冒険の始まり 創世竜 3
「それと、お前には何か分からないが特殊な力か、特別な運命が『竜恵』として授かっているのかもしれん。我らがお前を特別に感じるのはその為かもしれんな・・・・・・」
途中で、祖父が竜と遭遇した時の話しや、他の創世竜の伝説なども踏まえながら、たっぷり2時間の壮大な物語を聞かせられた。
もう何度も聞いているはずなのに、家族たちからは拍手喝采が飛び、祖父も満足そうに咳払いをする。
時間は23時。話し終えた祖父が立ち上がる。
「さて、今日はもう遅いし、これでお開きとしようではないか」
祖父の言葉に安堵する。今夜は寝れないかと覚悟していたから、こんなに早く解放されるとは思わなかった。やっと休める。
家族たちも、伸びをしながら立ち上がったり、後片付けに向かったり。
「では行くぞ、カシムよ」
祖父の言葉に嫌な予感。
「え?ど、どこに?」
祖父は呆れたような顔をする。
「何を言っとるんだ。修行に決まっとるだろう」
「ええ?今から?」
「早いほうがいい。右目が見えなくなったからには、それを補う修行が必要だ」
それを聞いた兄たちが、何故か嬉しそうに俺の肩を抱いたり頭に手を置いたりする。
「おお。総長閣下。それは『無明の行』ですね?!」
「うむ」
「俺たちもやったなぁ~。2週間も掛かっちまった」
オグマがキースと笑いながら言う。
「無明の行?」
「総長閣下の異名の一つに『無明』ってのがあるだろ?それを習得するための修行だ」
キースが説明し掛かったところで、祖父が2人から俺を引きはがす。
「説明されて出来る類いのものでは無い」
オグマが頷く。
「その通りでありますな。カシムめをよろしくお願いします」
「うむ」
俺の修行開始が決定する。この家族は俺に甘いのに、俺に厳しい・・・・・・。




