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12人目の禁呪師  作者: 日本軍の衛生兵
3/6

シリス・リアクター

「あの、シリスさん」

「何ですか?」

「シリスさんって戦えるんですか?」


ジャンがシリスに向かって質問する。だがこの質問は最もだ。何故なら、シリスは自分たちと同じくらいの年齢で、更に武器も何一つ持っていないのだから。


「ん、ああ、そう言うことね、大丈夫何も心配はいらないよ。それじゃ行こうか」

「シリスさん走れますか?」


このシーナの質問も最もだ、今シリスは、黒いマントを羽織っている、どう見ても走りずらそうだ。


「ん、走る必要なんてないよ」

「え?」

「スカイボード」


シリスがそう言うと、3人ほどが乗れる真っ黒な板が現れた。


「「‼︎」」

「これはスカイボードって言ってね僕が作った空飛ぶ魔道具さ。ほら乗った乗った」


2人は恐る恐るその板に乗る。そして最後にシリスが乗り魔力を板に流すと、何と板が浮いていき森の木よりも高い位置まで浮上した。


「きゃぁ」

「うわ」

「2人共方角はどっち?」

「「あ、あっちです」」

「分かった。じゃぁ飛ばすよ」

「「ちょっ」」


そして、シリスがスカイボードに魔力を流すと2人が指差した方に向かって凄いスピードで進んだ。


「ぎゃあああぁああぁぁって、全く揺れない」

「ほ、本当だ全く揺れない」

「そりゃぁ、ボードの周りは常に結界が張ってあるからね。基本的に揺れないし風圧もないんだよ」


そんなボードの話をしながら飛んでいくと、森の中にピンクと黒の巨体……オークとブラックオークの群れが見えてきた。


「あれだね、えっと、君達の仲間は……見つけた」

「ほ、本当ですか」

「ああ、でもかなり限界の様だ」


その時シリスが見つけたミラは、すでに満身創痍で制服はボロボロになり、髪も服も血で汚れていた。そして彼女の周りには、大量のオークとブラックオークの死体が転がっていて今彼女は周りをオーク達に囲まれもう逃げ道も無くただただオーク達を睨みつけている。


「2人は、この上で待機していて」


それだけ言うと、シリスはミラ目掛けて飛び降りたら。




「はぁはぁ、ここ、までか。2人は、はぁ、間に合わなかったか」


ミラの体は限界だった。今まで何十体のオークを斬ったか分からないが、もう既に腕は上がらず逃げようにも囲まれてるし足も動かない。


1体のダークオークがミラに向かって剣を振り下ろした。


(ここまでか)


ミラは目を瞑って自分を殺す衝撃を待った。しかし、その衝撃はいつになっても訪れることは無い。


何かが倒れる音がした。ミラは何があったのかと目を開ける。


するとそこには、ダークオークが真っ二つになって倒れており、その前に1人の少年が立っていた。


「貴方が、ミラさんですね。ジャンさんとシーナさんにから頼まれて助けに来たシリス・リアクターです」


ミラは驚愕の表情でシリスを見上げている。


「立てますか?」


そう言ってシリスはミラに手を差し出す。

ミラはその手を取って立ち上がるが、腰が抜けている様で後ろに倒れそうになった。


「おっと」


所で、シリスに支えられてそのままお姫様抱っこをされる。

すると、みるみるうちにミラの顔が赤くなっていく。


「あ、ありがとうございます」

「いえお気になさらず、スカイボード」


シリスがスカイボードを呼ぶとジャンとシーナの2人を乗せたボードが下りてくる。


「ミラさーん」

「ミラー」


と、2人はミラに向かって手を振っている。

シリスはミラを抱えたままスカイボードに乗ると魔力を流して浮上させる。


「それじゃ、救出もしたし最後にひと仕事しますか」


シリスはミラを下ろしてボードの上に座らせる。


(ん〜、ここで火を使うのもあれだし氷漬けも不味いだろうし、ん〜……そうだ、丁度いいのがあるな)


そんなっことを考えながら詠唱を始めた。


「我、数多の敵を屠る者


我が前に敵はいない


我に敵う者もいない


悪鬼を封印し漆黒の鎖よ


我が名の下の


我の敵を討ち滅ぼせ


第628番禁呪指定殺傷魔法


デーモンチェイン(悪鬼を封じし鎖)』」


シリスの周りの空中の至る所から鎖が飛び出しオーク達に襲いかかる。


そして、10秒もしないうちにオーク達は、全滅した。


「す、凄い」

「な、何だよこの魔法」

「か、かっこいい」


シリスの放った魔法?を見て3人は3者3様の反応をした。

それを見てシリスは苦笑する。


「それじゃ王都の近くまで送っていくよ」


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