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遠くから見ていた理想郷(エデン)で夢を見る  作者: †リオ†
第二章 決断、そしてこれから
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第二章13 英雄の代償

 たびたび人工知能が問題になっている。もし人工知能が人類の知能を超えたら、ターミネーターやマトリックスの世界が本当にやってくるのもSFではなくなるかもしれない。ほんの数か月前、ロボットはついに独自言語を作り出して会話を始めるまでに成長したという。

 そして、電脳化までやり遂げた異世界の人類の半分は、自らが作り出した機械仕掛けの命によって、滅ぼされた。


個体番号「0001」固有名称「ワールドクリエイト」


「私の残存データの中で復元可能のデータを復元した結果によると。この個体番号0001はかつて人類が作り出した最初の無機物生命体で、本来は人類に適した生存環境及び驚異の排除を目的に作り出されたはずが、人類を守るというプログラムと環境を守るというプログラムが矛盾を起こし、本来守るべき人類が守るべき環境を破壊することに対し、環境を守ることを最重要案件だと判断し、人類への攻撃を始めた」


「俺の世界も、いづれはこの末路をたどるのかもしれないな」


「もう一つの小さき世界の話か、まだ科学はこちらの世界の数千年前くらいのものであろう」


「つまり……数千年後は……俺の世界の人類は滅ぶという事か」


「吾の演算によると千年の誤差で、5千年後になる。そして、この世において最大の脅威こそが、彰、なのである。こちらの世界に流れ着き、人身を失い、ヴァンパイアの眷属と化し、この世で最も危険な魔神の魔力にまで手をだし、ついにはその騎龍すらも従わせた。貴様が来て、この世界の勢力図はすさまじい速さで変わっていった。そして、いづれお前は戦争の火種になると80%の演算結果がそう示している。ゆえに、彰、貴様をこの世の不安要素として排除する」


「平和的に解決しようとしたんだけど、交渉決裂か」


そして、突然天空要塞の内部で強風が吹き荒れ始めた。

周りの壁がますます狭くなり、このままでは押しつぶされると思い。思いっきりワールドクリエイトの本体である柱に切りかかるが、すさまじい電力ではじき返された。

押しつぶされると思い、みんなで外へと飛び出した。

 空を飛べる第二部隊は二手に分かれ、飛べない者は地面へと守りながら送り届け、炎龍を含めた部隊は、ついに全力を出し始める。一番効いていると言える攻撃は、炎龍の放った超高温の火炎放射とペガサスやグリフォンの放つかまいたちと重なり、火の斬撃を帯びた竜巻が天空要塞に襲い掛かる。

 電磁バリアでだいぶ弱くなってしまっているが、金属の壁に巨大な爪痕のようなものくらいはダメージを与えている。そして、その爪痕は高熱によって、明るく光っている。だが、天空要塞が次第にその姿を変えていく。


「あれは、何かまずい気がする。終わる前にあいつを打ち落とすぞ!」


 そううまくいかず、次々と要塞から飛行型の二種類ほどの機人が途切れることなく飛び出てくる。そして、狙われた最初のグリフォンは下腹部を刃物のようなもので気付つけられ、下へと落ちていく。


「チクショ、こいつらが邪魔であいつを妨害できない」


そして、要塞はついに最終形態に


「なんだあのガ〇ダムは! じゃなくて、なんだこの巨大な機人は、まさか」


「天空要塞の真の姿といったところか」


「大規模破壊形態:デストロイヤーモード、です」


 ついに一つの巨大な山ほど大きな機人の姿へと変えたワールドクリエイトが全力を出してくる。その巨大な手が巻き起こす突風は空飛ぶ仲間たちにすさまじい風圧を与え、何体かはその風圧に耐え切れず、失神して落下していく。


「生ぬるい攻撃は、すべてあのすさまじい電気の壁てはじかれてしまう」


「チクショ~! 仲間の仇~!」


そう言って、小さな精霊がぜんそくでワールドクリエイトに向かって突っ込んでいく


「おい! あぶなっ……?」


 なぜか小さな精霊は、通り抜けることができ、ワールドクリエイトに向けて攻撃をするが、小さなその手は、攻撃には向いておらず、いくら泣きながら思いをぶつけても、小さな傷一つつけることができない。


「ありがとうよ、お前は、もう十分頑張った! アルン! 俺が渡したその武器であいつを打て!」


「わかったわ!」


 そう言って、ライフルを構えた美しきエルフの姫は、音速よりも速い銃弾を飛ばす、そして、その銃弾がバリアを突き抜けた瞬間、銃弾が纏っていた魔法がほとんど消し去った。


「? 今のは、なるほど、そういう事ね」


「あぁ、警戒して近づけなかったが、あのバリアが消し去るのは魔法攻撃、つまり非物理的攻撃だけで、物理攻撃は通用する! だが、問題は、あんな小さな穴が開くくらいじゃ何の役にも立たない」


 エリカがすぐそばに飛んできて、ある一点に向けて指をさす、そこには、爪痕のような傷、そして、その奥にうっすらと光っている部分がみえる。


「あの傷穴から漏れ出している光はワールドクリエイトの回路だと推測」


彰はワールドクリエイトからの攻撃を何とか避けながら


「アルン! あそこを狙え!」


「わかったわ!」


そして、一発外して、もう一発が傷の中に入り込んだ。

ワールドクリエイトの内部で大きな爆発を引き起こし、肩の部分だけ、電磁バリアが薄れた。


「行くぜ、炎龍!」


「承知した」


彰の手に再び光の粒子が、そして、炎龍も黄金に輝き始める


「せ~の!」


二人が同時に力を解き放ち、ワールドクリエイトへとぶつける。


「やはり、貴様は、この世に存在すべきではない!」


巨大な腕が、吹き飛び、ワールドクリエイトは地面へと落下を始めた。だが、


「わが身が崩れようとも、貴様は、この世界にいるべき者ではない。世を滅ぼす者よ」


 そう言いながら、巨大な手が大きな銃へと姿を変え、最後の電力をすべて集中して、彰へと巨大な電撃の柱を伸ばしてくる。


「ワールドクリエイト、最大出力確認、退避をお勧めします」


「危ない!」


「……あれ? この光景は、また、俺は……守れないのか」


 アルン炎龍の背中から飛び出し、彰を押し飛ばし、電気の柱の中へと、姿を消した。


「アルンーーー!!!」

次回で第二章終わりです!

多分、三日か四日後ぐらいに更新します。

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