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進めF班

週末、休みに生徒達と共にダンジョンに挑む事になるアキト。

おニューのブレードを大人げなく黒コートをチラチラさせて見せつけて鼻を高くしているのを私服の生徒達は呆れる。


「木刀しか無かったから武器で大喜びしてるよ」


「ちょっと子供っぽいよね」


男子ですらこの反応でアキトは扱いやすくて凄いんだぞとアピールしようとするがそんな事はどうでもいいと女子が先頭に立ってさっさと行くよとインカムを入れつつ出発する。


生徒達はすぐに陣形を組んで侵攻を開始する。アパートの建ち並ぶ住宅街を歩くと人型犬顔のモンスター、コボルトが出現し声を掛け合う。


「出た!配置につけ!」


五人が戦うのをアキトは一歩引いたところで観察しつつ増援の警戒をする。

戦闘開始すると敵の声がよく響き住宅街の影、そこら中から増援が湧いてきて生徒達は苦々しい顔をする。

アキトも流石の量にサポートに出る。


「俺も手を貸そう。集中を絶やすな!」


息のあった返事があってインカム越しに情報を収集していた管理部隊は今までの訓練感覚の生徒達とは違うと感じ取る。


「ススム!ハジメ!左右に!逃がすなよ!」


「「応!」」


掛け声の威勢のよさ、展開のスピード、前後息のあった華麗な連携全てがアキトの満足行く完成度であった。

アキトもしっくり来る重さのブレードでバッサバッサと敵を切り捨てて「悪くない」と呟く。


数分間の死闘を終えて辺り一帯のコボルトを殲滅完了しアキトは一旦休憩とメンバーを集める。


「どうだ?訓練の成果は感じてるか?」


全員が身体が軽いと嬉しそうにしている。基礎体力の向上の成果が出ていてアキトも育成の成功に満足そうに頷く。


「ガッシリと敵の攻撃ぶつかり合ってもよろけないのも実感して安心しました」


ススムが成長をアピールしてハジメも「分かる分かる」と頷く。そんな二人にエツコは「子犬か!」とツッコミ入れて笑いが起こるのであった。

カスミはチラッと先生のブレードを見て微笑む。


「後ろも先生が守ってくれて助かりました」


「次の目標は俺が居なくても良くなるようにしないとな」


「先生って生涯現役っぽいのに…」


確かにという目で見られてアキトは頬を掻いて注意をする。


「いつまでもお前らの後ろにいる訳じゃないぞ?忘れるなよ?」


甘えて良いのは今だけとピシャリと言い捨ててアキトは少し先を見てくるとその場を離れるのであった。


ーーーーー


(いつまでも一緒に居られないのは事実だからな。早く巣立って欲しいものだ)


住宅街を抜けると幹線道路を挟んでショッピングモールが見えてここにコアがありそうだと思う。見渡しの良い幹線道路に出たのもあってモールの屋上から半身鳥のハーピィが襲いかかってきてアキトはブレードを抜く。


