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遠くから見ていた理想郷(エデン)で夢を見る  作者: †リオ†
第二章 決断、そしてこれから
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第二章1 帰還

 目を開けるとそこには見たことのある天井が目に映り、そっと一口ため息をつく。


「またか、またこれか、こっちの世界に来てから何回意識を失ったかな?はは」


 起き上がろうとするが、動かそうとするとその部分に激痛が走って起き上がれない。

 自分に見合わない力を使った代償なのだろうか


「あら、目が覚めたようね、全身いたくて起き上がれないってところかしら」


 話そうと口を動かすが、口までいたい。


「無理に話さなくてもいいわよ、彰、あなた昨日の戦いで使った力、強すぎてあなたの体のあっちこっちから突き破ってきたのよ、でも安心してた。表面の皮膚が少し破れているくらいだから。それにエルフの娘が自分の傷を先に直さずにあなたにずっと治癒魔法をかけていたのよ、でも限界が来てあなたのすぐ隣で倒れこんだわ、あとであの子に感謝しておきなさい。」


痛いのを我慢しながら


「いっ、ま、どこにっ、いる」


「あなたのすぐ隣に寝かせたわ、よかったわね。美女二人に挟まれて寝れるなんて。これ以上贅沢な状況がある?」


「ふっ」


 事実だけど自分で言うかよ、笑わすなよ痛いから。

 アルンが無事だとわかり、少し安心すると眠気がし、再び眠りにつく


“吾が力、吾が望み、汝に託した。汝の力、自ら掌握せよ”


“また、あんたか。何を言ってるのかわかんないよ、俺の力? 自ら掌握せよ? セリフが中二過ぎてわからないよ”


夢の中でどんどんと巨人が小さくなり、消えていく


“おい、待てよ! どこに行くんだよ! さっきのどういう意味だよ”


目が覚めた。

指が動く、いたくない、試しに頭を動かしてみる、少し痛いがさっきよりはまし。

起き上がりあたりを見回し、そして再び見慣れた光景が。

布団の一部が上がっている、触ってみると誰かがいるようだ。


「エリカ、二度目は引っかからないぞ」


そう言って布団をめくると、裸のアルンがいた。


「わ! ごめん!」


急いで布団を肩の上までかぶせる、


「ん~、何~?」


アルンが目を覚ました。


「あ! 彰! 起きたのね! もう平気!?」


そう言いながらパッっと起き上がった。


「待て待て待て! 今のお前のカッコが平気じゃない!」


そんな彰の言葉にキョトンとし視線を下のほうへと下す。

自分の一糸まとわぬ体を見て顔がますます赤くなり、そして、

涙目でこっちを睨んでくる、そして、目の前にかざした手に魔法陣が現れる


「待て待てまて! 何か誤解してる! 」


「女の子が寝ているときに服を脱がすなんて最低! この変態! 死ね~!!」


「誤解だって! エリカ~!!!」


 魔法陣の中央に緑色の光が集まってくる。

 そして放たれた、その瞬間赤い膜がそれを包みこみ消えた。


「フフッ、脱がしたのは、ハハハ、私よ」


 エレナが笑いながらというか爆笑しながら言ってくる。そして主人公の精神HPにダメージを与える一言を


「彰にそんな甲斐性ないわよ、ただのむっつりな子なんだし」


「グハッ、」


「まあからかうのはこのくらいにしておくわ、(おもちゃが)ひとり同居人が増えたし、食事にしましょ」


そう言いながら輸血パックを投げてきた。


「さ、飲みなさい」


「そんな誰のものかもわからないものを飲むより私のを飲んでください!」


 そう言って首のところまで布団をずらしてく。

 肩に三本の線が見えた。たぶんあの時の狼のものであろう。

 巻き込んだ上、女の子の肌に違う傷を残してしまったことに、自分が情けない。


 そんな彰を見てすぐに何を考えているか理解した。

 自分の親指を少しちくっと刺し、赤黒い血が流れてくる、そしてその指をアルンにに近づける。

 アルンが少し怖がり、遠ざけようとする。


「大丈夫よ」


 そう言って一滴アルンの肩に垂らした。

 みるみるとアルンの肩の傷が後も残さず治っていく。


「女の子の肌よ、傷があったら好きな人に見せたくなくなるわよ」


 そう言って少し笑顔になり、目でこちらに(ついてきなさい)と合図をし、部屋の外へ出ていった。

 彰もベットから起き上がり、ついていく


「今のあなたはこの世界中から狙われるようになった、ということを自覚しなさい。魔神の力は絶大よ、過去の大戦をたったの一人で引き起こしたのだから、でも今のあなたはあの力をうまく使えない、しかもどういうわけかあの剣の形のまま力が一部まだ封印されている」


