第二章47 特別授業2
(これは、木で作られた銃弾、エルフたちもう渡した銃弾を使い果たしたのか)
シュッ、っと再び銃弾がほほを掠った。
(これは、エルフの湯どころじゃ、とりあえずここは逃げよう)
逃げる最中にも二秒か三秒には銃弾がそばをかすっていた。そしてやっとやんだ
(あの二人、ずいぶんと使いこなしてるみたいだな。テンション上がって打ちまくってこんな自作の銃弾を作ったのかな)
発射音が聞こえないのは、何らかの魔法を火薬の代わりに使っているからかな?
あれじゃ湖どころか、それより手前にある小さな川にも行けない。
(仕方ない、死んでは元も子もないほかの方法を探すか)
歩いて帰る途中にも、エルフの森を振り向くが、姫を殺した罪人が、再び踏み入れてもいい場所ではなかったんだ。きっと
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「おかえりなさい、エルフたちの食料になると思いましたが、どうやらあなたは思っているより賢いようですね。よしよし」
シルビア、実はもう俺の正体わかっているとしか思えない。
そして、犬小屋まで用意されていた。絶対に入らないがな!
解決策が見つからず、太陽が何度も山から登った。だがある日、この平和な国に何かが潜り込んできた。
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どこからか、話し声が聞こえた。その少女はきれいな漆黒な髪、赤く輝く瞳、そう、すべて、ヴァンパイアの眷属級が覚醒したときと同じような姿をしている。
(こんなところで何をしているんだろう? この国には、エリカ以外にもヴァンパイアの純血種が住み着いたのか、あ、ばれた)
「そんなところで何をしているの? 私を食べたいの?」
その問いを無視し城の中へと帰ろうとする。だが、ついてくる。ずっと後ろをついてくる。
後ろを振り向き、そして威嚇する。だが、効かない
それなら
全力で走る!だが、やはり、予感は合っていた。獣の速さなんて余裕と言わんばかりで軽くスキップしながらついてくる。全く振り切れそうにない。そしてついに
(扉の前まで着いてきたか)
「お客を連れてきたのですか?」
顔をそらす
「迷子ですか?」
そう、シルビアが問いかけると少女は少しだけこまった顔をし
「いいえ~違います。あのね~。私、お姉ちゃんを探しに来たの」
「お姉さん、っとはどなたのことでしょうか?」
その時エリカが目の前を通った。それを見た少女はすぐに飛びつき、そして、
「お姉さん! 探しましたよ!」
そう言いながら、少女は飾っていたねクレスを引きちぎった。その瞬間、周りのすべてが歪んで見えた。この光景には、見覚えがある。これは、学園長が使っていた空間転移魔法と同じものだ
まずいっと思った彰はすぐに駆け寄り、その女の子とエリカの間に向かって飛び込んだ。
目を覚ましたその場所は、赤い満月が雲を赤く照らしている異世界だった。
次回予告~!
目を覚ましたらまた誰もいない異世界!果たして彰の運命はいかに!
16日更新予定




