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欠陥奴隷の英雄偽譚 ~レベル上限のある世界をスキル強奪チートで這い上がる~  作者: 結城 からく


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第41話 欠陥奴隷は洗礼を受ける

 冒険者カードを受け取ったサリアはギルドを出て行った。

 なんでも少し用事があるらしい。

 中断している実験の続きがしたいそうだ。


 意外にも研究者気質なサリアだが、別に不思議なことではない。

 隠れ家の地下には、無数の実験台の残骸があったからだ。

 きっとまた暇潰しに何か試すのだろう。

 その内容は知らないが、きっと碌なことではないと思う。

 触れても嫌な予感がするし、詳しくは訊かないでおくことにした。


 俺はサリアを放ってギルドに滞在する。

 さっそく冒険者になったのだから、依頼を受けたくなったのだ。

 それとたまにはサリアと離れて行動して、心を休めたかった。


(一人でやるのは不安だが、まあ大丈夫だろう)


 俺もそれなりに強くなった。

 レベル6としては破格に違いない。

 あの強大なゴーレムも単独で倒せたのである。

 調子に乗りすぎるのは良くないが、よほど危険な依頼でなければ問題ないと思う。


 俺だっていつまでもサリアに頼り切るのは良くない。

 ここは一人で挑戦すべきだろう。

 ついでにスキルを増やしておくつもりだ。

 依頼の中で死体を遭遇しそうなものを選べば叶いそうである。


 俺は室内の掲示板の前へと向かう。

 そこにたくさんの用紙が貼り出されていた。

 用紙のすべてが冒険者に対する依頼である。

 概要には、推奨するレベルやスキルも記されていた。

 かなり分かりやすく書かれているようだ。


 内容を吟味する他の冒険者に紛れて、俺も掲示板を睨む。


(どういった依頼がいいんだ?)


 薬草採取や街中の荷運び、外壁の補修作業等、様々な依頼が掲示されていた。

 俺の場合、魔物を狩るような依頼がいいだろう。

 多少の危険はあるものの、報酬もそれなりに期待できる。

 スキルも増えるのだから良いことばかりだ。


 そうして用紙を選んでいると、背後から嫌味な声が飛んできた。


「おい、欠陥奴隷。なんでお前がここにいやがるんだ?」


 俺は黙って振り返る。


 そこに立つのは三人の冒険者だ。

 彼らの顔には見覚えがある。

 すなわち貧民街に暮らす荒くれ者達であった。


 欠陥奴隷ということは、間違いなく俺に向けた発言だろう。

 三人の顔には、こちらを見下した感情がありありと溢れていた。

 とても穏やかにやり取りできる雰囲気ではない。


 しかし、無視するわけにもいかなかった。

 舌打ちした気分を抑えて、俺は三人と対峙する。

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