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『もふもふカフェへようこそ ~癒しの足跡をあなたに~』  作者: 乾為天女


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エピローグ2『それぞれの未来』

 もふもふカフェが存続の危機を乗り越え、再び安定した日々が続いていた。新しい仲間・葵が加わり、地域住民や遠方からの観光客も増え、カフェはますますにぎやかになっている。春が過ぎ、初夏の風が心地よく店内を吹き抜け、動物たちもリラックスして過ごしている。

 ある日、カフェの片隅で将之はふと考え事をしていた。目の前でルカが尻尾を振りながら寝そべっている。そんな穏やかな光景を見つめていると、美優香がカウンターから声をかけた。

「将之さん、少し外に出ませんか?」

「いいですね、ルカも連れて行きましょう。」

 二人はルカを連れて、カフェの裏手にある公園へと足を運んだ。緑が濃くなり、初夏の陽射しが木漏れ日として地面に模様を描いている。ベンチに座り、ルカが元気に草むらを駆け回るのを眺めながら、美優香が静かに口を開いた。

「将之さん、これからのことを考えているんです。」

「これからのこと?」

「はい。カフェを守るためにいろんなことをやってきたけど、これからはもっと動物たちとお客さんが一緒に楽しめる場を増やしたいなと思って。」

「確かに、動物たちが主役のカフェですからね。美優香さんならきっと、もっと素敵な空間を作れますよ。」

 将之がそう励ますと、美優香は少しだけ顔を赤らめて微笑んだ。

「ありがとうございます。でも、将之さんがいなかったら、きっとここまで続けられなかったと思います。」

「俺も、都会を離れてここに来て、本当に良かったです。美優香さんやルカ、みんなに出会えたことで、心が救われました。」

 その時、ルカが草むらから戻ってきて、将之の膝に飛び乗る。まるで二人の会話を聞いていたかのように、安心した表情で甘えている。

「ルカもきっと、将之さんに感謝してますね。」

「そうだといいですけど……」

 ふと、美優香が真剣な表情で将之を見つめた。

「将之さん、これからも……カフェを一緒に守っていきましょうね。」

「はい。ずっと一緒に。」

 その言葉に、美優香の目が少し潤んでいるのを感じた。何気ないやりとりの中に、確かな信頼と温かさが根付いている。都会で感じていた孤独が嘘のように消え去り、将之の心にはカフェと共に生きる決意が芽生えていた。

 その頃、カフェでは他のスタッフたちも、それぞれの未来を考えながら日々を過ごしていた。

 広孝はイベント企画に力を入れ、近隣の商店街と連携して「もふもふフェス」を計画している。動物たちと一緒に楽しめるゲーム大会や、地域の特産品を使ったグルメコーナーなど、考えただけでワクワクするような内容だ。

「動物と人が一緒に楽しめるのが、もふもふカフェの魅力だろ?だから、もっとみんなを巻き込むイベントにしてやる!」

 味夏は、カフェでのパティシエ修行を続けながら、動物用スイーツの研究に余念がない。新メニューとして「わんこ用パンケーキ」を開発し、SNSでも話題になっている。

「見た目も可愛いし、犬たちが喜んで食べてくれるのが一番嬉しい!」

 佑佳は、経営管理をさらに強化し、地域の補助金や助成金を活用するために資料をまとめている。

「カフェを続けていくためには、しっかりと数字を管理しないとね。地域に根付いた経営が大事だ。」

 拓麻は、動物たちの健康管理をさらに徹底するため、専門書を読み漁っている。少しずつだが、動物病院とも連携し、カフェで健康チェックを受けられるサービスを導入しようと考えている。

「動物たちが元気でいることが一番大事だから。俺ができる限り、サポートしてやりたい。」

 涼楓は、新たに保護した動物たちのリハビリを担当している。心に傷を負った猫や犬が、少しずつ人に心を開く様子に、静かに寄り添っている。

「無理をさせないで、少しずつ。動物が安心して過ごせる場所を作るのが私の役目だから。」

 そして葵は、SNSを活用してカフェの活動を発信し続けている。全国のフォロワーがカフェの様子を楽しみにしており、動画配信も定期的に行うようになった。

「もっとたくさんの人に、このカフェの魅力を知ってもらいたいんです。」

 それぞれが思い描く未来を胸に、もふもふカフェはこれからも、人と動物が寄り添う癒しの場所であり続けるだろう。スタッフたちが織りなす温かな日々と、動物たちの純粋な愛情が、訪れる人々の心を優しく包み込む。

 夕暮れ時、カフェの前でルカと美優香を見つめながら、将之は静かに心の中で誓った。

「ここが俺の居場所だ。これからもずっと、大切に守っていこう。」

 穏やかな風が吹き抜け、桜の花びらが舞う中、ルカが優しく吠えた。その声は、まるで未来への希望を告げるように、澄んだ空へと吸い込まれていった。

(終)



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