第二章42 賑やかな学園生活の始まり
この世界の学園生活は何って言うか、ただ座ったまま授業を聞くような退屈なものよりは実戦的な授業が多い、歴史は歴史でも、こっちの世界の歴史はまるで物語を聞いているようで面白い。
「この世界には、本来、人族と今存在している龍族などと比べ、非常に弱く魔法でさえも使えない種族ばかりが存在しその中で機械種がほぼすべての生物を管理していた。そして、魔王ブラドがこの世界を植民地にするため、この世界と魔界をつなげた。その魔界へのゲートがジャハナムの上空に空いている大きな穴っというわけです」
何だか話が大きすぎて理解できない
「その魔族の行動に天族は人間族に武器を与え、我々魔族に関する知識を与えた。それだけでなく、天族は人間族とともに魔族と戦争を始めた。これが戦争の始まった原因となる。その後魔界から魔力がこちらの世界にまで流れ込み、この世界の生き物にとっては猛毒でしかないはずの魔力によって生き物(人間も含め)は死に絶えると思えた。だが、その中でも魔力に適応した生き物はあるものは巨大化し、あるものは魔法を覚えた。中でも龍族に関してはもともとの生物が何なのかもわからず、巨大化、および火炎魔法にたけて……」
ドカーンと学園のどこかで爆発が起こった。
その数分前、
「皆さんの知っているように我々サキュバスは異性を誘惑しその生命力、および魔力を粘膜接触や体液から吸い取って生き続ける。もちろん私たちはそのための異性から見て十分魅力的な容姿をしている。だけどそれだけではまだ足りないの。私たちには異性を惑わすための幻覚魔法と異性を性的に興奮させる魔法がある。だけど、私たちの体はほかの魔族と違って、大気中の魔力を取り込んだり、自ら作り出すことができない。つまり、魔力を得るために魔力を使うのは効率が悪い。だから、この薬を作ったわけなのよ」
「それはな~に~?」
「よく聞いてくれました~。ですが、聞くときは手を挙げてから聞いてね~。この薬はね自分の体の一部を中に入れると気化して、吸い込んだ人は自分のとりこになる強力な媚薬。あ、別に指を切り落とせとか怖いことを言ってるんじゃないのよ? 髪の毛でいいの」
「髪の毛……」
そう言ってリリィはそのふくよかな谷間から白い髪の毛を数本取り出した。
「あ、言い忘れていたけどほかの種族の体の一部は入れないでね」
「ホェ?」
その手から、ゆっくりと髪の毛が液体の中に沈んだ。そして激しく泡立ち始めた。
「ねっ、ねぇ、えーと、リリィさん? 今入れたのって、自分の髪よね? ね?」
「えへへ」
「ちなみに、誰のを入れたの? レベル6の彰くん」
「皆今すぐ伏せて! 鼻で息を吸っちゃダメ!」
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そして時は変わり今
爆発音が聞こえた後に何やらピンク色の煙が学園中を覆った
「まさかガステロか!?」
周囲を見たが、逃げるにはもう遅かった
「毒はこの体にはあまり効かないはず」(念のために血流の流れを遅くして酸呼吸を最低限まで抑えるか)
それからだいぶ時間がたち、そしてゆっくりと目を開くと、周りの人がすべて、自分のほうを見ていた
「? あれ? 自分に、何かついていますか?」
「何だか、体が熱いにゃ~」
そう言いながら隣に座っていた、というよりは居眠りをしていた見覚えのある猫耳美少女が近づいてきた。いや、その子だけじゃない。周りの女の子もみんな、その代わり男はなぜかみんなこちらを睨みついてくる。
「なあ、なんかものすっごくお前を殴りたいんだよ、名前もまだわからないんだけど、とりあえず一発だけ殴らせてくれないかな~」
「あ~、俺も混ぜてほしい」
「ねえ~、お姉さんといいことしない?」
「状況はわからないけど……この場合はやっぱりあれだよね」
「「「?」」」
「逃げたほうがいい!」
「あ、逃げたにゃ~」
「奴を逃がすな~!」
「何で逃げちゃうのよ~」
「どうなってんだこれ~~!!!」
少し遅れました~!
次回は27日の予定です~!




