第一章4 エリカ
楽しみながら書いていたらいつの間にか2000字超えてしまいました。
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
風に靡く絹の糸のような銀髪。赤く、暗い部屋の中で月光を反射し、ルビーのように輝く赤い目。肌は今まで見てきたどんなアイドルやモデルよりもきれいで、服装は黒地に赤い模様の描かれたレースのあるスカート。
そんな姿に見とれていると興奮と恐怖が同時に心を刺激する。
「ヴァンパイア……」
「あら礼儀のわからないお客さんが来ていたのね、」
あれ、言葉が、分かる、いや、口は開いていない。
心の中に思っていることを言語関係なく直接脳に語りかけているようだ。
しかし、そそられる口調であったし、理想通りだった。
「えっと、その、信じられないかもしれないけど。異世界からきて、すむ場所も金も持っていない、できれば少しの間泊めてほしい」
かわいらしく首を傾げる。
どうやらこちらが口にした言語を理解できていないみたいだ
そんな事を考えていると。
次の瞬間、20メートルはありそうな距離を一瞬で目の前に。
殺られると思い、ぎゅっと握っていたのだろう水晶の剣で斬りかかろうとしても、動いた手の手首をあり得ないほどの怪力でつかまれ、動かそうとしても全く力の差で歯が立たない。
これは、やっぱりこの世界では、俺は、弱い、やっぱりアニメのようには上手くいかないな〜、ここまで生きてこれたのもなにかの偶然だろうな
首にかみつかれた。
かなり痛い。
そのあと採血されているときと同じ感覚が、
小さく弱い声で:「血、吸われてるのか、このまま死ぬのか、つまらない人生だったな~」
「いいえ、これからよ」
!? 言葉が、通じた? そう思った時に感覚が変わった、採血とあまり区別はつかないが、これは、抜き取られているのではなく、流れ込んでくる。
痒みと痺れが首から全身に広がり、意識を失った。
太陽が昇りそして再び沈んだ。
目が覚めたのはそのあと、暗い部屋のベットの上だった。
扉が開き、なぜか現れたのはヴァンパイアの美少女だった、
「おや、怠け者が目を覚ましたようね、はやくこれに着替えて働きなさい」
そう言って、黒い服? を投げてきた。
実に中二感満載な服で、長袖の服で黒を基本とし、白衣のように後ろが長い。
「私の血をあなたのと少し交換したのよ、いまあなたの脳に私の血が流れ込んで私の知識があなたに流れ込んだはず、まあ、ここに住みたければさっさと働くことね、私の新しい眷属よ」
「え、昨日の美人さんが美少女に?」
「普段はこの姿で暮らしてるのよ」
「なんとなく理解できた、眷属って何すればいいんだ? 人を襲うのか?」
平然な顔で言っているが、内心アニメにありそうなシチュエーションにとても感動している!
すると、外から爆音が、
「あら、さっそく仕事来たようね、外のガラクタたちを排除してきて」
そう言って城壁の上を歩いていると森の中からゴキブリのようにロボットが20体程森を抜け城に向かってくる。
「お~! 高機能戦闘ロボット!」
白い金属のボティー、目と呼べるような部分は見た所一つしかない。
その下に穴が二つ空いているそのうちの一つからは赤い光がみえた気がした。
人型なのだが、歩き方が虫のようで、少し気持ち悪く感じてしまい台無しだ。
興奮すると同時に後ろから背中を足でけられ、そのまま城の外へと落下した。
「いってて、顔面から着地したせいで口の中に土が、ぺっぺっ」
周りを見ると、ロボットに囲まれて、カメラセンサーにガン見されていた。
「判別、亜人、排除対象」
「ゲッ!」
「土を食べてないで、仕事をしっかりこなしなさい、ふっ」
笑ってやがる! アイツ実は性格悪いのか!?
そう言ってロボットの5体がガトリングっぽい銃口を口から出し、こちらに向けてきた。
とっさにびっくりして後ろに向かってジャンプした。
高さ5メートルはジャンプしたと思う、何よりジャンプした本人が一番驚いている。
壁に足がつきかっこよくこの新しい脚力を使いあのロボットを蹴り壊そうと、壁を蹴りロボットに向けてライダーキックを決める。
つもりだったのだがまさかの再び壁を蹴ろうとした足が滑り、本日二度目の大地との情熱的なキス。
今度は鼻が直撃した。
鼻を抑え、痛みで若干涙目になりながら。
「痛って~」
「はぁ、まだはやかったかしら~」
と呆れたリアクションをしながら美少女は、見覚えのあるものを目の前に投げてきた。
打ってきた弾丸はすべて半透明な地面に深く刺さった剣に止められていた。
頭を上げるとわずか鼻までの距離は三センチぐらいだろうか、冷や汗が、
「殺す気か!!」
「さっさとごみを掃除しないとあなたが生ごみになるわよ~、生ごみは臭いからあまり近寄りたくないの、頑張ってガラクタを排除してね~。はっ、はっ、は~」
なんだあのロリッこ! 助けないで見てるだけならまだしも楽しんでやがる!
「くそ! やればいいんだろ! やりますよ! やってやりますよ!」
剣を抜き取り力いっぱい地面をけりロボットのほうへと剣を振った。
一瞬だった。
ロボットの一体が真っ二つに、自分の速さに慣れておらず減速時に重心が前に出て、木にぶつかった。
だが傷があったはずの背中が痛くなかった。
少年は気づいた。
自分の体の傷がすでに治っていたことに、それだけでなく体力も力も反射神経も人間のものではなかった。
少し慣れてきたところで売ってくる銃弾は全く捉えられなかった状態から、バッティングセンターのボールくらいの速さに見える。
さすがに(ぬはははは! 止まって見えるぞ! )とまではならなかった、
「どうせなら映画の〇トリ〇クスの中の銃弾くらいの速さには減速して見えたかったな」
何とかよけながらも二体を同じように真ん中から切り裂き、後ろから刀の形をした手を持つのが襲ってきて、それを受け止め刃物を交わる。
すると向こうの刀はいとも簡単に切れた、そのまま頭をはね。
すると頭部をはねたはずなのに胴体が抱き着いてきて、赤く光り爆発した。
全身が激痛、人間のままだったらバラバラになっててもおかしくない威力だ
力が抜け、そのまま倒れこんでしまった。
「あ~、今度こそ終わったな~」
他のロボットより大きい戦車のような個体がレーザービームっぽい武器をこちらに向けてきた、
「しょうがないわね」
そう言って、黒い風を纏い、美少女が昨晩みた美女へと姿を変え、一瞬で目の前に移動してきて、片手でロボットから発射された衝撃波を受けとめ、握り潰した。
「別にあなたが大事だから助けたわけじゃないんじゃからね、せっかくの眷属をこんなあっさり失うのは少々損な気がします。」
小さく元気のない声:「ツンデレセリフありがとうございます」
その後、圧倒的な強さでロボットをどんどん壊していく、飛んでくる銃弾も簡単に避けていく、ひとけりで3メートルほど大きなロボットを蹴り飛ばし、飛んで行った方向にいた二体をつぶしてしまう。
「強さでたらめじゃねーか、最初からあんたが……」
ロボットをどんどんつぶしていく美女を眼で追い、
再び意識を失ってしまう。
見てる人が意外と多くて驚きました、改善したほうがいいところがあればぜひコメントください!
引き続きお楽しみください。




