第二章25 ゲヘナ
クラーケンによるダメージを受けた船はほとんど治った。だが、うん船は戻ったんだよ、船は戻った。戻ったんだが、
「どうしてこうなった……」
目の前に広がる服の破れ、酔いつぶれている男女、あっちこっちに散乱しているクリスタルで作ったコップ
「おいおい、もうくたばっちまったのか!? 全く最近の男どもは」
「まだだ、まだ俺は負けてない!」
見にくい酔っ払いどもの争いが日が登ってくるときまで続いた。そしてついに、最後の男が倒れたことで、決着がついた。その直後にリリィも高笑いしながら酔いつぶれた。
「……部屋に帰ろ」
部屋に戻る最中の廊下までもいろんな食べ物や飲み物が散乱していた。智也も飲んでいたのだが、ヴァンパイアは酔わない、いや、酔わないわけではない、正しくは自分の血液流れをコントロールすることができ、アルコールを含む血液を脳に行かないようにすることができる。
そのあと、目を覚ましたメンツが昨晩の出来事を全く覚えておらず、ただ、
「やらかした……」
そう後悔する人もいれば、もはや絶望しか顔から出てこない人もいる。
「うわ~!!!」
悲鳴が聞こえた。すぐに彰は部屋を飛び出しその部屋へと向かった。
「どうした! 大丈夫か!」
「おわった、俺はもうだめだ、汚された」
「あら~、失礼しちゃうわ」
そこにいたのは、涙目になっている男と目が覚めたばかりの女、女?というより性別不詳?
「なあ、いったい何があったんだ?」
「俺は、何も思い出せないんだ(思い出したくもない)起きたら、男と一夜を過ごしたなんて、もう、俺は汚れちまったよ」
「あ……うん、あとで一人で泣いておくといいよ」
そう言って、そっと扉を閉めた。お酒は、少しなら血流に良いと聞くけど。やっぱり大量に飲むのは良くないな。
さっきの男と悲鳴が原因か酔いつぶれていた昨夜のメンツが次々目を覚まし頭を押さえながら起きてきた。皆周りの状況を見て驚いていて。反省する人は反省して、女性陣は恥ずかしがりぞろぞろと自分の部屋へとまず帰っていく。
「片付けるか……」
「そうだな……」
男が船の掃除を始め、部屋に戻った女性陣も服を整え少しふらつきながらも出てきて掃除に参加した。そしてついに、掃除の終了とともに船の修理も終わった。
喜んでまたバカ騒ぎをしようとしたが、みんなそんなテンションじゃないようだ。船が再び沈み始め、海流を動力に再び進み始める。
「もうアイツ(クラーケン)来たりしないよな?」
「縁起でもないこと言うなよ、もうあんな化け物の相手はこりごりだ」
「何言ってんだよ、お前クラーケンの足に傷一つつけてねぇじゃねぇかよ」
「お前だって最初ビビって動かなかったじゃねーかよ」
ともに災難から逃れ、宴を楽しんだ旅仲間の中はすっかり打ち解けていた。しばらく平穏なときを過ごし、船は急にさらに深くへと沈み始め、海底のトンネルの中へと入って行く。
「このトンネルを抜ければゲヘナに到着よ」
そうリリィに教えてもらいトンネルの中をかなり長い時間進み続ける。そして、ついに洞窟を抜けてすぐに船は帆をたたみ、急上昇を始め海面へと向かう。水面から船頭が突きだし、そしてついに船全体が海面に出た。
「これがゲヘナか!」
そこで見えている風景は巨大な壁が後ろにあり目の前には港があり、その奥にはヨーロッパ風な街並みが広がり目立つ建物が二つある。
一つはエリカの城と比べると十倍以上はでかそうな巨大な城とその反対側には巨大な時計塔のような建物が
「あそこが、あなたのこれから通うかもしれない学園、アークよ」
「? かもしれない?」
「そうよ? 百パーセント入れる学園なんてないわよ? あなたの国にはあったの?」
「つまり、テストがあるってわけか」
「あなたの実力ならきっと大丈夫よ」
そして、テストを申し込み、次の日がテスト日で、住むところもなく、一晩リリィの実家でお世話になることに
次回早ければ16日にでも投稿します!




