表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遠くから見ていた理想郷(エデン)で夢を見る  作者: †リオ†
第二章 決断、そしてこれから
69/84

第二章48 特別授業3

 そこは、映画の中に出てきそうなドラキュラ城そのものだった。真っ赤な月が大地を照らし。城のてっぺんには大きな穴が光を吸い込んでいる。唯一映画などと違うのは。その城下町はとても栄えていた。


「悪い子ね、勝手についてきちゃうなんて。でもね、ここから先はだめなの。お姉ちゃん! お父様が待っているから速く行こ!」


「やはり、あなた、あの男の眷属ね」


(この城、ヴァンパイアの純血、エリカの父、あいつしかいない!)


「その子は私のペットよ。一緒に入れないと最後まで反抗してやるわよ?」


「構わん、通せ」


「お父様!」


 !? 目の前にいるその男は以前のような大学生くらいの男ではなく、50代の白いひげが生えているおっさんだった。


(このおっさんが、あのブラド……なのか?)


「随分懐かしい姿ね、ブラド」


「お姉さまっ、お父様にそのような話し方は……」


「構わん」


――――――――――――――――――――


「この部屋は、変わらないのね」


「その部屋はね、お父様が時を止めた部屋なのよ? でも、誰の部屋なのかしら」


「さぁ、誰の部屋かしらね」


 そう言って、エリカはどこか、悲しそうな顔をした。この部屋は、誰の部屋、なのだろうか。

 さらわれてきたが、エリカの自由行動が許されている。やはり娘には甘いのだろうか。廊下を歩いていると、目の前から銀髪赤眼の男が歩いてきた。


「久しぶりだな、エリカ」


「お久しぶりです。お兄様」


「どうだ? 時間はあるのだろ? 少し、茶でも飲まないか?」


「ええ、もちろんです」


「随分、元気そうだな」


「おかげさまで」


「随分と有能な眷属を手に入れたようじゃないか。名前は何と言ったかな?」


「彰のことかしら」


「彰っというのか、ぜひ今度会ってみたいものだ」


「そんなことを堂々とこのようなところで話していいのですか? 彰は、この国の王にけがを負わせた大罪人よ?」


「おっと、そうだったな。だが、この部屋には結界が貼ってある。多少の発言の自由は俺が保証するさ。そこにいる魔獣はお前のペットなんだってな。あまりかわいいとは思えないが」


「これはシルビアっていう機械種のペットよ」


「本当に、それだけか?」


「? 何よ? ずいぶんとこの子に興味あるみたいね」


(まさか、気づかれたか)


「エリカ様、ブラド様がお呼びです」


 そう言って呼び出されたエリカの向かった先、その部屋には知らないもう一人の男が座っていた。

次回は20日の予定です~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