第二章21 旅仲間はサキュバス
朝、目を覚ますと
「おはよっ♡」
「……」
とりあえず布団をめくって、自分が何かやらかしていないか確かめる。……大丈夫のよう、なきがする。だが、なんだこの状況は朝になって目を覚ますと隣にエロい服装をしているお姉さんが……
「……え~と、どなた?」
「え~、あんな激しい夜だったのにもう忘れちゃったの?」
「やっぱり俺何かしました!?」
「ほんとに覚えてないの?」
頑張って昨晩のことを思い出そうとする。あの後、フォンとかいうやつからもらえるだけもらって別れた後、なぜかこのお姉さんと行動するようになり、何やら酒場のようなところに入り、海賊っぽい見た目のおっさんやごつごつとした店主、そんな賑わっている光景を見て、どこか懐かしい気がした。そのまま明るいテンションで人生で初めてお酒を飲んだ。ヴァンパイアは酒に強いらしいが、あのお姉さんから渡された青くて半透明な飲み物を飲む。そのあとすぐに、
「いたー! あいつだ!」
朝のフォンが仲間を連れてきた
「兄貴の仇は俺たちがとるぜ!」
「俺死んだの!?」
「あっ、言い間違えました! よくも俺たちの兄貴をヤってくれたな!」
「それ、俺どっちみち死んでないか? ええい! 細かいことはもういい! お前ら! やっちまえ!」
「ちょっと待った!」
「? なんだ~? 命乞いか?」
「ここジャー店に迷惑かかる、場所変えよう」
「……ふっ、いいだろう」
そして、リリィさんというあのお姉さんを連れて店の前に出た瞬間
「すまん、少し失礼します」
「え?」
彰はリリィを抱き上げ、思いっきり真上へとジャンプし、バリアを空中に45度の角度で展開しそれを踏み台に一気に賑わっている人の中へと飛び込む。
「ちっ、あいつどこに逃げやがった! 何をもたもたしている! 探せ!!」
そのころ、彰とリリィは人ごみの中後ろから追ってくるあいつらから逃げていたが、急に、彰が意識を失った。
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そして、朝のあの状況に
「いやらしい言い方するな!」
「あら? 私がいついやらしい言い方をしたかしら? 何を勘違いしたのやら、はっはっはっ」
「ちっ、まあいいや、どうせこの付き合いも今日で終わりだ……」
「そうとは限らないかもね? あなたっ、どこに行こうとしているの?」
「あ、そうだ、一つ聞きたい、ゲヘナへの船は、どれに乗ればいいんだ?」
「奇遇ね、私もゲヘナに行くのよ、一緒に船に乗りましょう」
「……そっ、そっ、そうだね」
「あら? 私と一緒は嫌かしら?」
「一つ聞くけど、昨晩俺に渡してきたあの飲み物、何か混ぜた?」
「あっ、アハハ」
「いれたんですね」
「でっ、でも! 何も手を出してないわよ! あなたが一番知ってるんじゃないの!?」
「? 何のことですか?」
「あなたからちょ~と精気をもらおうと口をあなたの口に近づけたら、右手が光って、私を弾き飛ばしたわよ」
確か、以前にもそんなことが
「まあ、どのみち私がいなければあなたはどの船に乗ればいいかわからないようだしね~。丁度話し相手が欲しいと思ってたのよ。もう私の正体もばれちゃったことだし」
「? 正体? 異性から精気を吸い取る魔族……サキュバス?」
「正解」
なんだかんだで、二人で船に乗り込み。どうやら船旅仲間はこのエッチなお姉さんと一緒にすることになってしまった。はたから聞いたらうらやましいシチュエーションだろうが、相手が相手だ。欲情しないように頑張ろう……
皆さんも知らない人から渡されるものは極力飲まないように!
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