「気が早いんだよ、生徒達が相手してやるってのに!」


アキトはブレードでスパッとハーピィを両断して撃破すると後ろから生徒達がやってきてハジメがアキトを指差す。


「あー!先生!やっぱり戦ってる!」


「皆!展開!」


アスカの指示で皆定位置へ移動する。しかし敵の姿を見て男子たちが驚く。


「「「たわわだ!」」」


「ちょっと男子!」


半裸の女性の姿は男子には刺激が強かったのか血走った目をするがエツコに叱られてハッとする。アキトも注意する。


「敵は空から来る!油断するな!」


「は、はいぃ…」


最初に反応したアスカがしょんぼりするが武器が届かなくて苦戦を予期してアキトが対策を指示する。


「ススム、牽制!アスカとハジメは女子の護衛だ!」


槍での牽制とカスミとエツコが遠距離で飛ぶハーピィを撃ち落とす。

アキトは一旦建物へ避難する案も考えるがモール側の方はボスも待っていそうで危険度が高いとこのまま迎撃に集中する事にする。

カスミは弓をめいいっぱい引き絞り渾身の矢を放つ。


「落ちろ!」


羽に命中し爆ぜるように羽が弾け飛び地に落ちる。

痛々しく手を伸ばす姿にハジメは困惑するが爪を伸ばすのを見てエツコがトドメを放つ。


「見た目に騙されない!危なかったわよ!」


「見た目半人はやりづれぇ…」


屋上からもう増援も来なくなり今飛んでいる分をエツコが最後撃ち落とし撃破する。


「点呼確認、全員無事ね」


エツコが指揮してアキトと管理部隊に報告する。

アキトはモールを指差して情報を求める。


「モール内の情報はあるか?ボスは?」


「問い合わせ中、内部は五階層、地下からの吹き抜けにコアが確認されてるけどボスの詳細は不明…だそうです」


「お前達、行けるか?」


流石にボスは怖いと震えるメンバーを見てまだ早いかとアキトはブレードを手に自分がやろうと宣言する。


「お前達は守りに注力しろ。俺が倒す。見て学べ」


アキトの言葉に全員が緊張した面持ちで頷くのであった。


ーーーーー


ショッピングモールに侵入しまだ商品の並ぶ店舗に生徒達は目を輝かせる。

化粧品の店に女子は胸を高鳴らせるがアキトは盗むなよと注意する。


「化粧品にだって消費期限あるからな?」


「し、知ってますよ!…全時代の異物…ちょっとくらい見ても…」


エツコがブツブツと後ろ髪引かれる思いを愚痴ると散々イジられてきた男子が買い物に来た女子かとツッコミを入れる。

世が世ならデート日和だっただろうなとアキトは呟き荒らされているブティックを見て軽く溜め息を付く。


「お前らもスカベンジするなよな?」


アキトの見た宝石店の荒らされように全員良くない事を理解する。

更に少し進むとマネキンとは違う石像に生徒達はびっくりして大声を出しかける。


「な、なんだ…ただのオブジェか…」


アスカが口にして全員落ち着くがアキトは苦い顔をする。


(こんな物が普通のデパートにある訳がない…となると…厄介な敵の可能性があるな)


アキトはゆっくりオブジェに近付いて確認する。恐怖に歪んだ顔、ブティックから盗んだと思われる石化したアクセサリー。


「エツコ、石化させる確認済みのボスの情報を頼む」


「石化!?…はい、はい…コカトリス…知ってますか先生?」


コカトリス、巨大なニワトリに尾が蛇の怪物。それがいる可能性がいると聞いてアキトは生徒達を下がらせる。


「見学は中止だ、相手が悪い」


アキトの言葉を遮るように低いニワトリの鳴き声が響いてきて生徒達は軽い笑いが込み上げてくる。


「変な鳴き声だ」


「ボスだ。気を付けろ。石にされるぞ」


石化方法は不明だがアキトは思いつく限りの対策を口にする。


「鏡…姿見を用意して隠れていろ」


相手が悪いと伝えてからアキトは生徒達を置いて情報のある吹き抜けへ向かうのだった。


ーーーーー


『コケーッ!』


響いてくる声にアキトは軽い時の操作をしつつ飛び出し地下にいる本体へ奇襲を仕掛ける。

石化の方法は分かっていないが尻尾の蛇を切り落とす。


「先ずは尻尾、次は頭だ!」


怒りに満ちた叫び声をけたたましく上げてコカトリスは暴れまわる。


(コカトリス…いや、どちらかと言うとバジリスクか?伝承だと猛毒を持っていて視線で石化する…だったよな)


『コケーッ!』


目がピカッと光りアキトを石化させようとビームを放つがアキトは警戒していて加速しサッと回避する。

ならばと猛毒の爪を前に突き出しアキトに襲い掛かる。

それもブレードを構えて駆け抜けざまに脚を切り捨ててみせる。

巨体が倒れのたうち周りあちこちへ石化ビームを放ち続けてアキトは声を上げる。


「全員隠れてろ!石にされるぞ!」


アキトの警告を無視してススムが姿を見せてコカトリスを挑発して鏡を構えてビームを反射してコカトリスに直撃させる。

危なっかしい事をするとアキトは大きく溜め息をつくがトドメはしっかり生徒達が刺して歓喜の声が聞こえてくる。


管理部隊の到着まで時間はありアキトはコアとちゃんと初めて対面する。


「コアか…割ってしまった方がマシに思えるがな…」


ブレードに手を当てるが生徒達がやって来てアキトは破壊しようとする手を止めるのであった。

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