第二章32 サクト
彰は最初の試合を相手の魔力切れとなりかった。
その次の試合で
入場する二つの門の一つから剣と盾を持ったいかにもなイケメンが入場してきた。
向かい合うもう一つの扉からは対戦相手がまだ現れない、
「おっと、どうしたことか、王子がいまだに現れない! これはシュヴァの不戦勝か! 騎士の一族がついに王族に勝つのか!?」
(? 王子? この国の?)
「おっと、やっと王子が姿を現した。我が国の王子、普段その姿を公衆の前に表すことはめったにない! 皆を待たせた分いったいどんな素晴らしい試合をしてくれるのか! それでは! 試合開始!」
(ちっ、またイケメンか、しかも王子……)
「キャー! サクト様~!」
「黙れ、愚民ども、この俺に無駄な時間を使わせるとは」
(次の王様が国民にこんな口調でいいのか?)
その王子様がこっちに向けて指をさす
「レイジ! 俺がトップとなったらお前との再戦を要求する! もし俺がお前より強かったら、この国から出ていけ!」
「いいじゃろう、相変わらずじゃの~う」
「おい、爺さん、あの王子と何があったかわからないけど、そんな軽くOKしてよかったのか?」
「……ああ、まだまだ若いもんには負けんわい。はっはっは」
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「なあ、爺さん。そんな約束してもいいのか?」
「フッ、お主も加わって二人がかりでもワシにかなうまい」
「……そうか、おじいさん強いんですね」
「おや、どうやら君はあの子のように好戦的ではないようじゃな」
「そう、ですね」
後ろからひとりいつの間にか近づいてきて、おじいさんに何やら巻物を渡し、それを読んだ直後、さっきの爺さんは先ほどまでの優しそうな顔とは一変し、そして立ち上がった。
「? じいさん? 見ないのか?」
「少し、やることができた。縁があればまた会おう」
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そのあとの戦いは圧倒的だった。
先制攻撃をしたのはシュヴァだったが
「ひれ伏せ! 愚民が!」
目が合っただけで、その威圧がまるで強風のようにシュヴァの足を止めた。
「王族にそのような粗末な武器を向けるとは、不敬だ! 身の程を知れ!」
掌を、シュヴァに向けると、真っ黒な魔法陣がその手に現れ巨大な漆黒のヘビの形をした魔法がシュヴァに襲い掛かる。
突如試験初日に彰とフロウの戦いを止めたあの大男が上方からサクトの魔法を、殴り壊した。
「王子、やりすぎだ」
「俺の邪魔をするな、どけ、グロヴェス卿」
グロヴェス卿と呼ばれたその男はその場で動かずしばらく二人が向かい合っていると
「フッ、興がそがれた」
そう言って、場外へと歩いていき、またどこかへと姿をくらわした
「えっ、え~、実力は充分証明されたと考え。特別ルールとしてサクト様との対戦は身の危険が及ぶ可能性があるので、棄権を認める、だたし! その場合その時点でのランクが皆の今後の生活となる」
テストがやっと終わりました!
予告よりもだいぶ遅れました!
次回は多分29です!




