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道慈と緋踏  作者: ゆうすけ


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1877年、夜空に異常に輝く星が目撃され、西南戦争で敗れて自刃した西郷隆盛の姿が、その赤い星の中に見えるという噂が広まった。


人々は、その星を「西郷星」と呼んだ。


その正体は地球に異常に接近した、火星によるもの、というのが学者の定説だが、真実は異なる。


自分はこれからその真実を語ろうと思う。 



西南戦争の頃だ。俺は不老不死の怪物と戦っていた。


そいつは年老いることもなく、傷を負ってもすぐに再生した。そして時折、怒ると体が異様に赤く光り輝くことがあった。


明治政府は迷信追放運動をしていたので、表向きは妖怪や化け物などの存在を認めることができなかった。


しかし、裏では密かにそのような怪異との対決を繰り広げていた。


しかし、どうしても倒せない相手がいるとのことで、俺に指名が来た。俺はなかなかできる奴だと評判だった。佐々木道慈(ささきどうじ)の名は、裏の世界ではよく知られていた。


とは言っても相手は不老不死。一体どうしたものか?


政府の答えは簡単で、とにかく相手を倒して拘束する、そして二度と自由にできないようにすればよいというものだった。


俺は母親が西洋人であり、見た目だけ見ると全く日本人と思われない。


そのせいで周囲から浮いていて、受け入れられなかった俺は喧嘩ばかりしていた。不良少年として有名になった。俺の将来を憂いた親に更生のために、剣術道場に入れられた。


そこで俺は更生できた。だが親が望んだ更生とは違ったかもしれない。俺は子供の喧嘩なんかでは満足できなくなり徹底的に「強さ」を追求するようになった。


やがて日本中の色々な道場に行き、教えを請うたり、道場破りまがいのこともした。


その中で俺は達人と呼ばれる播磨桂樹(はりまけいじゅ)に師事するようになった。彼は政府の要人ともつながりがあった。やがて彼の紹介で政府の仕事もするようになった。


小さな頃は嫌っていた日本人離れした自分の見た目も、政府の仕事をする上で役に立つこともあった。


政府とつながりのある外国人というと、どこでも丁重に扱われるからだ。特に日本語が堪能だと、自分の国の言葉を異国の人間が一生懸命覚えてくれたのだと感動する人間もいた。


今回も俺は、日本政府に助言するために来日したお雇い外国人であると、自分の身分を語っていた。


政府からの紹介状を持っていたので、それを見せればどこでも信頼され、丁重に扱われた。 

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