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八劇目 「異文化コミュニケーション!?ケモミミを触るのはプロポーズって事なのっ!?」

「ふにゅーーーーーーーーーーーーむ/////」



顔を紅潮させて謎の吐息を漏らすとマリア。

それは俺が彼女の見事な胸の間にある魔石を、S級ハイエストのスキルの超高速のスピードで摘出したからだった。



バシュッ



「取れたニャッ!!!」

リリラルはネコ耳もとい、キツネ耳をクルクルさせながら一回小さく飛び跳ねる。

人に命令を強制させる為の魔石。

それは宿主を失ったせいか大きく数回どくどくと鼓動をさせ、次第にその動きを停止させた。

直後、突然「ミシッ」と音を立て、粉々に砕け散り風化してしまった。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

よほど体力を消耗したのだろう。

肩で息をしながら、マリアは胸を押さえていた。

「傷は無いニャ?」

リリラルが彼女の胸元を覗くと、魔石があった場所は少し赤くはなっていたが元どおりになっていた。

俺はそれを見て肩を撫でおろした。

「良かったね」と俺は安堵感から笑顔になり、マリアに告げる。

「・・・・・・うくっ!!!!!!!」

突然マリアは顔を赤面させだした。

そして口をすぼませながら一言。

「か、感謝するっ・・・」

彼女はなぜか何か我慢するように、涙を目尻に溜めていた。

そして慌てたように突然踵を返して、駆け足でどこかへ行ってしまった。



一体全体なんだって言うんだ?





次の日の朝。

俺らが出立の準備をしていると、ミノタウロスの一件で軽く英雄になったからか忘却街の人達も見送りに集まってきてくれた。

「気をつけてね」

「お前のスキルなら誰であろうとぶっ倒せるさ」

俺は挨拶をし絵いると、荷物の準備を整えたリラルルが

「お待たせニャッ!!」

と準備完了の意を言葉にした。

その荷物は大きなリュック。

リリラルは俺の腰あたりまでの背丈だったが、そのリュックは俺の身長ほどもあったのだ。

「ちょっとそれ、デカ過ぎない?」

「そんな事無いニャ。『備えあれば憂いダシ』ニャ」



憂いダシってどんな出汁ダシだよ。

なんだか落ち込みそうだな。



リリラルは耳をクルクルさせ「それじゃ出発ニャッ!!」と片腕を空高く上げた。

その時、こそっと「大切にしろよ」と見送りに来た一人のおっさんが俺に耳打ちをした。

ん?リリラルと俺の事、何か勘違いして無いか?

「いや、別にそういう関係じゃ。ただの仲間で、俺は忘却街の失った全てを取り戻したいだけです」

「何言ってんだ。お前、昨日あのおチビちゃんにプロポーズしてたじゃないか」

「えええええええ??????」



いつだよ、それ!!



「いつって大浴場でさ。お前さん、あの子の耳触ってたろ?」

そう言えば、と俺は記憶を蘇らせる。

確かに風呂場で、俺はリリラルの耳を触らせてもらったのだ。

だってケモミミとか触りたいだろ、JK。

「獣人族にとって耳を触るってのはプロポーズだ」



ちょっと待てぇぇぇぇぇぇい!!!!!!!!!



俺は赤面して、ちらりとリリラルを見る。

一瞬目が合った。

すると身体をピクンとさせて、慌てた様子で視線をそらす。

さっきまでの元気で無邪気な表情から一転。

顔を桃のように紅く染め、伏せ目がちで身体を竦ませたのだ。

「いや、待て。今までそんな素振り無かったぞ?」

俺が知らず知らずにそんな事をしていたとしても、ミノタウロスが来た時やマリアの魔石の時はリリラルは至って普通だった事を主張する。

「そりゃ、お前。アンタに合わせてたんだろうよ。その証拠に今の反応どうだ?」

リリラルは恥ずかしさを隠そうと下を向きながら、近くの小石を蹴飛ばしている。

そして上目遣いをして、俺をジト見し

「ザゥぅ、そろそろ行くニャぁ」

と耳をヘナらせて甘えたように言った。



ぐがはっ///か、可愛い///



「な?だから大切にしろよ」

おっさんは、ぐっと親指を立ててウインクをした。



俺はリリラルの隣に行くと、彼女のモジモジ度が急激に加速する。

「・・・だ、大丈夫ニャ。普通の人には獣人族のしきたりなんか解らないって事、十分承知してるニャ。でも、・・・い、いきなりだったから・・・・ちょっと驚いただけニャ」

「そ、そう?でもさっきの反応リアクション、意味ありげだったけど」

「大丈夫ニャッ!!忘れてニャッ!!」

とにっこりと笑う。

その顔は、いつものリリラルの顔だった。



まぁ、とにかくだ。

「それじゃあ、残酷ピエロを倒して来ます!!」

と俺は皆んなに手を上げて宣言。

そして劇場ぼうきゃくがいを後にし、旅に出た。



雲ひとつ無い晴天。

文句のつけようの無い冒険が、今始まった。

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