1ー13
……ここはどこだ?
ああ、そう言えばトラックに跳ねられたんだ。
…………そうか、死んだのか。
案外すんなりと自分が死んだと言うことを認識出来た。
ならこの世界は?
白く塗りつぶされて平衡感覚すら存在しない不思議な空間。
………………皆はどうなって居るんだろうな。
後ろから押された感覚はあったが……唯一悲しんでくれるのはあの子くらいかな?
それと妹か。
両親はもう居ないしね。
でも、あの子は追って来そうで怖いな。
そしたらあの子に紹介してあげようか。
……あの子って誰だ?
…………そう言えばテンプレよろしく異世界に飛ばされたのか。
もう笑いしか出てこないな。
……なぁ神さんよ、俺を慕ってんだろ?
ならさ、さっさと俺をこの空間から出してくれないか?
『……私はこのままでも良いのですが』
少し寂しそうな雰囲気を感じさせながら言葉が帰ってきた。
流石に約束も残ってるし、駄目だな。
『……駄目、なんですか?』
ああ、ダメだ。
『愛人としてでもですか?』
……あれ?この世界って一夫多妻制だったの?
『逆に今の今まで気づかなかったんですか?』
いや、だって平民は関係無いし……。
『はぁ、そうですか。ですが貴方なら直ぐにその問題も解決するでしょうね。その時はよろしくお願いします』
おい!俺はそんな事約束してないぞ!
『それでは、元の世界へお戻り下さい』
そして、再び意識が遠のき始めた。
その中でも神の幸せそうな雰囲気が伝わってきた。
……まぁ、少しぐらいならいいかな。
「……うっ」
目を開ければ未だにダンジョンの中のようだ。
だが左手に目を向ければ持ち出したはずのないあの本が握られていた。
多方あの神のせいだろう。
調べれば絶対に離れないスキルとか付けてそうだ。
(……まぁしばらくは放置だな。ドツボにハマりそうだし)
そう思いながらページを開く。
するとつい最近聞いたばかりの無機質な声が脳内で再生された。
『レベル二十までの経験値を確認、徴収します。新たなページの解放、一部機能を解放します。この徴収によるステータスの変動はありません。残りは三段階です』
「……ふぅ」
僕は解放されたページを一通り読んで本を閉じた。
作れる物は既にまともに作れる物では無くなってきた。
だが前世の記憶を完全に思い出せれば作れるだろう。
(前世か、本当に少しのことしか思い出せないな)
例えば自分に妹が居たということ。
両親が既に死んでいると言うこと。
だが妹の名前や両親の名前が一切出てこない。
覚えている事と言えば自分の名前と家族関係、死ぬ前後に何があったか位だ。
それでも最低あと三回、レベルを二十まで上げればいいだけの話だ。
(普通にめんどくさいんだけど、まぁしょうがないわな)
理事長に依頼された集積機に関しては既に作れる様にはなった。
だが、このダンジョンが使えるならば暫く使わせて貰おう。
「……帰るか」
疲れが取れない体に鞭を打ち再び現れた階段を登ることにした。
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階段を登りきり、地上に戻ると既に夕方に突入していた。
校庭では子供達が魔法の自主練やサッカー等をしている。
自分にもそんな事があったな、と感傷に浸りながらもやる事はやり終えなければならない。
取り敢えず理事室へ向かう。
「理事長、失礼します」
ドアをノックし中に入った。
案の定理事長は未だに書類に埋もれていた。
と言うか書類が増えていた。
……世の中世知辛いな。
「リンくんか、お帰り。それでなんの用だい?」
前よりもやつれた顔で出迎えてくれた理事長。
社会の闇の片鱗を見たところで本題を切り出した。
まぁ、後は材料だけで依頼はこなせるということを伝えもう少しダンジョンを貸して欲しいと言っただけだ。
勿論快諾だった。
そして一週間後、本のLvがMAXまで上がった。
次は設定を投稿すると思います
手抜きなんて思わないで




