三一劇目 「ショタ腐肉喰マリオン登場!?多勢に武勢、無限に湧き出る泥人形っ!!」
ショタ腐肉喰マリオン登場です。
「ショタ腐肉喰マリオン・・・だと・・・?」
俺は驚愕の事実に思考回路が止まった。
「せっかくベルがゲッチューしたのになぁ」
と、マリアの横に居た良い年齢の女性を見た。
語弊を生むので訂正するが、妙齢とはその身に纏う雰囲気がそうさせている。彼女の肌ツヤは、とても若々しい。
「天人は寿命が人間とは違うナリよ♪ぶっ飛びでしょ?」
別にぶっ飛ばねーよ。
俺の視線が、彼女の目尻やホウレイ線に向けられていた事に気づかれたのだろうか。しかし自信に満ちた彼女は不自然にカールした前髪をフワンとさせ、真っ赤に塗られたルージュと太眉を微笑ませて「キュートね、君」と俺を指差した。
全体的に何となく古めかしいのは仕様なのだろう。
だってワンレンボディコンだもんな!!!!!!!!!!
彼女の格好は白と黒のボーダー柄のボディ・コンシャス。
腰まである髪をワンレングスにし、片肩の前に流している。
そして。
何と言ってもリリラルの身長ほどもある、どピンク色をした長大ジュリ扇を、畳んだ状態で背中に背負っていた。
真っ白い翼を右肩から生やしているのが、唯一幻想的というか、ファンタジーの世界に合っているというか。
作者、本当に登場させたんだな。
感服するわ。
良い意味でも悪い意味でもな。
「マリアベルよ、ベルって呼ぶナリ!シクヨロー♪」
人差し指と中指を伸ばして、敬礼をする。
俺は彼女の古めかしい動作言動に、今後気にしない事を心に決めた。
主人公として皆にも願いたい。
気にすんな!!と。
閑話休題。
「ショタ腐肉喰。にゃにゃ、マリオンってさっきの子と同じ名前ニャ」
耳をクルクルさせながら、リリラルが言った。
「貴君。もう一度問いたいのだ。貴君らの村が、最終戦線の幹部に攻められていたのは本当なのか?」
肩翼天女ことマリアベルが翼をゆったりと動かしながら、軽く空中に浮いた体制で二三度頷いた。
「ウチの村は、ノマーリア地方出身者ナリ。第三言語の詠唱は慶応ボーイくらいイケてたナリけど、それ以外はブー!そこに登場したのが、ショタっち。あの子は顔は可愛かったのに、第三言語が全然通用しないって感じでヤバかったナリ。BUT!!ウチの必殺秘密兵器、友達に作ってもらったルビーネックレスでスキルを封じてたんだけど、それをキープする為にずっと踊ってないといけなかったナリよ」
「じゃあ、やっぱりマリオンは敵だったのか」
俺は彼女のアゲアゲな言葉に一切触れずに答えた。
もう一度願う。
慣れろ!!!と。
☆
「でも、マリオンってどんなスキルなのだ?」
アスカがブルマのゴムをパチンとさせ尋ねる。
するとどこからともなく、可愛らしい少年の声が俺らを包んだ。
「見せてあげるよ」
すると土の中から人の形をした泥人形が、俺らを取り囲んだ。
ゴボ、ゴボボボボボ
排水溝が詰まったような音をさせながら、次々に泥人形が土から生み出される。
すると一番奥の方から、目を赤く光らせたマリオンが現れた。
「もう一度感謝するよ。お兄ちゃん」
くくくと笑いながら、マリオンが手をかざす。
すると泥人形の一体が俺に向かって走り出した。
ゴボボボボボボボボ
俺はそれの顔面に肘打ちをかますと、弾けるように泥人形が吹き飛ぶ。
「なんだ?弱えな」
肘打ちをして吹き飛ぶまでの感触も爽快感があり、悪くない感触だ。
こんな奴が幹部?しかも負けそうになっただと?
俺は頭の上に疑問符を浮かべた。
しかしそれをマリオンが苦笑しながら解消する。
「良く分かってないみたいだねお兄ちゃん。お兄ちゃんにとっては弱いかもしれない。僕のスキルもA級で『泥を人の形にして操る』程度。お兄ちゃん『個人』には敵わない。でもね?皆お兄ちゃんみたいじゃないでしょ?」
すると事情を知るマリアが、胸をタユンとさせて同意した。
「そう。村人は一般人。しかも第三言語、効かない。多勢に無勢。負けは目に見えてる」
その言葉に俺はようやく奴のスキルの危険性を理解した。
制圧の仕方はタイマンで無くても良い。
どんなに秀でた一個人だって、何百と押し寄せてこられれば、対応に差異が出る。弱者を庇ってなどいたら、敗北など目に見えている。
実際今の現状がそうだ。さっきまで取り囲んでいた泥人形の数はあっという間に増加している。
「ネコのお姉ちゃん。あまり強そうじゃないね」
「ネコじゃないニャ!!!!!!キツネにゃ!!!!!!!!!」
え、あ、そこにプライド持ってたの?
俺はさりげなくリリラルの新たな性格を知りつつも、俺らの弱点が露呈した事にドキリとした。
きっと皆も同じだろう。
ショタ腐肉喰にとっては、「一番弱い奴」を倒せばそれで良いのだ。無理して俺やマリア、アスカ、ベルと戦う事など無い。
「リリラル!!まずいぞ!!あの黒い牛乳はもう無いのか!!??」
俺の問いに頭を振るリリラル。
「もう無いニャ!!あれは切り札だったのニャ!!」
すると一瞬の隙をついて、泥人形に覆い被さられてしまった。
黒い泥の塊に飲み込まれるように、ごもごもとその姿を消失させていく。
「うにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!!!!!!!!!!!!!」
真っ黒い塊の中から「助けてニャ〜!!」と声を上げるリリラル。
しかし俺らも目の前に迫り来る、「大量の雑魚」の駆除に手を焼いていた。
俺がどんなに連撃をかまそうとも。
マリアがどんなに虹色の槍を降らそうとも。
アスカがどんなに帯電させた剣で焼き尽くそうとも。
ベルがどんなにジュリ扇で殴打しようとも。
泥人形は次から次へと、その体躯を沸かせた。
そう、この大地がある限り奴らは永遠に沸き続けるのだ。
次回もバトル回、マリオンにトドメを刺します。




