第79話 欠陥奴隷は引き継いだ能力を試す
ギルドを出た俺達は街を出て森へと赴く。
別に依頼を受けたわけではない。
個人的な目的のためだ。
それはスキルの検証や複合であった。
魔族との死闘を経て、俺はあまりに大量のスキルを取得した。
嬉しいことではあるものの、さすがに数が多すぎる。
今の状態だと扱い切れないので整理することにしたのだった。
特に何事もなく俺とサリアは森の中に到着する。
目立たない場所なので、騒ぎになる恐れもなかった。
万が一にもスキルが暴発してもいいように、こんな場所まで来たのである。
サリアは「貧民街で試せばいいじゃない」と言うが、それは不味いだろう。
新たなスキルの効果は未知数だ。
どれだけの被害を出すか分からない。
いくら悪党ばかりと言っても、無意味に殺戮したいわけではなかった。
(まずはどこから始めようか)
俺はステータス画面を睨みながら考え込む。
移動中に様々な候補を考えていた。
派手なものは後回しにして、とりあえず地味ながら実用的なスキルを組み上げていきたい。
>スキル【命乞い】【降伏】【撤退】【死んだふり】【降参】を複合
>スキル【臆病者の生存術】を取得
一見すると悪そうなスキルばかりだが、まとめると意外にも良い能力になってくれた。
これを発動しておくと、生き残るための手段が閃きやすくなるそうだ。
情けない名称とは別に効果は使えそうだ。
>スキル【交渉】【詐術】【観察】【学習】を複合
>スキル【狡猾な観察者】を取得
観察力と騙す力を支えるスキルが出来上がった。
日頃から使うことで、さらに磨きがかかるとのことだった。
どんな状況でも役に立ちそうでありがたい。
>スキル【指示】【援護】【支援】【命令】【指示】を複合
>スキル【戦場指揮】を取得
軍隊を動かす際に補正のかかるスキルを手に入れた。
少人数の際でも機能するらしいが、配下とする人間が多くなるほどに効果が強まっていくという。
現状、誰かの上に立つ予定はないので、あまり使う機会はないかもしれない。
「ふむ」
次に俺は出来上がった三つのスキルを眺める。
このまま使用しても十分に活躍してくれるだろうが、せっかく様々なスキルが揃っているのだ。
さらに強化してもいいだろう。
俺は目に付いたスキル達を混ぜていく。
>スキル【大軍師の独壇場】【臆病者の生存術】【狡猾な観察者】【戦場指揮】を複合
>スキル【軍神の戯れ】を取得
似た系統の能力をまとめた結果、何やらすごいものが完成した。
何か尖った効果があるわけではない。
ただ、戦いの場において、異常な洞察力や察知力が働くそうだ。
これによって最適解を直感的に悟ることができるらしい。
相手の弱点や攻撃手段も分かってしまうとのことで、汎用性は限りなく高い。
どんな時でも間違いなく役に立ってくれそうだ。




