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遠くから見ていた理想郷(エデン)で夢を見る  作者: †リオ†
第二章 決断、そしてこれから
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第二章24 船の修理

「やっぱりこの方が船旅というものだな~」


 彰は沈みゆく太陽を見ながら、黄昏ていた。


「そこの英雄さんよ~、太陽なんか見てないでこの船を直すの手伝ってくれませんかね~」


「あ、すみません。何だか懐かしくて」


「坊主も海辺に住んでいたのか?」


「あっ、いえ、家族で海辺に遊びに行ったことが楽しくて」(また、今度、顔でも見に行こうかな)


「海辺に遊びに行くのかずいぶんと勇敢な一族だな」(水龍とか魚人が怖くないのか)


「そんなに怖い海じゃないよ。潜っていろいろ採ったし、なかなかおいしかったぞ」(貝とかイカとかがおいしかったな~)


「? 食ったのか!?」(どっちを食べたんだ、というか何を食べたんだ!?)


「サーモンは好みだ」


「サモンって、おいしいのか……」


サモン:一度噛みつかれると魔力と体内の水分を吸いつくすまで絶対に放さない海の化け物、蛇に鰓と体の左右には魚のヒレがしっぽまであり、水中から飛び出すと巨大な体にもかかわらず空中を10秒くらい滑空する海の化け物


(あっ、こっちの人ってサーモン知らないんだった)「あぁ、うまいよ機会があれば俺が調理するよ」


「えっ、遠慮しとくよ」


「そうか。まあいいや、俺は何をすればいい?」


「空飛べたりするか?」


「? まっ、まあ一応」


「おお! 助かる。あっちの島見えるか、もうすぐ夜が暮れる俺たちのような夜行性じゃない連中はもうすでに眠気が襲ってきている」


「あの島に行って木を斬って運んできてほしい、できるか?」


「ああ、わかった」


 彰は島まで飛んでいき、木を切り倒し、そして持ち上がろうとするもかなり重い


「これで飛べるのか?」


 ジャンプするも全然高くない


「はあ」


 空中にバリアで足場を作り、ゆっくりと大木をもって船へと向かっていく。そんな作業が朝まで続きやっと船が海上を動くには支障がないほどに戻った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なあ」


「何かしら?」


「さっきからうじゃうじゃ危なそうな生き物が船の回るを泳ぎ回っているんだが」


「あ~気にしないでいいわよ」


「そう言っても、なんか船に体当たりをしてきてるんだけど」


「それは危ないね~」


「あっ、どっかいった」


 どうやら、海の中の生存競争の結果、巨大な生き物ほど狙われやすくなっているようだ。この船に乗っている人間サイズの生き物は苦労して食べたところで効率が悪いと海の生き物たちはもう知っているようだ。(生き物まで効率を考えるようになったのか、なんだか嫌だな~)しばらくすると、階段のほうから寝ていたメンツか上がってきた


「おはよう~」


「ああ、おはようございます」


「一晩中働いてくれてありがとう、あとは俺たちがやるから自分の部屋に戻って休んでてくれ」


いざ部屋に戻ってみると


「……なぜおまえがいる」


「? だって~ここ二人部屋よ?」


「いやいや、そうじゃなくて、どうしてお前がこの部屋にいるのかと聞いているのだ」


「そんな冷たいこと言わないでよ~せっかくともに一夜を過ごした仲じゃない」


「いちいち変な言い方しかできないんかおのれは!」


「あはは」


「……もういいや、さすがに疲れた」


 そう言ってベットに倒れこむ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(? なんか、懐かしい感触が)ゆっくり目を開けるとリリィ同じベットで寝ていた


「! またか!」


「……なあに~大声出して」


「お前のベットは隣だろ!」


「なんか、彰の近くは安心するのよ」


「そりゃーどうも」


 扉をたたく音がした。彰は起き上がり扉を開ける。


「よう、宴の準備ができたぞ」


「宴?」


「? どうした? 聞いてなかったか? 船が治ったらみんなで宴でもしようと言ってたじゃないか」


「すまん、たぶん聞いてなかったよ」


「おや、すでにお楽しみでしたか。これは失礼」


「? 何のことだ?」


 部屋の中へとその男が指をさす。


「はぁあ~い」


 露出度の高い服でリリィが手を振ってくる。勢いよくドアの外へと飛び出し、思いっきり扉を閉める。


「え~、さっきのは~、ただの旅仲間です!」


「? そうなのか? まあいいや、さっさと着替えて外にでな、みんなお前たちを待っているぜ!」


「? 俺たちを?」


「そりゃーあのクラーケンを追い払った英雄だしな」


「英雄、か。わかった、すぐに行くよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「聞いた通りだ。外に行くぞ。って、あれ? いない」


 そして、外に出ると熱烈な歓迎と魔法を使ったパフォーマンスが出迎えてくれた。

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