「気を失う前に大きな魔法陣が見えた気がするよ」


「多分誰かが地下で封印しなおしたようね、だけどあなたが契約したから、元の水晶ではなくあなたの剣に」


「そういえば今どこに?」


「アルンの隣に置いてるわよ?」


「ごめん、気づかなかった」


そう言って取りに行こうとするが


「待った、あなたはしばらくあの剣に触れるのは禁止」


「? なんでだ?」


「あの剣をあなたが触れると、すぐに中に入っている魔力が力があなたに流れ込もうとしている」


「今のあなたの体では耐えきれないわ」


「……どうすればいい?」


「仕方ないけど、学校に行きなさい。そこで魔力のコントロールとか、応用とかを学んでくるのよ。今のままあなたがこの剣を使ったら多すぎる力に耐えきれず死んじゃうかもね」


「ゲッ、こっちの世界まで来て学校か」


「学校嫌いなの? 魔族の学校はそこそこ面白いはずよ? でもあの男の国のじゃなくて、もう一人の魔王の領地のよ。そこで魔力の制御とかこの世界について、ちょうどあと4日ぐらいで入学試験が始まる時期ね。命令よ、試験を受けて合格しなさい。」


「学校か、そういえばそろそろあっちの世界の学校も始業式か、まあ、今の俺にはもう関係ないが、強いて言えばみんな今頃焦ってるだろうな~」


「そうね、あなたがこの世界に来てだいぶ時間がたったわね。少しの間あちらの世界に帰ってもいいわよ」


「え! あっちの世界!? そういえば! あの部屋! あの部屋の中にある現代的な武器! ヘカートⅡにM21! それにAK47! あれはどこで! 」


「あなたの世界から持ってきたのよ?」


「そりゃーそうだな、俺が初めて会ったときに言ったとき、エリカ全然驚かなかったしな、お言葉に甘えて、少し帰ってみるよ」


「ちょうど明日、満月ね、あの湖に行きなさい月を見上げるころに、湖が青く光るはずよ、その時に飛び込みなさい、そうすれば、あの世界に戻れるわよ」


「そういえばこっちに来た時も、満月だった」


「それは、今後あなたが習うわ、そっちの世界で満月の日にまた来た時の池に飛び込めば、こっちの湖に出てこれるわよ」


「わかった、じゃ、少しの間帰るよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一日が経ち


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃ、すぐに戻ってくるよ。わざわざ送ってくれなくてもいいのに、アルンも」


木の陰からアルンが顔を出し、少し照れた顔で


「ちゃんと戻ってきなさいよね」


「こんなにかわいい嫁ができたんだ、すぐに帰ってくるさ」


「? 嫁? ちょっとまずそれ」


「じゃっ! 行ってくる! 」


そう言って崖から湖に向けてダイブする。


「あ、逃げたわね」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


湖に入ってすぐ冷たい水が服の中をすり抜けていく、そのままの勢いで湖の奥へと沈んでいく、突如青白く湖が光った、そのあとなぜか水底に月が見えた。

勢いは劣らず一気に月? へと向かっていく、なぜか波のようなものが見えた。

どんどん水面が近づいてくる。当たると思い両手を目の前でクロスし防御の体勢をとる。

そして、次の瞬間、水面を突き破り、高さ5メートルの空中まで飛び出た。


「プハッ、ここは」


目を大きく開き、目に見える景色に驚く。

あの家の近くの池だった。そして、遠くに見える、高層マンションと高層ビル、見慣れた一軒家や団地。好きじゃなかった夜景が、輝いて見える。

第二章始まりです!最初の舞台は再び現代の私たちの今住んでいる世界です!

もう一つの長編もぜひ読んでみてください!

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