第二章62 特別授業(終)
「ん? ここは」
目を開けると、そこには見慣れない教室
「かえって、きた?」
そういうと彰は少しだけ、右目から涙が一滴流れた。
「おいおい、こんな短期間でどんなつらい思いをしてきたんだ。そんな腕まで失って」
そう言われ、いまだに疼く左腕に手を置くが
「男の勲章だ、ちょっとでかすぎるけどな」
その顔は満足に満ち溢れていた。
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「もう帰るのか」
「ここには、あまりいい思い出がないからね」
「それもそうか」
「今後は、あまり面倒ごとに巻き込まないでほしいわ。まあ、私の眷属を貸してあげなくもないわ」
巨大な翼を広げ、銀髪の美人が爆音とともに、雲の中へとその姿を消した。
「行ってしまった」
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「お帰りなさいませ、エリカ様」
「ただいまっ」
「あなた、この数日何をしていたの?」
「力をためて、過去の記憶を整理して、力をためて、また記憶の整理、少々城の中を掃除したぐらいでしょうか」
「ほとんど食っちゃねってことじゃない、そんなに暇だったら助けに来なさいよ」
「戦力は十分かと判断いたしましたので」
「あなた、やっぱり、知ってたのね」
「エリカ様が空間魔法で連れ去られそうになった時、すごい血相であとを追ったので、マスターだと確認しました」
「へぇ~、そうだったのね」
「いま、笑いましたか?」
「いいえ」
そういうとエリカは、城のほうへと軽快なステップで歩き出した。
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「この授業がどういう目的で行われたのかは、わかるか」
「え~と、魔力の制御、ですか?」
獣になって、魔法が使えなくなっても、魔力は残っていた。この授業はきっと魔力の制御をするためのものだったんだ。あれ? でも、薬の効果が半分だけ切れたのは、どうしてだったんだろう? あれこれ考えて最終的に出した答えは
「大切なものを守れた」
「ほぼ正解だ、あの薬は、薬じゃない。あれは数種類の魔法と呪いを水の中に封じ込めたもの。そして、呪いを解く方法は、家族との一定時間以上の接触。姿かたちが変わっても、家族に受け入れられることだ」
「家族、俺をもとの姿に戻したのは、家族では……」
「? 何か変なことでもあったか?」
「いや、何でもない」
そう彰は笑顔で言った。
大学院受検がますます近づいてきた、研究も忙しくて、最近やっと研究にいい結果がでました!
ちょっとしか書けていないが、大学院に受かったらいっぱい書きたいと思います!




