第二章29 試合
「いよいよやってまいりました! この第二試験! 第一試験をクリアした諸君はもう入学が決まったも同然! だがな入学したからってまだ気を緩めちゃーいけねーこの試験ではお前らのこれからの生活と学習内容が決まる。形式はこうだ」
トーナメント形式でみんなのレベルを決める。トーナメントといっても二つ同時となる。そして、最初の試合が最も重要となる。最初の試合でトーナメントを二つ分ける。最強がレベル7その次の一人がレベル6それから順に2人がレベル5、4人がレベル4、8人がレベル3、16人がレベル2、32人がレベル1、ここまでが大体の説明。そして、なぜ最弱が決まるのかというとトーナメントとは逆の三角形で再び弱者を決めるトーナメントとなる。
勝敗はどちらか一方が戦闘不能ないしは魔力切れしたほうを負けとする。
20分の制限時間を超えた場合はこの場にいるすべての観客の投票で勝者を決める。
「それでは最初の試合を始める! まずは! 反射神経なら魔族トップクラス! 鋭い爪で相手の皮膚を切り裂き、そのかわいい見た目で男を魅了する化け猫の一族! クロナ~! 対するは迷いの森の近くに住んでいるゲヘナ唯一の人間種! 魔術師の一族の末娘! 一族で出来損ないと罵られるもその幸運で苦難を乗り越えてきた努力家! ルチア~! それでは~! 試合はじめ!」
そう言い終わると同時に空中に大量のモニターが浮かび上がり、まるでテレビの実況のように浮かび上がっている。二人の魔力量が二人の頭上で数値として表示されている。クロナはわずか二桁しかない。対してルチアは6桁まで行っている。
「こんなの圧倒的にルチアに有利に決まってるんじゃ」
そうボソッと彰がつぶやくと、いつの間にかすぐ隣に立っていたいかにも魔法使いっぽい長い白髭をした爺さんが
「それはどうかのう~」
? なぜなのかを考えていたら試合が始まった。
「えと、えと、よろしくお願いします。クロナさん」
「うん! よろしくにゃ! 手加減しにゃいよ~!」
警戒しているクロナに対して最初に攻撃を仕掛けたのはルチアのほうだ。
「大地の精よ私の召還に応えいでよ」
呪文らしきものを唱えていると足元に巨大な魔方陣が現れ、その魔方陣が消えると同時に土地全体が大きく振動し地面が沈み始めルチアの足場だけが上がり始め、そしてかつてあの国で見た巨大な土のゴーレムが姿を現した。
「おーと! いきなり上級魔法! このサイズのゴーレムを召喚でいる人な教師陣でもなかなかいないぞ!」
「いっけー!」
ゴーレムが巨大なこぶしを握りクロナに向けて殴り掛かる
「ごーくん!」
途端にその手が止まった。
「ごーくん?」
なぜかゴー君は仁王立ちで手を組み始めた。
「ゴー君いいでしょ! かわいいじゃん!」
そのゴー君が頭を横に振る、どうやら前からルチアのネーミングが気に入らなかったらしい。
「魔法使いはな、自分の契約した魔族の力を借りてその力を発揮するのじゃよ。じゃが、仲が悪いと貸してくれない。あの子は昔から元気で明るいから小さい魔族から大精霊までもが集まってくるんじゃよ」
「そうなんですか」(もしかして、あの子のおじいちゃんかな)
「そっちが来ないならこっちから行くにゃ!」
巨大なゴーレムの体をまるで重力が存在しないかのように駆け上がり、ゴーレムの方の上に立っているルチアを狙ってその爪を立てる。あと少しで届くその瞬間にゴーレムの肩から土壁が急にルチアを守るように出てきた。すぐに回り込んで再び攻撃を仕掛けるがそのたびに土壁が出てきてルチアを守る。その守られている本人は怖がり、しゃがみ込み、頭を抱えている。
「当たらないにゃ!」
すると急に周囲が真っ暗に。ゴーレムの捕まってしまった。その三秒後に試合終了となった。判定はクロナのゴーレムにつかまり行動不能によりルチアの勝ちとなった。
「?」
キョロキョロと周りを見回す
「かっ、勝ったの? やった~! ありがとうゴー君! ゴー君? ゴー君ってば!」
なんとも変な感じで第一試合が終わった。そして、次の試合が彰の出番となっている。
次回は多分1月4に投稿します




