第二章36 リベンジ
? やわらかい、ベット。白い天井、なんか懐かしい。いつ以来だろう、病院に二週間ほど入院したこともあったっけ。
「あら残念、目を覚ましてしまっいましたか」
? いま、なんかとてつもなく腹立たしい言葉が聞こえた気がする。頭を横に向けると。そこには白衣を着たショートヘア、胸元が程よく空いていて、白く膨らんだ胸が、視線を吸い寄せる。
「治ったのでしたら、早くそこを開けてください。もっと重傷で死にかけな人がくればいいのに」
「聞き間違いじゃなかったんだ……ちなみに、理由を聞いても?」
「死んだらそいつの体は私が最初に扱ることになる」
「つまり?」
「引き取る人が来るまで私がいじりたい放題!」
「絶対死んでたまるか!」
そう言って部屋から飛び出していった彰
「死にたくなったらいつでもおいでね」
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「全く、なんって医者だ」
「この学園で死ぬのは危ないな。何をされるかわからない」
走っていると
「エリ様、お疲れさまでした。さすがでした」
「あなたも頑張りなさいよ、マリー」
「はい、全力で相手を絞殺します」
「こーら、このしちゃだめですよ」
「えへへ、適度に頑張りますエリ様」
「学校ではエリでいいのよ」
「いえいえ、私はエリ様に仕える身ですので」
「あらつれない、小さい頃はよく一緒に遊んでたじゃない」
「それは小さい頃の話で、今の私は」
「あ!」
二人の倒れる音
「ん、今度の柔らかい感触は、何だか懐かしい気がする」
「ん~? 貴様、いつまで触っている」
「? えっ、あ」
「このくそ虫が! 今すぐ殺してやる! その汚い手をまず切り落としてやる」
「えっ、ちょっと待った! わざとじゃないんだ! まって、まって、まって!」
「深淵に眠りし黒き大蛇よ……」
「えっ、ちょっ、まじでなんか呪文唱えてるよ! あ、そこの誰かさん! 止めて~!」
「何だか面白そうですのでもう少し観戦しておきます」
「気安くその反吐が出そうな口でエリ様に話しかけるな」
「ごめん! ほんとごめんって!
周囲がすべて黒い魔法でできたヘビで囲まれた。突然背後から白くてて眩しい光が二人三人を照らし、再び目を開けるとヘビが一匹もいなくなっていた。
「試合と授業以外での魔法を使用した戦闘行為は禁止です」
「すみません、気を付けます」
「試合で会ったら殺す!」
「こらっ、そんな話し方してはなりませんよ」
「はい~! エリ様♡」
「まるで別人みたいだな」
「はぁ!? なんか言いましたか? この廃棄物」
「なんか生物でさえなくなってるし」
「ふん! エリ様! こんなのほっといて速く部屋に帰って休みましょ」
「では~、またいつか」
「君は確か、いちねせあけら」
「一ノ瀬彰です」
「速くいかないと棄権になってしまいますよ?」
え 今なんて?
「だから、早く入場しないと棄権になりますよ?」
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さっきの二人組はなんだったんだろう。漫画にでも出てきそうなお嬢様とその使用人の娘って感じだったな。
その日の試合は、傷を抱えながらも、智也の圧勝で幕を閉じた。
話によると、昨夜不審な二人の人影が智也の倒れていたところにいたのを見つけたナイトが仲間を呼んだところ、その二人はすぐにどこかへと走り去ったという。
ナイト:学園内で警察の役割をしている
「何か目的があったのなら今日も来るはず」
そう思って彰は屋上から周囲を見下ろしていた、だがその二人はいつまでたっても現れなかった。おそらく、昨晩の騒ぎで警備が厳しくなったから慎重に行動しているんだろう。
それからもう一日過ぎ、もちろんその日も彰が勝利をその手に収めた。そして、その晩、リベンジすべきターゲットも、その赤く輝く目に映った。
少しだけ遅れました!
次回は3月3日に更新する予定です!




