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遠くから見ていた理想郷(エデン)で夢を見る  作者: †リオ†
第二章 決断、そしてこれから
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第二章7 何……があった?

「どうやらそろそろ帰ってくる時間のようね」


 月を見ていたそう余裕をもって語っているエリカに対して、アルンは少し焦っているように見える。


「まだ~?」


「急かしても無駄よ、せっかちね~」


 小声で顔を赤くしながらアルンがくねくねもじもじしながら


「早く、会いたいから」


「本人の前で言ってやりなさい」


「!? 今の聞こえたの!?」


 エリカがさっきのアルンのしぐさを真似をしながら


「早く、会いたいから」


 アルンの顔がますます赤くなっていく。


「エリカのバカ!」


 そう言って城のほうへ木々をジャンプしながらと帰ろうとして、ジャンプした瞬間のアルンの足をつかみ、盛大にアルンがこける。


「何すんのよ! やっぱり気が合わない!」


「あら、私は結構あなたのこと気に入ってるわよ? (心の声:彰よりもからかいがいのあるだもの)」


 そう聞いたアルンは


「……エリカに気に入られてもなんか複雑!」


「そろそろよ」


 そう言ってエリカが目線を湖の表面まで落とす。

しばらくすると、月が水面に映り、青い光の粒子が水面から次々と浮かび上がってくる。

そして、湖全体がまるで夜空を照らすように青く光った。

 光は次第に収まり、いつもの湖に戻った。


「……帰ってこないわね~」


「えっ」


「そんな捨てられた銀虎の幼獣ような目で見つめられても」


銀虎:彰がこちらに来て最初に目にした生き物、呼び方は地域や人によってさまざま


 そんな会話を続けているとアルンが湖の上のある一転を見つめ始めた。


「あそこに、何か浮かんでいるよ?」


 そう言われ、エリカも振り向く

すると、エリカの表情が一変しすごい勢いで地面をけり、浮かんでいる何かに向けて一気に飛んでいく。


「彰~!」


 そう叫んだのが聞こえ、アルンもできるだけ遠くにジャンプし、全力で泳ぐ。

エリカが、黒い物体に手を伸ばそうとすると突然、紫色の稲妻のようなものがエリカに襲い掛かった。

アルンが到着し、エリカが紫色の稲妻に襲われているのを見て、


「セイントヒール!」


セイントヒール:回復魔法と闇を消し去る神聖魔法を融合させた上級魔法


「アルン! 彰を助けて!」


すぐにアルンはあの黒い物体が彰だと察し、彰の手を引っ張り。

そして、まだ紫の稲妻をあびているエリカの手も迷わずに引いた。


「ちょっ、アルン!? あなたも傷ついてしまうわよ!」


「そんなこといいから!」


彰を抱きかかえ、エリカの負担も減らそうとしている。


「しょうがないこね」


 エリカが水面にバリアを道のように長くし、岸まで伸ばした。


「ありがとっ」


 二人を岸まで運び、アルンが一息つく。

エリカは翼を出し、思いっきり魔力を周囲に放出する。

すると周りの稲妻が四方へと散り、そして消えた。


「アルン、私は少しここで休むから。あなたは先に彰を城まで運んで」


「わかった。すぐに迎えに来るからね!」


 そう言って、アルンは彰を背負い、城へと向かった。


「あの力は、やっぱり……」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 数分後、アルンが迎えに来てエリカとともに城へと向かった。

城に近づいてくると彰を運んだ部屋に光が。

二人は急いで城の中に入り、駆け上がり扉を開ける部屋の中から突風が。

そして目を開けると、彰が宙に浮いており、右手には黒い模様から紫色の光が

徐々に風が弱まり、彰がベットの上へと少しずつ高度が下がっていく。

そして、ベット上で落ち着くと、手にある模様が徐々に消えていった。


「うっ」


 彰が少しずつ、まぶたを開いた。そして部屋を見回す。

二人の姿を見つけ。


「あれ? 二人とも、そっか、俺、こっちの世界に帰ってこれたのか」


「「おかえり」」


「相変わらずよく気絶するわね」


「したくてしてるんじゃないっつーの」


「さっ、あなたが自分で掘ったあのお風呂にでも入ってきなさい。食事はそのあとにしましょう」


「ああ、なんだが右腕が痛いし、行ってくるよ」


そう言って、お風呂へと足を運ぶ。


「あ~、あったかい。やっぱりお風呂に浸かっていると、警戒心がなくなるな~」


 しばらく浸っていると、後ろから物音がした。だが、今の彰にとってもはや銀虎程度では脅威にすらならない。少し威嚇するつもりで振り向くと、アルンが布一枚まいて近づいてくる。


「こっ、こっち見るな~!」


「おい! アルン! なんってカッコで! てか! なんでここに!」


「え、エリカが、彰の世界では婚約者が胸で婚約者の背中を洗うのだと……」


「いや! まて! それは間違っている! いや、間違っていないかもしれないが待て! エリカ~~~~!!!! 見てるんだろ! 姿を現せ!」


「おや? かわいいエルフ娘だけでは飽き足らず、私にまでご奉仕しろと?」


 そう言いながら、笑いをこらえようとしているのがなんとなく見えてくる。


「まさか本当にこのこがするとは思わなかったし、フフッ」


「エリカ~!!」


 顔を赤くしたアルンが涙目で矢をエリカに向ける、そうすると布がほどけて、落ちていく

それを見たアルンは「キャッ」とかわいい声を出し、全身を何とか隠そうとする。

風魔法を操り実にエルフっぽい緑と白を基調としたフラフラとした衣装を自分の手元に。

再び立ち直りエリカを睨む。


「フフッ、悪かったわよ。からかいすぎた」


「もう~」


「お前らいつの間にそんなに仲良くなったんだ?」


それは、彰が日本に帰っている間の出来事だった。

すみません予定時刻よりだいぶ遅れてしまいました。

今回は読んでて楽しい内容だと思います! ぜひ引き続きお楽しみください

次回は10月6日を予定しております。

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