつけてもらった。
容赦なく突風の刃を叩き込まれるも、俺自身に怪我は無かった。
さすがにサリアも手加減していたはずだが、彼女の術でも無傷とは驚きの結果である。
このスキルも俺の生存率を高めてくれそうだ。
俺は"鉄壁"のダンに感謝をした。




