三〇劇目 「ショタ腐肉喰!?第三言語の通じない敵とはっ??」
その間、マリオンはじっと話を聞いていた。
幼いのに我慢強いな。
寺の子か?
彼にとってもは、どうでも良い事であろう話を邪魔をせずに聞いていた事に、俺は感嘆した。
そう言えば、マリオンの首に掛けられた魔具が光りを失い、効力が失われたらしいというところから始まった解説だったんだ。
「という事は、この魔具は、今、力を失っているんじゃないか?」
俺はマリオンの背後に立ち、首にかかった魔具に手を掛けた。そして試しにもう一度、思い切り両端から力を加える。
と。
パキーーーーーーーーーーン
そのネックレスには先のような抵抗感は一切なく、簡単に引きちぎれたのだ。
「嘘!!??」
「うにゃにゃにゃ!!??」
「なのだ!!!???」
マリオンは「や、やった!!ありがとう、お兄ちゃん!!」とで俺の事を見た。
その穢れのない美しい大きなお目目には。
解放された事が嬉しいのか、ウルウルと涙を溜めていた。
「ありがとう!!本当にありがとう!!」
なんだよ、嬉しいじゃねえか。
元32歳の俺は、照れながら頭をかいた。
「あれ!?マリアじゃないか?」
俺はタイミング良く、向こうから来るマリアに手を振る。
彼女は辛気臭い顔をしていたが、俺を見ると少し照れたようにはにかんだ。
あ。そうだ。
これハーレム作品だったんだ。
俺の扱いを雑にしていた二人も、彼女の俺に対する好意に敏感に反応。
すると対抗心に火がついたのか、負けじと俺に対する好意をアピールする。
「ザ、ザゥ。久しぶりに、その、ラルのお耳をナデナデして欲しいニャ・・・」
喉を鳴らしながら耳をフニャっとさせるリリラル。
「ダーリン、そう言えば私の裸エプロンどうだったのだ?嫌だったらどんな格好でもするのだ」
ブルマのゴムをパチンとさせて、上目遣いで俺を見るアスカ。
やっと主人公らしくなったな。
ようやく機嫌直したか、お前。
○
俺はどうやら作者イジりが過ぎた事に起因した、罰のような場面が過ぎ去った事に、ホッと胸をなでおろした。
すると、マリアが俺の持っているネックレスに視線を向ける。
「ザゥ・・・、それ・・・何?」
胸をタユンとさせながら、マリアが俺に尋ねた。
「これはここにいる少年を縛っていた魔具さ」
俺がそう答えると、後ろの二人もマリオンに対する同情の意を露わにした。
「にゃにゃにゃ〜。可哀想な子ニャ」
「悪者に奴隷にされそうになったところを、どうにか逃げてきたのだ。勇敢な子なのだ」
すると首を傾げながら、マリアが俺らに再度尋ねた。
「・・・その少年・・・どこ?」
「え?」
「にゃ?」
「なのだ?」
俺らはさっきまで居たはずの少年に目をやるが、そこには誰も居らず、何もなかった。
「きっとマリアが来たから怖がって隠れたんだよ。俺だって最初泣かれたもん。意味もなく」
少し前の理不尽な思い出を蘇らせ、俺はマリアに告げた。
しかしマリアは眉間に皺を寄せ始め、尋常ではない程の緊張感を表情に載せた。
「まさか・・・その少年。その魔具・・・つけていた?」
「え?あ、ああ。そうだけど」
マリアの表情は、緊張感からはっきりとした絶望に変わる。
「それは、最終戦線の幹部。この村、そいつに襲撃されてた」
その言葉に俺らは拒否にも似た反応を露わにした。
「なんだよ、それ」
「そうニャ!!あんな可愛い子が敵なわけないニャ」
「同意なのだ。貴君、何か間違っているのではないか?」
俺らの反応に、頭を振るマリア。
そして一言告げた。
「襲撃した幹部の二つ名は・・・“ショタ腐肉喰マリオン”・・・。・・・可愛い少年姿だったって、言ってた」
次回は、対マリオン戦のバトル回です。




